見出し画像

子どもみたいな言い訳はやめましょう

お子さんに放置されている宿題をやるように言うと
「いまやろうと思っていた」
と返ってくることはありませんか?

あるあるというか、もはや、テンプレートのように同じ回答が返ってくるような気がしますし、自分が子どもころにも使っていたと思います。

子どものうちは良くある良い訳だと理解されるかもしれませんが、
大人になってからは通用しませんよね。


■言い訳したい気持ちも分かりますが・・・

1 言った言わない論争

人間の記憶ほど頼りにならないものはないと思います。

年を追うごとに記憶力は衰えていきますので、
「私は覚えている」ということへの自信は年々減少していくはずです。

決して恥ずかしいことでも、おかしなことでもなく、
生物として当然のことなのですが、
どうしても抗いたいという方もいらっしゃいます。

特に、自分の記憶力に自信があるという人ほどその傾向が強くなります。
売り手、買い手、どちら側にもいらっしゃいますよね。
私も人の名前が出てこないなど、随分と記憶力が衰えました。

名前なら聞き直せば済みますが、
これが家づくりの時に発揮されてしまうと大変なことになります。

記録が大事なのはそのためです。

写真、議事録、図面、見積書など、
様々なものを駆使して、
互いの認識の齟齬を極限まで無くす(減らす)取り組みはお互いに必要だと私は考えています。

「言った、言わない、聞いた、聞いていない」
はなるべく発生しないようにしたいので、
私は時間を掛けてでも色々と準備をしてから家を造りたいと考えています。

2 報連相がないから伝わらない

報告、連絡、相談、これはビジネス以外でも必須事項です。
家づくりでも当然必要な行動ですので、怠ると良くないことが起こりやすくなります。

例えば、工期について、
お客様は「今年いっぱいに工事を完了したかった」としてもそれを業者に伝えていなかったら来年の工事になるかもしれません。
業者が「今年の仕事はすでにいっぱい」であることを言わずに進めていったら、結局、来年の工事になってしまってトラブルになるかもしれません。

どちらもあり得ます。

「すぐに工事をしてくれると思っていた・・・」
「忙しいが何とかなると思っていた・・・」

頭の中でどう考えているかは他人には分かりませんので、言語化、文字化、しなければ相手には伝わりません。

私はマメな方ではないと思いますが、なるべく、早い段階で報連相を行い、普通のことも、良いことも、悪いことも、早めに情報共有したいと考えています。

3 トラブルは起こるべくして起こった

これは建築業界で良くある話なのですが、
欠陥住宅までいかなくとも、家のことでトラブルに巻き込まれた方の中には、トラブルの兆候があったにもかかわらず、見逃しているのではないかと思う場面があります。

トラブルに遭った方々には心よりお見舞い申し上げますが、毎回ではありませんが、どこかで気が付かなかったのかと思う場面があったということです。

TVワイドショーや動画サイトなどでこうしたトラブルを拝見していると、経緯などが紹介されますが、その中で気になった点を挙げたいと思います。

  • 会社の事をあまり調べずに依頼した

  • 相場より安いことに疑問を感じなかった

  • 図面や見積書をちゃんと見ていない

ということです。

 3-1 調べなくて大丈夫?

人生最大のお買い物をするのに、その相手のことを全く調べずに、
ただ大手だから、
ただネットの評判がいいから、
ただホームページやSNSが気に入ったから、
なんて理由だけで選べば、そりゃ、失敗もするでしょう。

 3-2 なぜ安いか気にならないの?

価格について、値段と質が完全に比例するとは言いませんが、相場よりも安いのには必ず理由はありますよね。

食料品でしたら賞味期限間近だったり、
日用品でしたら梱包にキズやヘコミがあったり、
自動車でしたら事故歴があったり、
しますよね。

住宅ではどんなことが相場より価格を下げる要因になるでしょうか?
良い要因で安くなるなんてことは、普通に考えれば、
「まず無い」と私は思います。

 3-3 見積書は見なかったの?

建築には、図面や見積書がありますので、
どんな間取りでどんな仕様で家が建つか、リフォームされるかが表記されています。

逆に言えば、それが全てでもあります。

それだけではうまく表現しきれないこともありますので、写真や3D、模型などを利用することもありますが、まずは図面・見積りが最重要です。

ですから、それをしっかりと確認せずに、後になって、話が違うということを言っているのを動画などで見ていると「えっ?」と思ってしまいます。

○○工事・・・一式 ¥〇〇万円

欠陥住宅の話題の中で登場する見積書には、何の工事を行うかがプロでも分からないような難解な記載があるにもかかわらず、その見積りでOKしたのかと私はいつも不思議な気持ちで見ています。

その見積書で騙そうとしているかどうかは分かりませんが、少なくとも、騙そうと考えている方は分かりにくい見積書を作ってくるでしょうから、少しは警戒した方が良いと思います。

「素人だから見積りなんて見ても分からない」

というのは、
詐欺師からすれば「私はカモです」と言っているようなものですよね。

4 良くお話ししましょう

総じて思いますのは、コミュニケーション不足だと思います。

言葉にしなくても通じるほどの信頼関係があれば別ですが、
かかりつけの工務店でもない限りは、分からないことはお互いに尋ね、疑問を解消し、互いに納得の上、注文し、工事をするのが基本です。

「お互いに」です。

私はお客様に色々とお尋ねします。
家づくりに必要とあらば、踏み込んだ質問もしますし、ご要望に対して素直な気持ち・感想もお伝えします。

全てはお客様にとっていい家を造るためにです。

■最後までお読みいただきありがとうございます