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20年後も忘れない思い出〜旅の記録13〜

今日はマザーテレサの家に行く日だ。

「行ったら何とかなるだろう」と行動する。

マザーテレサの家は宿から15分ほど歩いた所にある。

見たまんま、看板には「Mother Teresa’s house」
と書かれていた。

僕は中に入り、一番初めに見つけた人に声をかけた。
どうやらココのシスターらしい。

あまりの僕の英語力の無さにお互い困惑してしまいシスターは日本人のシスターがいると言ってくれた。

「すごく忙しい人だから会えるかどうか分からないけど、君のこと話してみるよ」

と言って日本人シスターを呼びに行ってくれた。

暫くすると、おばあちゃんが出てきた。
多分年齢は80歳前くらいだろうか。
でも年齢を感じさせない雰囲気をもっていた。

柔らかいけど、すごく力強い眼。
色々な修羅場をくぐってきたのだろう。

僕はマザーテレサについて色々聞いた。

日本人シスターは丁寧に色々と教えてくれた。

その中でも印象的なエピソードが一つある。

「マザーテレサが感動したエピソードがあるの。ある子供が2人いた。1人は8歳の男の子で、もう1人は5歳の女の子。女の子は甘い物を食べたいけれど、いつも我慢していた。甘い物を買うお金がなかったから。もちろんお小遣いも貰えないし、親もいない。男の子はそれを知ってた。ある日からか、男の子は自分のお小遣いを貯め始めた。自分の欲しいものも我慢して少しずつ少しずつ。男の子はお金が貯まったら、砂糖を買って女の子にプレゼントした。それを見ていたマザーテレサは感動したっていうお話」

「そのお話をマザーテレサが、すごく嬉しそうに話してくれたの」

僕は同じ状況で、ましてや欲しいものが多い子供時代。自分のお小遣いを貯めて人になにかできたのだろうか。多分出来なかった。

人のために何かしたいなと思った。
日頃の感謝を伝えることはもちろんだけど、もっと人のために。

奇跡的な出会いに感謝し、マザーテレサの家をあとにした。
その日は一日中、その子供たちのストーリーについて考えていたと思う。自分が子供の時ってどんな子供だったのか。どういう風に育ってきたのか。友達にはどんな接し方をしていたのだろう。
そして何を考えて生きていたのだろう。

あと3日で、長いようで短かったインドでの旅も終わる。

今日は近くの食堂でご飯を食べて、いつものチャイ屋でチャイを飲んで帰ろう。

〜続く〜

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