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思わず引き込まれた話のまとめ

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ついつい語り口に引き込まれて最後まで読んで感服した話のまとめ。
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2022年3月の記事一覧

昔の恋は、忘れたふりをしてるだけ

過去の恋が、日曜の朝のまどろみを切り裂いてきました。 数年前、私にいろんな初めてをくれた男の人の笑顔を、久しぶりに見てしまったからでした。 心が、揺れる。 私がこんなふうに人を好きになることはもうないだろうと思う恋をした相手。そんなのは初めてで、辿るものもなく足元が崩れ落ちたような、ずっと水中を沈んでいくような、苦しさ、愛おしさ。 そしてとてもとても大切で大好きな人に出会った今でも、同じ気持ちはもう湧いてきません。もうそのタイプの恋の泉は枯れてしまったか?と思うほどに

何者かになるためじゃなく、ただ味わうために生まれてきた

とにかく、あたたかいものが好き。 春とかホットコーヒーとか猫とかお風呂とか。 許されるならずっと日向ぼっこしてたいし、 はっぴいえんどの「風をあつめて」とか聴いてたい。 心があたたかくなる瞬間も好き。 誰かと心通じ合えた瞬間とか、思わずクスッと笑ってしまう時とか お酒飲みながら語り合えた夜とか。 「こんな素敵な季節に生まれてきてくれてありがとう」 友達がずっと前に言ってくれた言葉。 なんてあたたかい言葉なんだろう。 なんだか嬉しくて、誕生日のたびに思い出すし、ずっと心

追いかけて、追い抜いて、交差して、通り過ぎていった旅人

ルピュイの道を歩いて旅をしていた時、あちこちに小さな名もなき教会から大きな教会まで、いろんなタイプの教会が道中に点在していて、毎日何ヵ所もの教会に、見学という名目で休憩や気分転換に立ち寄っていた。 キリスト教の聖地でもあるこの巡礼路は一本道で、クリスチャンでもない私がこんなに毎日教会に立ち寄る行動が一見変な感じなのだが、スタンプラリー的な楽しみにもなっていたので、見かけては必ず立ち寄っていた。 立ち寄ったそのほとんどの教会に、メッセージを書き残すためのノートが置いてあった。

家族への手紙

最近、心がざわざわする。 そのざわざわは、大きな世界での出来事に起因したものなのか、小さな世界の変化によるものなのか、よくわからない。 もしかしたら、そのどちらでもなくて、単に寒暖差が激しくて自律神経が乱れているのかもしれないし、そうした私の周りの環境すべてが、気持ちを落ち着かなくさせているのかもしれない。 いずれにせよ、私のまわりの小さな世界に変化が起きようとしているのは確かだ。 私はもうすぐ実家を出る。 昨年もこの時期に同じような投稿をしていたが、縁あって1年間