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介護や医療や福祉のこと

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医療や介護についての記事をまとめています。
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#理学療法士

普通の理学療法士が病気や障害の予防に取り組む理由

理学療法士になったのが、27歳。 そこから、制度の狭間の事業や新規事業の立ち上げなどを模索している。 現在では、介護状態の予防や介護うつ、介護離職の予防、そして、病気や障害になりにくい社会・環境づくりをおこなっている。 また、最近は産後うつや家族の不破の予防などにも取り組み始めている。 一般的な理学療法士が歩むキャリアとは、大きく異なるキャリアを歩んでいると思う。 なぜ、このようなキャリアを歩むようになったのか。 22歳の時に理学療法士になってやろうと思ったこと22歳当

消滅可能性地域では、介護事業だけ行ってたらダメ

その地域の持続可能性によって、取るべき戦略は変わる。 人口減少社会においても都市部のように持続する可能性の高い地域と、逆に消滅する可能性の高い地域では、どのように事業を営んでいくのか当然変わってくる。 現在の先進事例や華々しい活躍をしている事業所が、もし都市部である場合、過疎地域においては全く参考にならない可能性が高い。 自分の立地地域の将来性を見据え、どのような戦略を取っていくのか、しっかり考えていこう。 また同じような地域でも、劣化コピーにならないようにしていかなけれ

介護が必要な人”も”良くなることはあります。むしろ普通です。

私たちは、「卒業させるデイサービス」を運営している訳ではなく、良くなったら終了(卒業)したいと思う人に、そういう選択肢をありますよと提示しているデイサービス。 なので、「卒業"も"できるデイサービス」と良く言っている。 この、"も"がとても重要。 卒業するか、卒業しないかは最終的には、ご本人が決めるので、僕たちが卒業"させる”ことなんか出来ない。 決めるのは本人なのだ。 介護保険の基本理念である、「自己決定」。 ・本人がどんな暮らしをしたいか? ・そこに適切な選

人生観、仕事観を変えた1冊〜患者さんの生活習慣を改善し、医療者の技術を向上すれば、病気や障害は良くなると思っていた〜

りぷらすでは、当事者へのアプローチ、社会を作るアプローチ、同時に2つのアプローチを実践している。 この、「社会」について知る機会となった1冊との出会いについて記事にしています。 リハビリテーションってすごい理学療法、リハビリテーション、医学って凄い! こんなにやりがいのある仕事に出会えて幸せ! そう思って、理学療法士の学校に入ったのが23歳の時。 1つ目の実習先では、急性期病院でICUや心リハを、 2つ目の実習先では、大学病院の付属病院(亜急性期)で脳卒中のリハを経験。

療法士は供給過剰になるのか?

僕が、理学療法士になったのは2007年で27才の時。 2002年〜2003年に、養成校に入ろうと考えていた。 その時からすでに、療法士供給過剰論を唱える人がいた。 当時の僕には、将来のことなんか良く分からなかったが、理学療法士になって良かったと心底思う。 履歴書すら書き損じがあった僕を採用してくれた、当時の上司のおかげで、 本当に運良く病院のリハ助手と言う職業にありつけた。 そのおかげで、本当になりたいと思える職業に出会えた。 そして、3年勤め、再び学生になった。 2

要介護者は、「社会参加」の前に「生活参加」を考えた方が良いと思う。

その人にとって大事なのは、どのような社会へのどのような参加なのだろうか?一般的に介護から卒業することや、介護状態の予防の取り組みにおいて、受け皿となる通いの場が必要と言われることが多いが、これでは不十分だと思っています。 地域づくりによる介護予防を推進するための手引き もちろん、自宅の外に、週に何回、誰と、何をするのか、という社会参加は重要であり、社会的孤立自体の現状や予防は極めて重要です。 健康指標との関連からみた高齢者の社会的孤立基準の検討 10年間の AGES コ

理学療法士だから理学療法士に投票するって本気ですか?

2019年7月21日に投開票を迎える参議院議員選挙。 僕は今だに、誰に投票するか悩んでいる。 比例代表の候補者は数名おり、絞りきれていない。 皆さんはどうでしょうか? 悩むのは、「理想」と「現実」。 理想が大きくても、与党にならなければ実行力がない。 一方、現実の延長に、日本が暮らしが豊かになるとは思えない。 故に悩みます。 さて、本題です。 僕は理学療法士です。 当然、悩んでいる立候補者の一人が理学療法士です。 一方で、私たちの仕事は、病気や障害を抱えた人の全人間的復

リハ職の地域偏在と開業について

こんな記事が出ましたので、黙って見過ごす訳にはいきません。 理学療法士などリハビリテーション専門職による開業(例えば訪問リハビリステーションなど)を認めた場合、地域偏在が進行し、病院での質の高いリハビリ提供に支障が出る恐れがあることから、病院団体して反対である。 とはいえ、僕自身の今の考えも、リハビリテーション専門職の開業(医療保険事業の認可)には反対です。 ですが、上記のコメントはどう考えても、病院の既得権益を守りたいと、言っています。 ここも言いたい事たくさんありま

「地域」より「暮らし」の方がしっくりくる。

医療や福祉の分野では、地域〇〇という領域がある。 例えば、地域医療、地域福祉、地域リハなどなど。 いずれも、それぞれの専門性から見た、それぞれの部分最適化された言葉。 なんか、違うな〜って思っていた数年前。 たまたま、朝の通勤中のカーナビのテレビで、「暮らしの手帖」の立ち上げが「とと姉ちゃん」が流れているのを見ました。 それから、人に寄り添う言葉は、地域より生活、生活より暮らしの方が、しっくりするな〜と感じています。 僕たちも、「暮らし」を意識して、保険や制度外の取り組

「森のようちえん」と「ショッピングリハビリ」と「りぷらす」

子供と介護予防と高齢者福祉。これらが一体となったイベントが、気仙沼で行われました。 それぞれが、制度も別で、一緒の時間に同じ場所で企画されるのが珍しく、とても学びになりました。 共通するのは、「生きがい」、「やりがい」ということ。 そして、本人の想いを尊重しその場を作り、持続可能な仕組みとしていること。 子供、母親、高齢者、要介護者など。一方で、支援者にとっても。 「生きがい」、「やりがい」の実現を目指せば目指すほど、QOLやADLや幸福度は高まっていく。一方で、それと同じ

【学会の価値ってなんだろう??】

皆さんは、なんのために学会に参加しますか? 昨日、第53回日本理学療法学術研修大会に参加してきました。 今回は、ポスター発表です。 でも、そもそも、そんなに遠くまで行って、どんな価値があるのだろうか?発表する人は、どんなことを期待しているのだろう? これが、純粋な疑問でした。 僕自身は、自分が話すことで、他の地域に何かしら良い影響を与えられたらと思う一方で、そんなに簡単ではないし、難しいとも思っている。 また、自分が学ぶという意味もある。しかし、学ぶのであれば既にIT