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ロイヤルホストの話と、ココスの話

誕生日に好きなお店で外食しようとなったので、ロイヤルホストへ行った。
ココスへ行くことになりそうだったので、「私が一番好きなファミレスはココスではなくてロイヤルホストなんだ」と言ったのだ。
誕生日当日の19時半、結婚9年目の真実である。この告白は、主張でありながら遠慮である。

ちなみ今ココスでこれを書いている。誕生日月というだけで、こんなプレートを無料で提供してくれるし、注文するときには「ハッピーバースデーの音楽を流しますか?」と、分け隔てなく全ての人に聞いてくれる、それがココスである。

テニス帰りのマダムたち(紳士が数人混ざっていて楽しそう)、幼稚園お迎えまでの束の間のおしゃべりを楽しむ母集団、実家暮らしっぽい親子、学生カップル、パソコンを開いて向かい合って座っているスーツの男性とTシャツの男性。Tシャツの人の方が「まぁまぁ稼いでいます(笑)」というオーラを放っている。

ドリンクバーでの譲り合い以外、特に接触することもないが、我々は数あるファミリーレストランの中から本日ココスを選んだ仲間なのだ。ひとりだけどひとりじゃない、ありのままの自分で過ごしてもよいのだとのびのびと過ごせる友愛の場所、ココスである。

家で漫画を読んでしまい、このままではいかん!と仕事道具を持ってここまで来た、それなのに結局noteを延々と読んでしまい、こうして日記まで書き始めてしまう、なぜこんなに自由になってしまうのだろうと首を捻る場所、それもココスである。

それはそれとして、ロイヤルホストである。
自分が28歳独身女性だったとして「僕の小さな頃から好きな店でさ、一度特別な日にあなたを連れていきたいと思っていたんだよね」と言われながら、着いた場所がロイヤルホストの駐車場であっても嫌な感じはしない。(驚きはする。)

ファミリーレストラン(通称 ファミレス)を名乗っておるだけあって、これぞ「レストラン」、厨房にいる店員さんたちは白いコック帽をかぶっている。食事を終えたタイミングでコック帽の店員さんが水を運びにきて「いかがでしたか?」と問うた。「ロイヤル」という名に恥じない最高級ファミリーレストランである。「コック帽の店員さん」という表現は無意識である。

自分の子どもは過去生で貴族だったのかなと思うことが多々あるのだが、そのロイヤルな空間でも大変のびのび過ごし、食後に注文したメロンパフェはメロンだけを食べるような気がしていたが、やはりメロンだけを食べていた。これは王室であるまじき行為である。

ケーキもそうなのだ。ケーキの上に乗っているフルーツだけを食べる子どもに、いつもムッとしていたのだが、彼らはもしかしたらスイーツがあまり好きではないのかもしれない。嘘みたいな可愛い見た目と、それを買ってきて、はしゃいでいる母親を見るのが好きなだけで、別に食べなくても生きていける人たちなのかもしれない。おやつを楽しみに生きているので、食べなくても生きていける存在がいることに気がつくのが遅れてしまった。

誕生日会という名のお出かけがおわり、車に座ってシートベルトをすると、次男が「ハウン・・・はきそう」と言った。
多分吐かないだろうと思いながら、「たくさん食べたし、吐きそうなら、今日はお風呂に入らないで、もう寝ちゃおうか?」(私が面倒くさかっただけ)というと、小さく「うん、そうするウ。」としょんぼりキュートボーイ。可愛いし、このまま家に帰って寝るだけなんて、母は大満足である。

途中ビニール袋をしまう確認のために「もう、吐かないね?」と聞くと、「うーん、あした吐くって約束するから、今日はお風呂に入らないイ」と言うのである。
翌日、なんとなく「吐きそう?」と聞いたら、「うーん、きのうはねえ、あした吐けると思ったんだけどねえ。わからないから、もうきかないでエ。」と言うのである。四歳である。

これは本音を書こうと頑張るが、どうしても良く見られたいという欲が出てきてしまう人間の偽日常日記である。
(今回の自分解放率45%)

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