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家を見様見真似で造るなんて怖すぎる

最近では動画サイトを見れば、ある程度プロっぽい仕事は出来ます。
お料理でも、お裁縫でも、結構うまく作れるものですね。

しかし、流石に医療行為は出来ませんよね。
医師免許が必要かどうかという以前の問題です。

では、家づくりは出来るのでしょうか?


■目を覆いたくなる家づくり

1 SNSの善悪

SNSによって、たくさんの情報が得られるようになりましたよね。
しかし、そうした情報の多くが全く精査されることなく全世界に発信されているということも、同時に理解して付き合っていかねばなりません。

と言うのも、
動画サイトを参考にしたと思われるDIYの投稿の中には、目を覆いたくなるような致命的な間違いの画像・動画が度々見られるからです。

きっと、
参考にしたSNSがそもそも間違っていたのでしょうが、
恐ろしいことに、
参考にした通りに間違った材料を使って、間違った施工をしたDIY画像がまた新たに投稿されているのです。

その結果、新たな被害者が出ない事を祈るばかりです。

こうしたDIY系のテレビ番組やSNSは気になってしまうので、
なるべく目にしないようにしていますが、意図せずに目に入ってきたものだけでも気になるところが目白押しと言うことも良くあります。

SNSの投稿は自由ですし、
DIYなら完全な自由で自己責任ですので、
どんな結果が出たとしても諦めも付くのかもしれませんね。

ちなみに、
プロが監修していると思われるエンタメDIYはとても楽しいです。

2 家には壊し方がある

私が特に恐怖を感じるのが、
何の躊躇もなく(そう見える)家の一部を解体する場面です。

私たちがリフォームなどで解体をする際には、
躯体に影響がないか、
配線・配管などに影響がないか、
解体範囲以外に影響が出ないか、
など、監督や大工たちが現場状況を確認し、
細心の注意をしながら作業を行います。

それを躊躇なく「ドカン」と壊す光景が
どれ程、私たちの心臓に良くないかは想像がつくのではないでしょうか?

恐ろしいことに、
分かっていない方ほど、
壊してはいけない箇所を壊してしまったり、
その方法で壊してはいけないという方法で壊してしまったり、
と選択肢を間違ってしまいがちです。

3 出来ないところだけプロに頼る?

電気工事や水道工事などは流石に専門業者に依頼しているケースがほとんどだと思います。

なぜなら、それらを素人仕事してしまうと、
大変なことになる危険性が高いからだと思います。

しかし、大工工事はそういう考えにならないのでしょうか?

内装や収納など躯体に全く影響がない箇所であれば構いませんが、躯体に絡んでしまった場合、古い住宅ではそもそも耐震性が低かったり、耐久性が下がっていたり、する状況をさらに悪化させてしまう危険性があるとは思わないのでしょうか?

願わくば、
すぐに相談できるプロが身近にいてくれるといいですね。

4 知っている風が怖い

インターネットが普及してすぐの頃、
ネットの情報を好んで収集する方が増え、
自称「私は建築の事を知っている」と言う方が急増しました。

20年くらい前になりますが、
その頃は私も今からマイナス20歳でしたので、
良く自称「私は建築の事を知っている」と言う方々に上の方から色々と言われたものです。

現在と同様、
その頃のネットの情報も全く精査されたものではありませんでした。

そうして得た情報を友人やご家族だけではなく、
何故かプロにぶつけてくる方もいらっしゃいました。

「これ知らないの?」
「こうすれば出来るんだよ!」

知らない情報も確かにありましたが、知らないのではなく、知る必要もない情報だったことの方が圧倒的に多かったです。

私が受けた印象では、
都市伝説をまるで事実かのように話しているという印象でした。

プロよりも知っているということをアピールしたかったのかもしれませんが、そのことで腹が立つとかは全くありませんでしたが、

自分よりも建築の事を知らないプロになんて、
そもそも相談する意味があるのか?


と疑問は感じていました。
そして、そうした方々が自分が取り入れたい情報だけを頭に入れているような印象も受けました。

■DIYを否定するものではありません

ちょっと強めに書いてきましたが、
DIYを否定するものでは全くありません。

家のお手入れを全てプロに依頼するのはもちろん理想的ですが、
ご自分で出来ることをどんどん実施していただくことは家にとっても非常に良いことです。

ただ、見様見真似でDIYの枠を大きく超えようとする前にちょっとだけ冷静になっていただけたら幸いです。

ごくたまにですが、DIYの失敗後の修繕のご相談がありますが、修繕ではなく規模の大きな改修になるケースがあります。

■最後までお読みいただきありがとうございます