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修理して使う時代は過去のものになってしまったのか

最近、物が壊れやすくなっているような気がしませんか?

住宅でも設備機器や建具、サッシなどの機能が充実している反面、繊細になってきているような印象です。

この先、長く使っていける物とはどんなものか考えてみたいと思います。


■長く愛用してほしいと考えている業者は少ない?

1、現代は修理よりも交換を勧めたい

新築着工戸数が年々減少しているのは皆さまもご承知のことだと思いますが、併せて、建築関連業者の倒産が増加しているのもご存じですよね。

コロナ禍での木材を含めた資材高騰なども大打撃となり、状況はさらに悪化している建築業界では、売り上げの確保がますます厳しい状況です。

そうなると、小さい工事を積み重ねるよりも、大きな工事で売り上げを上げようと考えるのが自然の流れだと考えられますが、
まさに、最近の業界全体でそのような流れになりました。

修理より、交換です!

日々の暮らしの中で住宅のあちこちで故障、不具合が生じるのは日常茶飯事ですが、
一昔前であれば、製造メーカーなどによる修理やちょっとした部品交換などで対応できていたことが、最近は、部品が廃盤になるまでの期間が短くなっており、修理対応が出来ないケースが非常に多いという印象です。

2、修理費用もかなり上がっている

以前ならば、設置した設備機器の修理などについては、製造メーカーのメンテナンス部門などが有償ながらも、交換費用よりは費用が掛からずに修理対応されることが多かったですが、昨今では、修理費用・部品交換費用が新規への機器交換費用に迫るようなケースも珍しくないです。

時代の流れと共に、
企業としての業務形態、経営方針、などが変わってきたのでしょうし、
人手不足などによる人件費の増大も少なくない影響を与えているかもしれません。

3、繊細な機器が増えている

人感センサー、自動制御、オンライン、AI、などの機能を搭載した設備機器、複雑な機構を搭載した建具・家具・サッシ、など使い勝手は著しく向上している反面、住宅に使用されている様々な物が繊細(壊れやすく)になっている印象です。

以前であれば、大工や水道業者、電気業者などでも修理出来ていたような物が、製造メーカーの修理専門の方でないと直せない場面も増えました。

例えば、トイレの温水洗浄暖房便座(ウォシュレット、シャワートイレなど)はジョイント部分からの水漏れであれば水道業者でも対応出来るかもしれませんが、ノズルが出てこない、リモコン操作が反応しない、などの不具合では修理は専門家にお任せするしかありません。

自宅で発電し、自宅で蓄電し、様々な設備や開口部などでさえ電動、自動、スマホなどでオンライン管理出来るような住宅は、便利であると同時に、故障時の修理・交換の事も頭には入れておく必要があると思います。

4、交換前提でご提案します

上記のようなリスク?があるからと言って、
採用を全否定するようなことはありませんが、特に機械類については壊れる事を前提にして、その後のことも一緒に考えてご提案するようにしています。

元が取れるかどうか?
という観点ですと消極的になり過ぎてしまうので、長く使えるか、使う意志が続きそうか、などを想像しながら、検討すると良いかもしれません。

5、やっぱりシンプルなものが長持ちする

結局、長持ちの事だけを考えれば、
シンプルな物の方に軍配が上がると思います。

後は、本物、です。

張り物よりも長持ちします。
尚、長持ちだけが物の価値ではございませんので、その点だけは十分にご理解いただければと存じます。

■最後までお読みいただきありがとうございます