第22号 うつ病治療の新時代につながる研究、来年度以降の進路はどのようにお考えですか?
// 2021年10月10日 第22号
// 1. 今週の注目ニュース:うつ病治療の新時代につながる研究
// 2. 質問コーナー:来年度以降の進路はどのようにお考えですか?
こんにちは、東京大学の池谷裕二研究室で脳・老化・人工知能の研究をしている紺野大地です。
NeuroTech Analysis社によるNeuroTechレポートがNeuroTechJPにより無料で配布されています。
これだけの手間をかけて翻訳した資料を無料で配布というのは、感謝の一言です。
ニューロテックやブレインテックに興味のある人は必読だと思います!
なお、翻訳版の元となったレポートもこちらから無料でダウンロード可能です😊
では、今回も始めていきましょう!
1. 今週の注目ニュース:うつ病治療の新時代につながる研究
今回取り上げるのは、
「うつ病患者の脳活動を常時モニターし、”落ち込んでいるパターン”が検出されたら電気刺激することで気分を急速かつ持続的に改善できた」という驚きの論文です。
個人的には、「久しぶりにすごい論文が出てきたな」という印象です。
インパクトとしては、今年の中でもトップ3に入りそうです。
早速、内容を見ていきましょう!
背景
神経科学を代表する研究者の一人であるニューヨーク大学のGyörgy Buzsáki先生は、著書「The Brain from Inside Out」において、「脳科学における次の時代の目標」として以下の3点を挙げています。
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3,040字
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