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【名作コピー写経_vol1】死ぬのが怖いから飼わないなんて、言わないで欲しい

本日のコピー

死ぬのが怖いから飼わないなんて、言わないでほしい

おうちを汚すから飼わないというなら、
犬はお行儀を身につけることができる。
留守がちだから飼わないというなら、
犬はけなげにも、孤独と向きあおうと努力する
かもしれない。貧乏だから飼わないというなら、
犬はきっと一緒に貧乏を楽しんでくれる。

だけど・・・死ぬのが恐いからって言われたら、
犬はもうお手上げだ。すべての犬は、永遠じゃない。
いつかはいなくなる。でもそれまでは、
すごく生きている。すごく生きているよ。
たぶん今日も、日本中の犬たちはすごく生きていて、
飼い主たちは、大変であつくるしくって、
幸せな時間を共有してるはず。

飼いたいけど飼わないという人がいたら、
伝えて欲しい。犬たちは、
あなたを悲しませるためにやっては来ない。
あなたを微笑ませるためだけにやって来るのだと。
どこかの神様から、ムクムクしたあったかい命を
預かってみるのは、人に与えられた、
素朴であって高尚な楽しみでありますよと。

日本ペットフード(2003)
copy:小島令子

感想

 このコピーが、ペットだけの話に聞こえないのは私だけでしょうか。ペットを飼うことと同じように、あるいはそれ以上に、子どもを持つことは覚悟が必要です。
 人間は、命に限りがあることを理解できる。だからこそ、命の扱いには慎重であってほしいけど、恐れるだけではいけない。私たちには、自分自身を幸せにする権利と責任があります。それはきっと、単にお金を儲けるとか、仕事で成功するということではなくて、なにか命を繋げていくことにこそ見つかるもののような気がします。

Break down the copy

 コピーワークとしては、ペットフードというジャンルから「ペットを飼うこと」に視野を広げたことが共感を生むためのジャンプとなっていることがわかります。What to sayは、「飼うことの責任は大きいが、飼うことの喜びも大きい」といったところでしょうか。それをHow to sayで「死ぬのが怖いから飼わない」という部分がターゲットのセリフとなることで読む人の心にグッと近づいてきます。「インサイト+リクエスト」の形式は他にも応用がきくパターンですね。

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