ワインと薔薇の香り
ワインの表現には、様々なお花の香りが出てきます。
バラ、百合、スミレ、アカシア、エルダーフラワー、オレンジフラワーなどなど。
「白い小ぶりなバラの香り」
という表現があるとします。
「赤や黄色いバラの香り」と何が違うのでしょうか??
実際は、バラは色によって香りは変わりません。。。
赤いバラでも香りがない品種もあります。
バラは個人の育種家さんも多い世界で、香りや、色、形をデザインされています。
ダマスクという言葉は聞いたことある方も多いのではないでしょうか?
このサイトでは、薔薇の香りは特徴によって、ダマスククラッシック、ダマスクモダン、ティー、フルーツ、ブルー、ミルラ、スパイスの7種類に分類されています。
実際にローズガーデンに行くと、様々な香りのバラがあり、育種家さんのお話を聴きながら花の香りを取っていくと、すごく楽しい体験になるかと思います。香りが全然違います、、
九州に住んでいる方はここがオススメ!
400種類の薔薇の香りを楽しめます。最高です。
しかしバラの色によって香りの違いはないと言うことは、、
香りに違いがないのであればなぜソムリエは色を使うのか?
恐らく「ミルラ系の薔薇の香り」と言われても多くの人がわからないからです。
赤いバラと白いバラは思い浮かべるイメージの違いです、白ワインの表現に赤い薔薇の花束、の様なコメントをしてもイマイチしっくりこない。
イメージが伝わりにくいんです。
イメージを伝えたり、共有する為にテイスティングコメントはあります。
時折、エンターテイメントの要素も入りますが、、
より魅力的に、そして正確に、そのワインの特徴をお客様に伝えるのが目的です。
実際お客様がそのワインを注文して飲んだ際に
「なんか色々話してくれたけど、、イメージしてた味わいと全然違う!」
となると、リピートしてくれないでしょう。
味わいとコメントがお客様の好みにしっくりくると「さすがだね!」となり、リピートにもつながります。
薔薇のサイズや本数(花束など)=香りのヴォリューム
サイズは香りの量をあわらしている事が多いです。
小さな花=繊細に香る花の香りのイメージ
大きな花=その香りが主体であったり、主張が強い
お花のサイズでなんとなく香りの強弱を伝えています。
他にも「薔薇の蕾」は、香りが閉じているイメージであったり繊細なイメージ。果実の未熟な印象や、若いワインのイメージです。
「乾燥したローズペダル」は、ハーブティーに使われる様な少しスパイシーな印象を受けます。
「野生の薔薇」野生のバラがあるのかどうかわかりませんが、力強くワイルドなイメージですね。笑
もちろんバラの香りの主成分である香りの分子は、ワインと共通するものもありますので、実際にその香りの要素がワインにも含まれている事はあります。
この図が出てくると、一気に科学感が出てきます。
科学的な部分と、文学的な部分、どちらの感覚でもワインは楽しめるものですし、最先端の科学的な表現や知識が豊富なソムリエもいれば、歴史や文化、文学に精通しているソムリエもいます。
色々と複雑に考えられる要素もあり、ただただ外でグビグビ楽しめるものでもあり、ワインは面白いです。
ちなみに、葡萄畑にはよくバラが一緒に植えられています。
もちろん見た目も美しい畑になるのですが
バラは病気にかかりやすく、ぶどうの木よりも先に病気にかかります。なのでバラを観察するとこの病気が広がってくるかな?と予測ができるので
農薬などで防除したり、早めに対処ができるのです。重要な役割です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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