SNSなのに自分のタイムラインに投稿しない!?新しい写真共有SNS "Poparazzi" はどんなもので、なにが面白いか
ダイッチェと申します。C向けサービスオタクです。簡単に自己紹介↓
・株式会社を立ち上げ、新しいSNSを作っています
・前職は株式会社メルカリで新規事業企画をしてました
・SNS系アプリのお触り会を毎週開催しています
今回は2021年5月20日にリリースされた Poparazzi というSNSについて分析します。
Poparazzi はどんなSNSか(使用例あり)
自分のタイムラインではなく、友達のタイムラインに(その友達が写っている)写真を投稿する写真共有アプリです。
自分が友達のパパラッチになり、友達が自分のパパラッチになります。
パパラッチという言葉の理解が曖昧だったので調べてみると、有名人を追い回しゴシップ写真を撮るフリーのカメラマンのことだそうです。
友達の写真を投稿することを、 Poparazzi では Pop と呼びます。
実際に使ってみた例
左:「友達が写っている写真」を自分が Pop
真ん中:「自分が写ってる写真」を友達が Pop
右:友達と一緒に映画を観たときの写真を自分がPop
(最後のは人が写ってないので例外的な使い方)
パパラッチに写真を撮られた人は、写真を自由に投稿されてしまうわけではありません。自分が写った写真をタイムラインに載せるかどうかは、写真ごとに許可・禁止することができます。
また、写真はその場で撮ったものだけでなく、過去に撮った写真を使うこともできます。
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以下分析
人々が Poparazzi を使う2つの目的
A. 友達同士で「互いの写真を投稿し合うコミュニケーション」が楽しい
B. 自分と友達の仲の良さを「それとなく」アピールする(Poparazzi の一番の特徴)
A. 友達同士で「互いの写真を投稿し合うコミュニケーション」が楽しい
SNS上での「いいね」や「コメント」にも近いのですが、Poparazzi では
「自分の写真を撮ってくれたこと」「自分の写真を他者に見せようとしてくれていること」などから、自分に対しての興味や信頼感などが感じられ、嬉しさを覚えます。
裏を返せば、相手を喜ばせたいという感情から、相手の写真を撮影したり、Pop するモチベーションが高まると思われます。
B. 自分と友達の仲の良さを「それとなく」アピールする
既存のSNSについて少し考えてみましょう。
既存の各種SNSに投稿しない(しなくなる)理由のひとつに「SNS上で自慢すると嫌われるかもしれない」というものがあると思います。人間の根源的な欲求として「自慢したい」という気持ちがあることは自然で健全だと思いますが、他者の自慢ばかりを聴きたい人はそう多くないと思われます。
Poparazzi の場合、その「嫌われるかもしれない」を回避する「言い訳」が2つ存在しています。
① 自分についての写真を他人が載せるので、「自分が投稿(自慢)しているわけではない」という言い訳
② 自分が友達の写真をあげるのも、自分自身に関する写真ではないので、「自分自身の自慢しているわけではない」「友達に写真を送りつけてるだけ」という言い訳
これらの結果、Poparazzi はどういうSNSかというと、自分ひとりの承認欲求を満たすのではなく、自分と友達の仲の良さをそれとなくアピールする目的で使われるSNSなのではないかと考えています。
ただし、仲の良さをアピールする行為そのものが悪い意味での「自慢」だと捉えられる可能性もあると思います。そうなってくるとSNSの利用者や利用頻度が伸び悩み、Poparazzi にとっては苦しい局面を迎えることになるかもしれません。
集団承認欲求について
この「自分ひとりの自慢ではなく、友達との仲の良さを自慢したいという欲求」を私は「集団承認欲求」と呼んでいます。
集団承認欲求を満たすのに相性の良い機能の例
- Facebook / Instagram / Twitter のタグ付け
- Dispo の Rolls
- Poparazzi の Top Poparazzi(自分の写真を一番多く投稿した人がプロフィール画面に表示されます↓)
- パラレルの「通話時間は 〇〇でした」
Poparazzi は流行るのか
- 一時的に流行ると思う
- 友達同士で「互いの写真を投稿し合うこと」が楽しい
- 前述の集団承認欲求を満たせる
- 長くは続かないかも?
- 「仲良いアピール」を見て消耗する人が増える可能性
- コロナで人と会わないので使う機会が少ない😢
- アクションを「投稿」と「閲覧」の2種類にわけると、投稿のモチベーションに偏りすぎるのではないか
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