マガジンのカバー画像

介護や医療や福祉のこと

71
医療や介護についての記事をまとめています。
運営しているクリエイター

#地域包括ケア

「新しい東北」先導モデル事業選定 「被災者を最後のおひとりまで支える次世代型地域包括ケアの推進」とは何だったのだろうか?

地域包括ケアを一言で言えば「住み慣れた地域で安心して一人一人が最後まで生きることができる社会」 それを実現する仕組みが「地域包括ケア」 これが、現時点で僕自身が納得できる意味。 石巻で言えば、雄勝、牡鹿、北上の人も一人一人が 安心して最後まで生きられる地域であるために、必要な手段が 「地域包括ケア」。 それは、高齢者だけに留まらず、子供も子育て世代も、不登校の学生も 働く世代も高齢者も、一人一人誰もが。 SDGsでいう、誰一人取り残さなない社会。と同義であるかもしれな

要介護者は、「社会参加」の前に「生活参加」を考えた方が良いと思う。

その人にとって大事なのは、どのような社会へのどのような参加なのだろうか?一般的に介護から卒業することや、介護状態の予防の取り組みにおいて、受け皿となる通いの場が必要と言われることが多いが、これでは不十分だと思っています。 地域づくりによる介護予防を推進するための手引き もちろん、自宅の外に、週に何回、誰と、何をするのか、という社会参加は重要であり、社会的孤立自体の現状や予防は極めて重要です。 健康指標との関連からみた高齢者の社会的孤立基準の検討 10年間の AGES コ

財政制度分科会3(主に医療関係)2019/5

今回は、今後の利用の供給体制について。 2019年5月の財政制度分科会の資料から一部を抜粋しています。 ①保険給付について 今回の資料て何度も出てくる言葉がこれ。 「大きなリスクは共助、小さなリスクは自助」 小さなリスク、つまり軽度な受診や薬などについて、今後は自費にしたり自己負担を増やしていくという流れが加速していく。 ②外来診療について 日本とイギリス、フランスの外来受診について上記にあるが、以前から言われているように日本はフリーアクセスが大きな課題となっている。

国のお財布を覗いてみよう。

意外と知らない、社会保障とライフサイクル。 そして、増税に関する具体的な施策。 ようやく、財政制度分科会の資料に全部目を通すことができました。 そして、下記2つに注目しました。 1)自治体間の格差の増大都道府県によって、病院数、一人当たりの医療費、介護認定率、介護給付費などの差があるのは、ご存知の通りです。 今後は、それらに基礎自治体などでインセンティブがつくようになって来ます。 これによって、格差が縮み、結果的に健康を強制されることなく、一人一人が生き生きと暮らし

介護保険料2割のその前に

財政制度分科会にて財務省から、これからの社会保障について提言がありました。 さすが財務省、現場を知らず凄い球を投げています。 沢山あるのですが、一般人がもろに直面することです。 ①介護保険利用料の原則2割負担を ②介護事業者のサービス利用料を下げて価格競争をする政策誘導を これにより、介護難民、介護うつ、介護離職、介護破産は増えます。 さらに、地方において介護保険サービスは無くなり、地域格差が進むと思われます。 ①をする前に、税の再分配、公務員・議員削減等

長野県を考える(医療や教育について)

先週後半から息子の風邪をもらい寝込んでました。 土曜日、回復して急遽、長野に1泊2日で。 今回は知人のいる軽井沢へ、初めて行きました。 軽井沢はとても不思議な街で、不動産、開発の面、景観保全、地域ブランディングなど、とても学びが多い地域です。 数多ある観光地が、時代の変化とともに衰退していく中、軽井沢は今だに魅力的な街となり続けています。それは、なぜか?などなど さて、本題です。 個人的に長野県には、医療や健康、そして教育の面から、とても注目しており、いつかいきたいと思

震災から10年まであと2年

311から8年、どのような1日を過ごしていますか? 私たちは、今日もいつものように、デイサービスを行なっています。 僕は、311を機に埼玉県ふじみ野市から宮城県石巻市に移住しました。 2013年にりぷらすを立ち上げ、色々なボランティアの方々に支援頂きました。 場所は、大川小学校のある河北という地区にあります。 時を経ることに、東北に来る人が確実に減ってきています。 そして、それが復興への一歩だと 思いつつも、やはりどこか寂しく感じることもあります。 ボランティアとか、

【介護予防、認知症予防という言葉を使う人の責任】

これらの言葉を使う、機関、組織、人は年々増えてきている。 厚労省も使うし、経産省も使う。非常に幅広い言葉として、だいぶ世の中に浸透している。 そして、僕自身も、この言葉を使う人の一人。 これらの言葉を使う専門家や組織は、必ず伝えなければならないことがある。それは、いくら予防を頑張っても、100%予防することは、今の医学では不可能だということ。そして、例えそうなっても絶望する必要はないということ。 だから、伝えることは、「予防」のためにエビデンスと、いつかそうなった時の「備

「再現性」を高めるための「個人」と「組織」のサイクル

個人に関する要素①知識・情報(knowledge)  良くなる、卒業できるという事実を知っているかどうか。 ②意識・想い(mind/will)  良くなってほしい、その人の生活をより良くしたいという想いがあるかどうか。 ③経験(experience)  良くなる、卒業できるという経験があるかどうか。 ④当事者性(needs)  自分や家族が使いたい「モノ・仕組み」を作りたいと思うかどうか。 組織に関する要素①理念・ビジョン・ミッション その組織は、なんのために存在するの

「当事者」として考える「地域包括ケアシステム」のあれこれ

大人になると無目的に人と会うことが、どんどん無くなり男性だと、どんどん0に近づく。社会的孤立だ。 下記の論文によると、女性に比べ、男性は約2倍。もっと多そうな気もするが。 健康指標との関連からみた高齢者の社会的孤立基準の検討 10年間の AGES コホートより同居者以外との交流頻度が月 1 回未満を孤立の基準とすると,高齢者の7.4%(男性で10.2%,女性で4.7%)が該当し,週 1 回未満を含めると15.8%(男性で21.2%,女性で10.6%)が該当した。htt

自立支援に最も大事な4つの視点はこれだ!と思う。

介護や医療の現場において、自立を支援する事を考えていない人はいないと思う。 そもそも、自立支援とはなんだろう。 僕の解釈では、その人がその人らしく生きることができるよう支援する事だと思う。では、それを実現するにはどうすれば良いのだろうか? 今は、全ての職種でイメージ出来るほどシンプルで、全体最適で本質的な、概念が必要とされていると思っている。 しかし、制度や加算の複雑化、専門職種による専門用語の乱発などにより、自立支援を実践するのに何をどのようにすれば良いのか。 もし、

「介護保険支出上昇」と「これからの社会」

7/31、某市に介護保険支出上昇の抑制に関する協働事業提案をしてきました。 興味ある自治体や金融機関(SIBなど)の方いましたら、提案に伺います(笑) みなさん知ってますか? 人口規模10万人前後の市で、2年で6億〜9億円近く支出が増えてることを。 しかも、高齢化の本番のまだ前夜って時期にです。 この10億の支出の増加を埋めるための、税収増加を、少子高齢化の時代に、これから自治体は埋めることができるのでしょうか? この増加分の支出は、何に関わるかというと、市民生活であ

「評価の量」と「医療や介護の質」は比例するのか?

高齢になれば、沢山のリスクが高まる。 それらすべてを評価することは現実的ではないし、あまり意味がない。 特に、介護の現場では医療のように「病気」を見るように評価はしない。 生活において、何に困っており、それを含め自立した生活を送るためには、 何が必要かを考える。 個人にカスタマイズすればするほど、人によって必要な要素は異なる。 だからこそ、最大公約数に当てはまり、現場の職員(医療、介護、福祉職)で、また利用者数と職員数とプログラム的に実施可能で、危険性が低く、意味が分かり

何が出来ないか見極める:なぜ、介助をするのか言えますか?

これまでに、「「どうやったら卒業できますか」、「何をしたら良くなりますか?」という質問を良く聞いてました。 これらは、一方向性ではなく、双方向性です。目的が明確であれば、何をするのかも明確になる。また、目的が曖昧でも適切な内容をして入れば生活は改善し、目標が明確化しやすいです。 今まで、目的の明確化や目的の可視化については伝えてきたのですが、今回は実際に「すること」ということについて考えて見たいと思います。 今回は、「歩く」や「転倒」を改善する視点で考えます。 これら

¥100