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科研費『普段からの書類づくりで心がける』こと

こんにちは。

以前、私のTwitterでも以下のような呟きをしましたが

私が大学職員で「一番身になったなぁ」と感じたのは『補助金業務』でした(完全なる主観です)。

ただ、補助金業務を通じて国や文部科学省の政策を理解することができたからという事もありますが

それ以外に『普段の書類づくりにも影響を与えたから』です。

私立大学における補助金(特別補助)や、科研費はいわゆる『競争的資金』と呼ばれる類のもので国や県などから採択されると資金が与えられ、それは大学経営にとってもプラスになります。

そのため、申請書類の精度を高めるため普段から書類づくりにおいても心がける必要があると気付きました。

ちなみに、以下の書籍は科研費申請のものとなりますが競争的資金のノウハウが記されており参考になるかと思いましたのでご紹介いたします。

■審査員に『伝わる・通じる』書類を

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はじめに、

皆さんは「忙しい相手や読み手にとって『伝わる・通じる書類』を意識しつくっている」でしょうか?

それらを考えるに、まず科学研究費助成事業(以下 科研費)の変化について触れていきます(なぜ科研費?と思うでしょうが疑問は回収いたします)。

科研費申請数は下図の通りこれまで増加傾向にありました。

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その背景には、

〇日本の研究基盤力の国際的地位の低下
〇大学自前の研究資金だけでは高度な研究は遂行不可能

といったことが大きく関係しているといわれています。

文部科学省「科研費改革の概要等について」によると平成29年度の応募件数は10万件超となっており、そのうち採択件数は約2.5万件でした(採択率25%)。

これら申請数の増加を背景に、採択率の向上が難しくなってきたことから、国は見直しを図るため『科研費改革』を実施し、平成30年度助成から新たな審査システムとなっています。

この大規模な科研費改革によって、より重要となっている箇所を整理しました。

〇文章構成力がより重要になった
〇錬度の高い研究計画が必要になった
〇内容が重要なのはもちろん『伝わる・通じる書類』にする必要がある

といった具合に、当たり前かもしれませんが科研費申請の際にはその研究の意義についても定常的に考え続ける必要があります。

そのため、申請者は低採択率であるという現況を理解しつつも、一般的なこととして、年に10万件を審査する審査員はそれを約1カ月でこなすと言われていることから『忙しい審査員にも配慮』が必要です。

そのため、審査区分を認識した記述も重要ですが『伝わる・通じる書類』をつくることで好印象を与える書類作成は、申請者にとって必要最低限のスキルといえるでしょう。

もちろん、テクニックとして国の政策の意図や、その方向性をくみ取り、それを申請書に盛り込めば採択になる可能性も上がると思います。

ですが、これは綺麗ごとかもしれませんが、それでは大学の考える方針とは異なる方向へと向かう危険性もあるため、ただ採択を狙うという結果は将来的に少なからず影響を与えることも考えられます。

■相手の目線に立ち『伝わる・通じる書類』を

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はじめに科研費について触れてきましたが、私立大学でいえば競争的資金に「特別補助」というものがあります。申請者となった方は分かると思いますが、場合によっては作文が必要です。

その上でも、やはり『伝わる・通じる書類』をつくる必要があります。

私が担当した当時は(正直に話しますが)結果として、採択されたものもあれば、もちろん不採択になった事案もあります😭

ですが、これを繰り返すうちに『相手の目線に立ったメッセージを送ることを心掛ける』ようになりました。

それに必要な準備として、申請パートナーだった研究科長から以下の項目が大事であると言われました。

〇情報収集力:
書類を作成するための情報素材を揃える。
〇説得力:
読み手に刺さるメッセージを盛り込む。
〇論理力:
読み手に読む動機を与える(理路整然な構成)
〇伝達力:
読みやすさと分かりやすさを高める(効果的な接続詞など)
〇適応力:
読み手に応じて表現を使い分ける(時期や場所も)

そのためには、国や県の政策のほか、それ以外の情報も適度に集める必要があります。ただ「情報は集めるものではなく使うもの」とよく言われるので、その選別は人それぞれだと思います。

■書類作成で普段から意識したこと

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すべて書き出すと長くなってしまうので、情報収集以外でより意識したものだけをまとめます。

・重要な部分は強調
・メールの件名は内容が推測されるものに
・改行の位置、行間の広さ、文字の大きさ、フォントの種類など。
・提出前に読み返し誤字脱字を減らす(あやしいと思ったら調べる)
・そして、何といっても期限厳守!

読んでて思ったと思いますけど、これ社会人なら当たり前ですよね😅

だけど慣れてくるとこれが当たり前じゃなくなってきて、ついつい相手の立場や状況に立つことを忘れてしまい、自分の主張だけになってしまうんですよね。

だからこそ、

通したい案件の時だけでなく普段から

『メッセージを伝えるには情報の正確性にも気を付け、さらに相手の立場や状況も考えてみてはどうでしょうか?』

こういったことを忘れてしまう「慣れ」とは本当に怖いです。

特に、大学という組織は文章のプロフェッショナルが揃う機関といっても過言ではないでしょう。そのため、書類には少し厳しい職場かもしれません。ただ大学に限らず、文章力というものは社会人基礎力においても必要といわれています。

私もまだまだ過ぎるのnoteで鍛えています。たまにですが、補助金申請だと『である調』だったため癖が抜けずやや困っています😓


最後に補助金についても補足程度にお話をすると

補助金とはそもそも税金であり、運営費の国立大学は約3割、私立大学では約1割を占めます。そのため、国による厳正なチェックもさることながら、マスコミからは生き残りを掛けた手段として揶揄されることもあります。

昨年の東京医科大学の不正など、補助金に対する問題は多少ありましたが、多くの大学は税金である補助金を『教育・研究・社会貢献』のためにしっかり学生、社会、世界へと還元しています。

競争的資金の採択に関する情報は、各大学のHPや文科省のページでも掲載されていますので、各大学の取組みから魅力的な研究や活動を見つけてみるのも面白いのではないでしょうか。

ここまでまとまってましたでしょうか💦
毎度、私の拙文・散文にお付き合いいただき本当ありがとうございます🙇‍♂️

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
Twitterもやっています。@tsubuman8
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