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こまったばしょ

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どこの地域にも特性がある。温泉があるところ、歴史が重いところ、果物がおいしいところ。でもその特性はいいとこばかり?筆者の経験を誇大妄想にしてご紹介します。
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記事一覧

No5 自主的な街

No5 自主的な街

講談社の現代ビジネスに掲載されていたタワーマンションについての記事は最後に次のように述べている。

この記事を見てふと思い出した街がある。

選択には責任を持たねばならない。自分の育った地域におい社会と学校ではそう教える。そしてもちろん大人になって仕事やその他の責任あるなにかに従事するようになるとその第一歩でそう叩き込まれる。選択は責任を持ちなさい。

選択は責任を持ちなさいというのは時間軸的に二

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 No5 通じない街

ある医者になったある友人。彼は優秀な医師としてあちこちの医療施設で命を救い、ある街の大きな医療機関の中枢管理職兼医師として赴任することになった。お互い忙しかったが、そんな彼から久しぶりに連絡がきた。しかも仕事絡みで相談にのってほしいという。

彼の受け持つ患者が立て続けに症状が悪化した。一人は高血圧が悪化して緊急入院、もう一人は糖尿病が悪化してやはり緊急入院。医師と言えども万能ではないので予定通り

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No4 身分のある街

身分関係のある国に仕事で滞在したことがある。上流の方々はさぞやラクチンな人生を歩んでいるのかと思えばなかなかそうではなさそうなことを知った。上流の人たちは将来国の舵取をしなければならない。これは決定事項。それはつまり幼稚園に入る前の年齢から人を動かすことが求められるし、人を動かす根拠として数百年先の国家社会のことを考慮していることが求められるということだ。自分の欲しいおもちゃがどうとか、砂場で遊び

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No3 かえるまち

No3 かえるまち

 お酒は社会の潤滑油だ。飲んで、暴れて、言いたい放題、好き放題して、この傍若無人を通して本当に仲良くなれるし、これを経験しないと大人ではないという風潮があった。この種の飲む機会は決まってこれだ。「とりあえずビール」。

とりあえずとはどういうことだろうか。広辞苑によると次のように書いてある。

【取り敢えず】トリアヘズ 
意味① たちまちに。たちどころに。
意味② さしあたって。まず。一応。

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No2 いい加減な街

No2 いい加減な街

世の中の様々なことは多分に主観的な面があり自分にとってはいいことのように見えてもそれを悪いと判断する人もいる。例えば第2次世界大戦は日本の言い分としては西欧の植民地支配から解放するという理由を掲げていたが、西欧側としては既存の秩序を破壊させるならず者ということになっていた。やり方が適切だったのかどうかという問題があるが、ここではそれは触れずに、物事の評価の主観性というものに注意してもらいたい。

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No1 訴える街

令和3年11月21日 体裁と表現を整理しました。内容は変わっていません。

この文章は小説です。すべて空想で架空の出来事です。

コロナウイルスに関する記事の恐れがありますという注意書きが出てしまっていますが、この記事はコロナウイルスにはまったく触れていません。

その場所は決して都会ではない。江戸時代から続く街道筋で、江戸時代後期からはそれなりに賑わった。会社や商社がたくさんあるが、今の主要産業

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