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2023年クラシック音楽鑑賞記(1-5月)

2023年に行ったコンサートをまとめます。クラシック音楽を積極的に聴くようになって3年弱、コンサートに足を運ぶようになって2年弱なので、まだまだ鑑賞初心者です。「行くといいかも」っていうホールや音楽祭があればぜひ教えてください。
さて、2023年には結構な数の演奏会&オペラに行っているので、前後半でまとめます。今回は前半8回分です。

1月6日(金)@サントリーホール ブルーローズ カルテット・インテグラ

今年はオケだけでなく室内楽も聴いてみよう!と思い立ち評判がいいらしいこの若手カルテットを初めて聴く。
ハイドン>ラヴェル>バルトークの3曲。
最初のハイドンはノリノリで聴けたが、2曲目のラヴェルは私にはやや難解だった。最後のバルトークは悲しみのバリエーション。賑やかな悲しみから何もない悲しみへ。

2月3日(金)@サントリーホール 樫本大進&エリック・ルサージュ

シューマンとブラームスのVLソナタ4曲とアンコール曲2曲。
好きだったのは
シューマン VLソナタ第3番 イ短調
ブラームス VLソナタ第3番 ニ短調
樫本さんについて予備知識なしで行き、後でベルリンフィルのコンマスと知って恥じ入った。予備知識がなくても演奏の素晴らしさはわかった。
この後、10月のル・ポン音楽祭のことを知り予定を立てる。

2月4日(土)@新国立劇場 オペラ「タンホイザー」

いまは亡きステファン・グールドさんがタンホイザーを演じた。その時は彼自身も癌に侵されているとは知らなかったのだろうか。すばらしい熱唱と演技にただ感動しかなかった。
秋に、グールドさんがバイロイトに出ることなく闘病後に亡くなったと聞いて、胸が締め付けられた。あの声に出会えたことを感謝すると共に、運命はなんと残酷な、と涙が出た。
ワーグナーのオペラを生で鑑賞するのは初めてで、世界が変わった。合唱のパートの美しさは圧巻。
舞台美術と、ダンスや振り付けという演者の動きが滑らかで素晴らしい。
どの曲もキャッチ―でメロディを覚えてしまう。一か月間、頭の中で序曲、ビーナスの歌、夕べの星、巡礼の歌(合唱)がリピート。
いつか、バイロイト音楽祭にいくぞと思った体験だった。

3月10日(金)@サントリーホール 大ホール 東京フィル

ベルリオーズ 序曲「ローマの謝肉祭」タンバリンが元気
カゼッラ狂詩曲「イタリア」ハープが印象的
サン・サーンス 交響曲第3番ハ短調「オルガン付き」
春らしい、明るく上がる曲ばかりで元気が出た。

3月21日(火)@サントリーホール 都響

バルトーク 舞踏組曲
バルトーク ピアノ協奏曲台1番
ラヴェル クープランの墓(管弦楽版)
ドビュッシー 交響詩「海」 3つの交響的スケッチ

バルトークの2曲は好きだった。特に2曲目は楽器の並べ方が独特。ピアノが真ん中なのはいいとして、その左にティンパニ以外の打楽器、右にティンパニという並び。ピアノを打楽器として使う、という趣旨なのだそうだ。3曲目はピアノ曲と思っていたので、管弦楽版は新鮮でとてもよかった。ラヴェルの戦死した友人たちにささげられているという背景にしんみり。

4月28日(金)@サントリーホール 日本フィル

シベリウス「クレルヴォ交響曲」
全員が男声合唱で120人はいたと思う。オケも大編成で迫力がすごかった。空いていたのが残念。すごくよかったのに。

5月14日(日)@サントリーホール オペラ「エレクトラ」

演奏会形式。105分の間ほぼぶっつづけで歌い続ける。合唱は最後を除き、ない。エレクトラ役の熱唱もよかったが、妹役のシネイド・キャンベル・ウォレスもよかった。母親クリラムネストラ役のハンナ・シュバルツはどうみても60代後半以上。現役なのがすごい。ブラヴァ、ハンナ!

5月27日(土)@新国立劇場 オペラ「サロメ」

前から観たかったオペラ。You Tubeで変った演出の「サロメ」(踊らないで石のように丸まっていた)を観たあとの、こちらは正統派の演出。2時間に満たないオペラだが、休憩なしでぶっ続け、ものすごい迫力だった。
サロメ役のアレクサンンドリーナ・ペンタジャンスカは、オペラ歌手にしてはスリムな体型で、ベールをまとったダンスのシーンも見事に踊り切った。
キリストが存命中という時代背景を受けたヨカナーンの存在、制作当時の5人のユダヤ人の存在(やや悪意をもって描かれている)など、文化的な背景も盛り込まれている。
悪女、狂った女としてのサロメもいるが、ステレオタイプなオペラの女(男のために犠牲を払う、愛に準じる)ではない主人公に惹かれる。
音楽的には「エレクトラ」の方が好きかも、と思うが、ストーリーはこっちの方がインパクト大だなあ。


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