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57:インスブルグで人生最大直径の雪を見た

どこへ行く時にこの街を通ったのか忘れてしまった。とくかく、季節は真冬で天候か車輌の故障か何かでオーストリアのインスブルグという駅に足止めされてしまったことがある。海外ではこういう想定外がよく起こる。日本がすごいんだろうな。

 いつものことながら、土地のことを事前に全然調べていない私。どうやらこの辺りは寒さが厳しいよう。確かに気温が低いのだけど、雪の振り方はもっとすごかった。

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 大福と書いては見たものの、正確にはひとつの雪の塊が大福二個分くらいあった。あの後、結構な豪雪地帯にも住んだけど、あそこまで大きな雪はインスブルグで見ただけ。しかも日本の雪と違って、軽くてフワフワ。それがドカドカヒラヒラ空から落ちてくるのが素敵だった。

「この雪すごい〜〜〜!」と大爆笑。

 インスブルグを出発できたのは深夜のこと。そういえば、待つ間にもおもしろい出会いがあった。駅には同世代の女性二人組が同じ目に遭っていて、どちらからともなく話しかけた。

「二人?」
「うん二人」
「私、英語ほとんど話せないの。ドイツ語話せる?」
「ううん。フランス語は?」
「ううん。じゃあ、ロシア語は?」
「ううん……(汗)」

(日本語は無理だろうし、まさか中国語を話せたりしないよね……) 

 こんな感じでコミュニケーションをとれる言語がひとつもなかった。たいていひとつくらいはあるはずなんだけど。だけど、私たちは確か駅の構内あったお店でご飯を食べてビールを飲んで、出発の時間まで楽しい時間を過ごした。言葉がわからなくても一緒の時間を楽しめるんだってこの時思ったな。若いっていいよね。

 改めて地図を見ると、この辺は山という山にスキー場があるみたい。リフトらしき物が描かれてる。いいな〜、オーストリアでスキーしてみたい。あと、近くにあるキッツビューエルという街では、男子のプロテニスツアーの大会が開催されているから行ってみたい。テレビで観ていると景色がものすごくきれいなので。

 良い季節にのんびりじっくり行くといいんだろうな。



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