人が増えても速くならない
今回は、以下書籍『人が増えても速くならない』のまとめ記事です。
書籍『人が増えても速くならない』
すべてがソフトウェアになる(Why Software Is Eating the World)時代において、「遅れてるなら人を増やそう」がなぜダメなのか?
そんな問いに答えてくれるのが本書籍です。
この書籍の著者は、ソニックガーデン創業者&クラシコムの社外取締役の倉貫 義人氏です。
クラシコムでは、より良いソフトウェアを顧客に届けるエンジニアチームの内製化を進めるために2018年に参画されています。
そんな”経営”と”開発”の両方を知る倉貫 義人氏によって書かれたのが本書籍です。
では、早速本題に入ります。
人が増えても速くならない
「遅れてるなら人を増やそう」がなぜダメなのか?
言い換えれば、「人が増えても速くならない」のはなぜなのか?
この書籍では大きく以下3つの要因が示されています。
・キャッチアップ教育コスト
・コミュニケーションコスト
・タスク分解の限界
・キャッチアップ教育コスト
あとから入ったヒトの情報や知識のキャッチアップと、その人たちへの教育にコストがかかる。
プログラミングはただ手を動かるだけではなく、そこまで作ってきたソフトウェアの仕様や技術、業務知識について深く理解していないと、新しい機能追加は難しくてできない
そのため、それまでに開発に従事していた人が、その時間を教育にかけるとなると、生産性が落ちてしまう
・コミュニケーションコスト
関わるメンバーが増えると、メンバー同士でのコミュニケーションにかかる時間が増えてしまう
5人のプロジェクトなら、自分以外の4人について動きを把握して連携を取ればよかったのが、3人追加して8人になったら、7人を相手にしないといけなくる。MTGの時間が増えて、同僚からの相談にのる時間が増えれば、手を動かす時間は減る
入ったばかりの人とは考え方や進め方が異なるため、認識をすり合わせる時間が必要となり、生産性が落ちてしまう
・タスク分解の限界
細か”すぎる”タスク分解をするなら、自分で手を動かしてプログラミングするほうが速い可能性があり、新しく入った人のために細かく仕事を作りだす指示するとなると、生産性が落ちてしまう
では、どうすれば開発が速くなるのか(生産性が上がるのか)?
速くつくれるチームをつくる
「人が増えても速くならない」のはなぜなのか?の問いに対する答えとして、「速くつくれるチームをつくる」ことで”開発が速くなる”と本書では述べられています。
速くつくれるチームをつくるためには以下大きく3つが重要なようです。
・開発環境
・クラウド性能
・組織文化
・開発環境
ハイスペックPCによってコンピュータの処理速度を向上させる
開発しやすいデスク環境(ディスプレイや椅子など)を用意して物理的に働きやすい環境にして、エンジニアが開発に集中できるようにして、開発生産性を上げる
テストカバレッジ・CI/CDなどを整備し、安全に開発できるようにして開発生産性を上げる
・クラウド性能
クラウドに移行してクラウドのアップデートによるコンピュータ性能開発効率の向上をめざす
・組織文化
上記開発環境やクラウド性能など開発生産性への投資をする意識をもつ
ソフトウェアが事業競争力の源泉になることを理解して、積極的に投資をおこなう経営判断力がないと、開発生産性があがりにくい
開発におけるポリシー・哲学に対して共通認識が揃える
エンジニアでチームを作る際に、プログラムの書き方、テストの方法、品質に対する姿勢などが揃っていなければ、良い品質にはならないし、高い生産性を実現できない
心理的安全性が保つ
チームメンバーの信頼関係が構築されており、失敗を許容したり、挑戦を推奨するコミュニケーションができなければ、変化の速いソフトウェアに対して、チームでスピード感を持って変化に適応できない
まとめ
単純に人が増えても速くならないが、開発環境・クラウド性能・組織文化へ投資することで速くつくれるチームをつくることができ、その結果開発が速くするということが、理解できました。
特に組織文化が重要であり、エンジニアリング組織のパフォーマンスを最大化できるような投資をしていく意思決定が重要だなと感じました。
さいごに
著者の倉貫さんが社外取締役をしているクラシコムさんの「人が増えても速くならない」を実践は以下の記事が参考になります⇩
記事内ではFindy Team+についても取り上げていただいており、ありがたいです🙏
ビジネスサイドでも読みやすく、本の長さも112ページと読み切りやすいのでおすすめです!
参考
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