【ソムリエの頭の中】ワインをテイスティングする
ワインのコメントは奥が深いというか、何というか面白いです。
味わいの特徴を表現するだけならこんな感じです。
『キレの良い辛口で、イキイキとした酸が豊富に感じられるが、酒質とのバランスが取れている。アカシア、ジューシーな洋梨に、フレッシュなレモン、白桃や生のアーモンドの香り、ボディーはタイトで引き締まっていて、少し火打ち石の様な香りと、パレットには鉱物的なテクスチャも感じられる。余韻は細く長く続く。』
ソムリエはこんなコメントを聞くだけで
『この品種あたりかなー』と何となく品種や産地のイメージが出来る思います。
むしろ、受け取る側がイメージができるコメントはいいコメントと言われます!
特徴をしっかりと抑えているということですね。
ではこんなコメントはどうでしょう?
「15歳の少女の様。すでに偉大な芸術家で、爪先立ちで歩いてくる。子供らしい優雅さを見せ微笑む青い瞳で見つめながら膝を折ってお辞儀する」
何のこっちゃ!!...ですよね。
この文章だけでは、ワインの話とは思えません。
でもソムリエは、こんなコメントでも色々想像します。
※受け取り方はソムリエによって異なるとは思います!
15歳の少女=若いが若すぎない。もう5年で成人か(15年くらいはホントは寝かせたいなー。。。というワインだったら8〜10年目くらい)
すでに偉大な芸術家=スケール感のあるワインで長期熟成する品、クラッシックな印象。(ある程度位の高いワイン。ボルドーのクリュクラッセや、ブルゴーニュのプルミエクリュ以上。)
爪先立ち=エレガントな装い、アルコールが高すぎない(上質な作りで、繊細な印象の為、男性らしい力強さを持ったタイプのワインは除外できる※イタリア、カリフォルニアの日照量が多い産地、南フランスなど。例外もありますが。)
優雅さを見せ微笑む=拒絶感のある強いタンニンでは無く、ある程度調和の取れた味わいで既に外交的。
青い瞳で〜お辞儀する=礼儀正しさから、ここでも出生の良さが窺える(畑の位が高い)
何となく、ワインに置き換えて色々とイメージできるんです!
あぁ、この人はワインのこういう部分を、こういう言葉で表現したんだなーと。
ソムリエ同士で飲む時は、後者の表現が増える気がします。
フルーツなどの香りの特徴は既に共通認識があるという信頼関係の元に、変な世界へと入っていくのです。。
ではソムリエ言語は難しいか?
というと実はそうでも無いんです。
ワインをあまり飲んだことない方でも
それ!と思う様な人や物語に例えたり。
何のフルーツかは特定できなくても
どんなキャラクター(雰囲気)なのかはイメージできるんですね!
この記事めっちゃ面白かったです。言葉のプロが紡ぎ出す表現はとても勉強になりました。
其の2は「ぶどう」です。
イチゴでも甘いイチゴ、酸っぱいイチゴ、香りの多いイチゴ、香りのしないイチゴ、イチゴにも味わいの差がある様に、ぶどうにも色々な味わいの差があるんです。それがそのままワインの味わいにつながります。そこをわかりやすく説明できたらと思います!
最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?