テレアポで資料送ってと言われた時の対処法

皆さん、こんにちは。営業コンサルタントのダイキです。

今回のメルマガのテーマは「テレアポで資料送ってと言われた時の対処法」についてです。

営業をしていると、テレアポで「資料を送ってください」と言われることがよくありますよね。これは一見、お客様に興味を持ってもらえたように思えるかもしれません。しかし、実際にはほとんどの場合、丁寧な断り文句に過ぎません。

私が推奨するのは、「ステップアップ・アプローチ」というテクニックです。これは私が実際の営業経験から編み出した方法で、単なる資料送付で終わらせず、実際の商談に繋げる可能性を格段に高めます。

ステップアップ・アプローチは3つのステップで構成されています。

  1. 全面受容

  2. 理由付きのネガティブ感情

  3. メリット付きの補足説明

では、実際の事例を交えながら、このアプローチの詳細を見ていきましょう。

【事例1:オフィス用品メーカーの営業】

田中さんは、大手企業向けにオフィス用品を販売する会社で働いています。ある日、彼は新規開拓のためにA社の総務部長にテレアポをしました。

田中:「弊社の最新のオフィスチェアについてご説明させていただきたいのですが...」

総務部長:「わかりました。では、資料を送ってください。」

ここで多くの営業マンは「はい、わかりました」と言って資料を送り、そこで終わってしまいます。しかし、田中さんはステップアップ・アプローチを使いました。

田中:「はい、もちろんです。早速資料をお送りさせていただきます。ご興味を持っていただき、ありがとうございます。」(全面受容)

「ただ、1点だけお伝えしたいことがあります。今回の資料には非常に細かい機能や性能データが載っているんです。これは製品の優位性を正確にお伝えするためなのですが、逆に複雑すぎて誤解を招いてしまう可能性があるのが心配なんです。」(理由付きのネガティブ感情)

「そこで、資料をお送りする前に、簡単な補足説明をさせていただけないでしょうか? 最新のオフィス環境トレンドや、A社様の業界に特化した活用例なども含めてお話しできます。15分程度でよろしいので、お時間いただけませんか?」(メリット付きの補足説明)

総務部長:「そうですね、確かに資料だけでは分かりにくいかもしれません。では、15分程度なら大丈夫です。」

このように、田中さんは単なる資料送付ではなく、実際の商談の機会を得ることができました。

【事例2:人材紹介会社の営業】

次は、佐藤さんという人材紹介会社の営業マンの例です。彼女は IT企業のB社の採用担当者にテレアポをしました。

佐藤:「弊社の人材紹介サービスについてご説明させていただきたいのですが...」

採用担当者:「今のところ採用の予定はないんですが、一応資料だけ送ってもらえますか?」

ここでも佐藤さんはステップアップ・アプローチを使いました。

佐藤:「はい、承知いたしました。早速資料をお送りさせていただきます。お忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。」(全面受容)

「ただ、1点気になることがあります。弊社の資料には様々な業界の採用成功事例が載っているのですが、IT業界特有の採用トレンドや、人材獲得のコツなどは、資料だけではお伝えしきれない部分があるんです。」(理由付きのネガティブ感情)

「そこで、資料をお送りする前に、B社様の現在の採用状況や課題をお伺いしながら、IT業界に特化した採用のポイントなどをお話しできればと思います。20分程度でよろしいので、お時間いただけませんか? 今後の採用計画の参考にしていただけると思います。」(メリット付きの補足説明)

採用担当者:「そうですね、確かに業界特有の情報があれば参考になりそうです。では、お話を聞かせてください。」

このように、佐藤さんも実際の商談の機会を得ることができました。

これらの事例から分かるように、ステップアップ・アプローチの key は以下の3点です:

  1. お客様の要求(資料送付)を全面的に受け入れる

  2. 資料だけでは不十分な理由を説明する

  3. 直接説明することのメリットを伝える

このアプローチを使うことで、単なる資料送付で終わらせず、実際の商談に繋げる可能性が格段に高まります。

しかし、このアプローチを効果的に使うためには、いくつかの注意点があります。

まず、このアプローチを使う前に、自社の商品やサービスについて十分な知識を持っていることが重要です。お客様との会話の中で、業界特有の課題や最新のトレンドについて話せるようになっておく必要があります。

次に、お客様の業界や企業についても事前にリサーチしておくことが大切です。これにより、お客様にとって本当に価値のある情報を提供できます。

また、このアプローチはあくまでも商談の機会を得るためのものであり、強引な販売術ではありません。お客様のニーズをしっかりと聞き、本当に価値を提供できると確信がある場合にのみ使用してください。

さらに、このアプローチを使った後の実際の商談でも、しっかりとした準備が必要です。約束した時間内で、お客様にとって価値のある情報を提供できるよう、プレゼンテーションの内容を事前に練っておきましょう。

営業の世界で成功するためには、常に学び、進化し続けることが必要です。このステップアップ・アプローチも、そんな営業スキル向上の一助となれば幸いです。

皆さんも是非、明日からのテレアポで試してみてください。そして、その結果をぜひ教えてくださいね。成功例だけでなく、うまくいかなかった例も含めて共有していただければ、さらなる改善のヒントになるはずです。

最後に、このアプローチを使う際は、誠実さを忘れないでください。お客様との信頼関係を築くことが、長期的な成功への鍵となります。短期的な成果に固執するあまり、誠実さを失わないよう注意しましょう。

それでは、今回のメルマガはここまで。皆さんの営業成績向上を心より願っています。次回もお楽しみに!

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