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2022/08/17 【アメリカ】トランプ前大統領邸宅をFBIが家宅捜索、荒れる政治対立【世界情勢】#85

今回は、8日にトランプ前大統領の自宅にFBIが抜き打ちの家宅捜索に入ったことがアメリカで大きな注目を集めていますが、今後のアメリカ政治の流れを決めるきっかけとなるやも知れませんので、今回の事件の背景や、この事件が今後のアメリカの政局にどの様な影響を与えるかについて、お話をしたいと思います。

FBIが家宅捜索を実施した背景

FBIが強制的に家宅捜索した背景は、トランプ前大統領が昨年の1月にホワイトハウスを去る際に膨大な機密情報文書を持ち去って、今年に入って国立公文書記録管理局(NARA)が十数箱の資料を回収したにも関わらず、まだトランプ氏の自宅には多くの機密文書が残されているという疑惑です。
実はこれは言い逃れで、ガーランド司法長官は、1.06事件、つまり連邦議会議事堂襲撃事件に於ける刑事訴追を狙っていて、その証拠探しの家宅捜索だったのではと思います。

今回の事象と今後の政治に関して

事件の行方については今回は脇に置いて、この捜索が今後の政治にどうかかわってくるかをお話したいのですが、当面の大きな問題は、今回のこの事件は明らかに民主党と共和党の政治的な対立をより激しくし、事態をあらぬ方向にもって行きかねない、ということです。
まず、元大統領へのFBIによる極めて異例な捜索がこの中間選挙の100日前を切ったタイミングで行われたことは、民主党が司法省を使って共和党を追い落とす政治的な動きが有ったのでは、という疑惑が当然として生じます。民主党の指導者層は、彼らが裏で画策したかどうかについてはみな否定、或いは知らぬ存ぜぬを通していますが、事実はどちらだろうと、共和党に最も影響を与えるトランプ前大統領を悪人としてメディアに晒し続けることで中間選挙を有利に運び、彼を訴追させて有罪に追い込むことで大統領出馬を断念させる動きである、と、少なくとも共和党の重鎮たちは猛然と抗議しだしていますので、民主党の言い訳はもはや意味を成さない段階になっています。
そして、次に問題なのは、トランプの支持者達がこの事件を利用することによって、トランプ氏を追い落とす流れに見えるこの事件が、逆に共和党のトランプ支持者の団結を生み、トランプ氏擁立に結束する動きに繋がる結果、トランプ氏の2024年の大統領選挙の立候補や勝利への追い風に逆になっていくのでは、という点です。
アメリカ国民にとっては、様々な世論調査はありながら、2024年の大統領選挙は、民主党も共和党も、別のより若い候補者同士で争われるべきだというのが有権者の総意であると私は思っています。今のバイデン政権は中道と言いながら左派寄りすぎる結果、党内がバラバラで何一つまともな政策が実現できないと言う意味では、新しい顔が絶対条件である一方で、共和党も、あまりにも分断を生み出し国内外に敵を作りすぎるトランプ氏では無く、別のより若い候補、例えば今有力候補と言われているロン・ディさんティスフロリダ州知事)、そしてマイク・ペンス前副大統領、マイクポンペオ前国務長官、テッド・クルーズテキサス州上院議員、トム・コットンアーカンソー上院議員、ニッキー・ヘイリー元国連大使、元サウスカロライナ州知事、彼らは一番年の近いマイク・ペンス氏で13歳若く、最もトランプ氏に党内支持でトランプ氏に迫っているディサンティス氏に至っては23歳若いということで、彼らが予備選で可能性を見出す流れが少しずつ出来つつある時に、トランプ氏に復活の流れを与えるきっかけになるのでは、という雰囲気が感じられます。
今でも圧倒的な支持層を持ち、直近でも中間選挙の予備選で大きな影響力を持っているトランプ氏ですが、こういったマイナスをプラスに変えて返り咲くのか、次の若い世代が共和党のトップになっていくことでアメリカを新しく変えていく方向になるのか、日本にも大きな影響を与えることですので、今後も細心の注意を払っていきたいと思います。

今回の内容を動画で見たい方はこちら↓


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