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晴読雨読

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晴レノ日モ雨ノ日モ、私ハ本ヲ読ム
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2021年7月の記事一覧

新たな扉をそっと開くために

 最近、夏だからなのか色々モチベーションが上がってきている。やっぱり気温が高いと不思議と体もスムーズに動くものらしい。久しぶりに髪を切りに行ってショートカットにしたおかげでだいぶ心も軽くなった。冬は寒さ対策も兼ねて長く伸ばしているのだが、毎年この時期になると思い切ってぱつっと髪を切る。  自然とこれを機にいろんな本を読んで新しい考えや世界を吸収したろうではないか、という気持ちにもなってくるのだ。懲りもせずまた少しずつ小説を書き始めていて、どうしたらいろんなアイデアが湧いてく

世の中の先入観なんて吹っ飛ばせ!

いつになったら、私たちはタイムリミットから解放されて手を取り合うことが出来るんだろう。世界中にある時計を一つ一つ、金槌で壊して歩けたらどんなにいいだろう。(p.116)  今年の4連休は意外とあっさり終わってしまったことになんとも言えないモヤモヤとした気持ちを抱いている。ニュースを見る限りだと結構日本勢金メダル取っている感がある。でもなんか遠い世界の出来事を見ている感じが否めなくて、うーんどうしたものかと一人で勝手に頭を抱えている。  さて、ちょっと疾走感のあるタイトルに

狭間でゆらゆら揺られる

 最近、自分の中で何かが足りない。これがなぜなのか何とも表現するのがもどかしいところだけど、少し前まであった物事に対する高揚感だとか新しいことに挑戦する意欲だとか、そういったものがだんだん削がれていっている気がしてしまう。  その原因って、思い巡らすと頭に浮かんでくることがいくつもある。年齢を重ねて落ち着いたということも言えるかと思うし、コロナのせいで行動に制限がかかってうまく立ち回ることができないということもあるかもしれない。  きっとね、こういうのは積み重ねだと思う。

ショートショート:夜の陽炎

陽炎(名)・・・春や夏に、日光が照りつけた地面から立ちのぼる気。  夜の熱気を浴びて私は頭がクラクラした。  コロナで一時静まりかえっていた街も、気がつけば喧騒を帯びて再び活気を取り戻していた。辺りには酔っ払いの男どもが騒ぐ声。うるさいったらありゃしない。  昔は酒を浴びるように飲んで記憶を忘れるくらい騒いで朝に帰るというのが日課だったけど、さすがに三十路を越えたあたりから昔の悪い男たちの縁も切れた。最初は何か自分の一部を失ったかのようにちくりと胸が痛んだけれど、その痛

ものを書くことについて

 今日はギリギリの曇り模様。ここずっと毎週のように雨だったのでなんだか外に出るのが億劫で大体家に引きこもっていた。ようやく外に出かけられそうだったのでいそいそと玄関から出てみる。どこからかミンミンと忙しない蝉の鳴き声がする。気だるい暑さの中で自転車を漕ぐと、風が気持ちよかった。  さてここ1週間ほど会社の新人さん向けにずっと研修をしていたお陰できちんと本が読めていなかったので、ここぞとばかりに本を読んだ。その中で今日読み終わったのが、松岡圭祐さんの『小説家になって億を稼ごう

いつだって心躍りたいではないか

 遠くから聞こえる雷鳴の音。気がついたらPCがプツンと切れて、それまで作業していたことがパァになり頭が真っ白になった。数秒後に再び電気が供給され始め、再び電源をつけると幸いなことに自動保存していた。危ない危ない。  とは言いつつも、そもそもの話雷が鳴ってる中で電化製品を使うことはすなわち故障のリスクを抱えていることがわかったため、今後はもう少し気をつけよう。油断大敵。 *  いつだって私はワクワクしながら生きていたい。仕事だってプライベートだって苦しいよりは楽しい方がい

ムクドリの逆襲

【前書き】 特に実のある話でもなく、私の周りで起きた出来事を振り返る回です。  駅への道を歩くたびに、「キイキイキイキイ」と声がする。何だかめっちゃ近くに鳥がいる!と思っていたら、続いてその声に呼応するかのようにそこから少し離れたところから「キイキイキイキイ」と声がするではないか。  こんな至近距離で愛の囁きを交わしているのか、それならば近づいて一緒に行動すれば良いのに。と若干呆れた。すると次の日も同じ場所から同じような声がするではないか。  変だなと思って調べてみたら

あたまの中の栞 -水無月-

 早いもので新しい年を迎えてから半年が過ぎようとしている。「光陰矢の如し」とはきっとこんな時に使うんだろうな。6月に入ってからは毎日のように雨が降っていて、正直な話気が滅入った。もう地面が陥没してしまいそうなくらい雨が降り続けて不安が胸を掠める。  ここ一ヶ月長い物語を書いているうちに気がつけば1日が終わっている、という日々が続いた。物語を書くのは全然私にとっては苦ではなくて、あー私生きてるって思ってしまった。なんて単純なんだろう。自分が紡ぎ出す物語の世界に没頭することによ