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思わず引き込まれた話のまとめ

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ついつい語り口に引き込まれて最後まで読んで感服した話のまとめ。
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2023年3月の記事一覧

ウダイプルのボーイフレンド【インド#11】

ブルーシティのジョードプルからホワイトシティのウダイプルへ。 同じ長距離バスに乗っていたインド人ではない旅人は、私と韓国人のジュンさんの2人だけだった。 バスは訳の分からないところで降ろされ、2人でリクシャーに乗った縁から、チットールガル城へ一緒に行き、その打ち上げと称して晩ごはんを食べに行ってからは、ウダイプルにいた1週間は毎晩ジュンさんとビールで乾杯してごはんを食べた。 思いつきでリクシャーに一緒に乗っただけのジュンさんを「私のボーイフレンド」と呼んでチットールガルツア

私には、37兆個の応援団がいる

二十歳の時に亡くなった同級生のことを、たまにふと思い出す。 彼は病気だった訳じゃなく、亡くなる前日までは普通に元気だったらしい。 でも翌日の朝、起きてこない彼を心配してご家族が様子を見に行ったら亡くなっていたらしい。 彼の心臓は、何の前触れもなく急に止まってしまったのだ。 心臓が明日も動くことは当たり前のことじゃないんだって、そのとき知った。 この身体が毎日問題なく動いてくれること、 きっと凄いことなのに、いつしか当たり前のことに感じてしまう。 でもよく考えたらさ、年

プシュカルという聖地〜俗〜【インド#14】

プシュカルはとにかく聖地だとよく聞いた。 ウダイプルからバスで7時間、アジメールでミニバスに乗り換えて到着した聖地プシュカル。 ここも日が暮れてから辿り着いたので、翌朝まで町の全貌はお預け。 一体どんな聖地なのか。 聖地感を全く感じられないまま、プシュカルが始まった。 宿は、インドのいろんな都市にチェーン展開しているハイクラスなホステル「Moustache」の女性用ドミトリーを選んでみた。 ラジャスタンではずっと個室に泊まっていたし、節約する意味でもたまにはドミトリーでもい

そもそも世の中に「陰キャ」も「陽キャ」も存在しないんじゃないかな

「あの人、陰キャやったよな〜」 久々に大学時代の友人達と飲みに行ったんだけど、ある友達が他の同級生のことをこのように言っているのを聞いて、心に違和感を感じた。 そもそも世の中に「陰キャ」も「陽キャ」も存在しないんじゃないかなって思う。 みんな自分の中に「陰」と「陽」、どちらの要素も持っている。 たまたま自分に合う環境で、「陽」の自分が強く出たりすることもあるし、 自分に合わない人間関係や環境だったり、自分に対してマイナスの思い込みがあったりした場合、「陰」の要素が強く出

チットールガル城へ3人旅珍道中【インド#10】

青い町ジョードプルから、白い町のウダイプルへやってきた私の目的が、チットールガル城砦へ行くこと。 こちらもまた例のごとく映画のロケ地であるが、その映画とは、今回はインド古来の物語を映画化したとても美しく哀しい映画『パドマーワト 女神の誕生』である。 この映画の舞台はラジャスタン州なので、私は勝手にそれがジャイサルメール城だと思い込んでいたのだが、ジャイサルメールの人たちに聞くと、「いやあれはチットールガル城だ」と教えてもらった。 よし、ならば、行こうじゃないのチットールガル