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2017年-3

夜、コーヒーを買いにコンビニへ行こう。

サイレンが聞こえる。
何台ものパトカーが街を赤く染めている。

立ち尽くす僕の耳に、誰かもわからない声が、途切れながら聞こえる。

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帰ってからTwitterを見ると、もうその情報は流れていて、1時間前にトラックが轢き逃げをしたらしかった。ぶつかった女性は、その場にいた人が心臓マッサージをして、そのまま病院に連れて行かれた。道路に付着した血痕を検証する数人の警察官。それを見物する幾人かの人。

耳の中で、まだサイレンが聞こえる。

朝、轢かれた女性が亡くなったことをTwitterで知った。僕が毎日歩いてる道で、家から数十メートル先の場所で、僕はたまたま家にいて、たまたまその女性だった出来事だった。

今、外は少し雨が降っていて、雨と血が混じり合うその道を、選挙カーは大きな声をあげて通り過ぎて行く。きっと彼らは、昨日ここであったことすら知らないだろう。いつもと変わらない道だった。

多分、今日も夜、歩くと思う。
いつもと変わらないその道を、時に走ったり、また歩いたりして、その先にあるコンビニまで行こうと思う。

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