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雨漏りの原因が増えている

梅雨や台風シーズンが近づいてくると、毎回心配なのが 雨漏り ですよね。
雨漏りって、いつも起こる場合と単発的に起こる場合とがあって、原因の特定が難しいのが現状です。

雨漏り鑑定の専門の方もいらっしゃるようですので、
そこまでの知識や経験とはいきませんが、これまでの業務の中で学んできた雨漏りのことについてお話ししたいと思います。


■雨漏りの原因

1)雨漏りの原因~屋根の不具合~

降ってきた雨が最も多く当たるのが屋根です。
そのため、屋根に不具合が生じると雨漏りのリスクが上がります。

主な不具合としては、
屋根材の破損、または、外れ です。

瓦が割れた、瓦が外れたなどと言うのが分かりやすいと思いますが、飛来物との接触や地震の揺れ、強風などによって発生することが多いです。

しかし、最も重大な原因は、
屋根材及び屋根の下葺き材(防水シート)の劣化 です。

劣化していなければ、割れづらいですし、外れづらいですし、万が一、瓦が割れても下葺き材がしっかりと機能していれば、すぐには雨漏りは発生しません。

ちなみに、塗装が不要と言われている瓦ですが、
劣化しない訳ではありませんし、漆喰を使っている場合には定期的な塗替えが必要です。

2)雨漏りの原因~外壁の不具合~

屋根についで、雨が当たるのが外壁です。
外壁にひび割れが生じたり、外壁や窓との継ぎ目が切れてくれば、雨漏りのリスクは上がります。

外壁の場合も屋根と同様に雨漏りの重大な原因としては、
外壁材及び防水シートの劣化 です。

劣化による影響は屋根と同様ですので、劣化を抑えるように定期的なメンテナンスがお勧めです。

3)雨漏りの原因~バルコニーの不具合~

近年、雨漏りの原因箇所として増加しているのがバルコニーです。

昔やアルミ製で建物とは別物として後からくっつけられていましたが、
近年のバルコニーや建物と一体化されているのが主流です。

そうした一体化バルコニーを分かりやすく解説すると、
限りなく平らで、かつ、薄く、
しかも、防水性の耐用年数が短いの がバルコニーです。

私が考えますに、
住宅の中で最も頻繁にメンテナンスすべき場所 がバルコニーだと思っています。

一般的なバルコニーはFRP防水と呼ばれる繊維状の強化プラスチックの防水層の上にトップコートを塗布した防水を行っています。

陽射しに晒され、雨風に晒され、人が歩行し、エアコンの室外機などが置かれ、勾配が緩いので雨がはけづらく、四方を壁に囲まれて風が澱みやすい、のがバルコニーですので、他の箇所よりも劣化の進行が早いです。

尚、屋上も同様です。

4)雨漏りの原因~強風・大雨~

雨漏りが日常的に発生している場合には、上記のように何らかの不具合が生じている可能性が高いです。

しかし、一年に一度か二度、数年に一度、などの雨漏りの場合には、
自然の猛威による被害の可能性があります。

横殴りの雨ではなく、真横、いや、斜め上に向かって降る雨、
バケツをひっくり返したような豪雨、
強い風、強い雨が不具合の生じていない住宅にも侵入してくることがあります。

これは、正直に言えば、完全には防げません。
軒天の換気孔、換気扇のフードなど設置せざるを得ない開口からも容赦なく浸入してくることがあります。

ただし、こうした一時的な雨漏りについては、この事態が収束してすぐに乾きさえすれば、大ごとにまでは発展しないと思います。

近年は、観測史上初、○○年に一度の大雨、などが多発しているため、時々、自然の猛威に白旗を上げざる得ないことが起こるかもしれません。

■雨漏りの人為的な原因

1)屋根の上に乗せる、壁に後からくっつける

どんなにきちんと施工された屋根や外壁だっとしても、その上から何かを載せたり、くっつけたりすれば、何らかの穴や荷重が掛かります。

仮にそれなりの措置を講じたとしても、
そもそも後から何もしなかった場合よりは屋根や外壁を痛めることになります。

それだけでも心配が増大している所ですが、
最も懸念すべき点は、そのまま放置し続ける ということです。

一度でも人の手が入った山がその後は人が手を入れ続けないと荒れ果ててしまうように、一度でも痛めてしまった屋根や外壁はその後、かなり、慎重にメンテナンスしていかねばどうなってしまうかは容易に想像がつきます。

2)広々屋上・バルコニーをつくった

バルコニーなどの防水のリスクについては前述したとおりですが、
その割に手入れをせずに放置しているケースが増えています。

なぜ、昔から日本家屋の屋根には勾配が付いているのかを考えれば、勾配を緩くすることのリスクは容易に想像がつきます。

3)凸凹が多い

屋根も外壁も形状がシンプルであるほど、外観のデザイン性は減ってしまうかもしれませんが、雨漏りのリスクが確実に減ります。

凸凹が多いほど、形が複雑であるほど、異種素材を組み合わせるほど、
シンプルから離れるほど雨漏りのリスクは増加すると私は考えています。

もちろん、どんな形状であろうとも、それに対応する措置を講じるのがプロの仕事ではございますが、定期的なメンテナンスの実施を前提にしていても、建物の形状によるリスクの影響はナシにはならないと考えらます。

4)専門家以外に施工させた

雨漏りについては、近年、怪しげな訪問販売が横行しています。

不安を煽られて、強引に迫られて、値段につられて、
色々と要因はあるとは思いますが、怪しげな業者に依頼してしまい、
直したつもりが悪化した、
そもそも何もなかったのに被害が出始めた、
などの事例が報告されています。

プロを装った怪しげな業者が何らかの措置をしたのでしょうが、
そうした方に点検や施工を依頼したのはあくまでも消費者の方々ですので、厳しいようですが自己責任として考えるしかないように思います。

プロは基本的には無料では動きませんし、
たまたま近くの現場から突然来ることはありません。

■最後までお読みいただきありがとうございます

雨漏りは、自然の猛威とメンテナンスの頻度、そして、人が原因となりますので、ご注意ください。