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赤ちゃんとプール体験

5時起床。気合いが入る朝はいつも自然と早い。赤ちゃんも起きていた。いや、起こされた気もする。寝起きなのに元気そうだったので、抱っこして下のダイニングに行った。

今日は雨である。雨戸を開けたらまだ暗かった。電動のコーヒーミルに豆を入れて、スイッチを入れる。ウィーンというモーター音と、ジャリジャリとすりつぶされる音とが重なり合って、うるさい。その音に反応して、柵の中にいる赤ちゃんはこちらを見た。ぼくは目を合わせて誤魔化すように笑顔を作ると、赤ちゃんも笑って応えた。

コーヒーを飲みながら、奥さんのメモ書きと赤ちゃんプール体験の資料に目を通す。


緊張がする。


先週、プールの体験申し込みのことについて書いた。

とうとう今日が来た。先週の記事に書いた通り、体格がそこそこよければいいのだが、かなり細身なので、しかも帽子も借りてかぶらなくてはならないので、自分が人からどう見られるか、気になってしまう。

しかもこの不安な気持ちを表現するような天気、雨なのである。ただ現地でテンパったら余計にダサいので、資料とメモ書きはちゃんと頭に入れた。

奥さん起床。因みに体験するのはぼくと赤ちゃんだが、奥さんも見学できるので、一緒に出発する。テキパキと今日の荷物を準備しつつ、赤ちゃんにご飯をあげる奥さん。

2人で早起きして、9:15にプールに着くように頑張って準備をした。奥さんがアプリでタクシーを手配する。
しかし、

「だめだ、全然捕まらない。遅刻だ。」

歩くと30分ぐらいかかる距離。今出たら15分ぐらいの遅刻で済みそうだったので、バタバタと家を出た。
雨の中、焦るように早歩きをする。
すると奥さんが少し後ろから「タクシー捕まったよー」と声をかけてくれた。
タクシーに乗り込み、スポーツセンターへ向かう。

受付で赤ちゃんのレンタル水着を借りて、ロッカーへ。赤ちゃんの服を脱がせて、水着のファスナーを開く。しかし後ろ前どちらかわからない。コイントスの感覚で、何となくファスナーを後ろにして、ニコニコ太陽が胸にくるように着させた。これは正解だったみたい。

ぼくの少し焦った顔と、知らない環境に赤ちゃんも不安な表情を浮かべ、ぼく自身が水着に着替えるため、赤ちゃんを座らせたタイミングで泣き出してしまった。
「大丈夫、大丈夫。」
とまるで自分にも言い聞かせるように赤ちゃんに声をかけ続け、いよいよプールに到着。2,3分遅れて参加だったが、まぁセーフの域だった。

一緒にプールの縁に座ってバシャバシャやった後、赤ちゃんの口まで水が行かない程度にゆっくり入った。ここで赤ちゃん、泣きレベルがMAXに。MAXは嗚咽である。コーチの周りを「ゆらゆら」「ラッコ」「アンパンマン」などのポーズをとりながらゆっくりと周るのだが、ぼくは水着の紐を締め忘れ、「ゆらゆら」の時にお尻が出そうになり、赤ちゃんを片手で抱きつつ、指に全神経を集中させて、今年1番の早さでちょうちょ結びをした。
赤ちゃんはずっと泣いてて、コーチも「無理してポーズしなくて大丈夫ですよ。泣いている時は抱っこして上げてくださいね。」と優しく声をかけてくれて、僕自身もだんだん緊張がゆるみ、赤ちゃんもだんだんと慣れて、「ラッコ」はなんだか楽しそうにやっていた。

ラッコのタイミングで、「そうだ奥さんに手を振らなきゃ」と思って、奥さんを探したらいた。ガラス越しに見学していて、手を振り返してくれた。

このぐらいの時だったかな、緊張がゆるんだ後、尿意がやってきて、尿道はゆるめないようにして挑んだ。

コーチの周りをまわった後は、プールの下に沈めて使うプラスチックの足場を滑り台のようにして滑ってみたり、
たくさんのアンパンマンのカラーボールをみんなで拾い集めてバケツに入れたり、
プールの水によって色褪せ気味のおもちゃでみんなで遊んでみたり、
赤ちゃんも楽しそうにするそぶりをチラホラ見せていたので、体験してよかったなぁと思った。

そういえば、足場を使った浅瀬のところに立たせて手を離した時に、数秒自分の力だけで立った時の、全身から滲み出るうれしそうな感じは、死ぬまで忘れないようにしよう。



あっという間に終了の時間になって、2人で採暖室に行き、赤ちゃんを拭いた。疲れ切った表情の赤ちゃんはもう何だか寝てしまいそう。
ぼくはとにかくトイレに早く行きたくて、とにかく最速でぼくと赤ちゃんの着替えを済ませて、受付で待つ奥さんにそそくさと赤ちゃんをパスして、ダッシュでトイレにとにかく行った。

プール体験を終えて、外に出ると雨は弱まっていた。奥さんの抱っこで寝ている赤ちゃんのほっぺと足首がカサカサしていた。

ご飯を食べに行く道中、「そういえば体型そんなに気にならなかったよ。」と奥さんが言ってくれた。ぼく自身も体験中に「そういえば入る前にあれだけ気にしてたけど、そんなこと気にしてらんないや。」と思っていた。赤ちゃんに神経を集中していると、自分がどう思われているか、なんてどうでもよくなる。
仕事中とかって自分がどう思われているかって気にすること多いけど、人のために一生懸命やってれば、自然といいように思われるものだなぁ、と学んだ。

奥さんにLINEで後ろ前どっちか聞いた時の写真。わかるわけない。

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