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王道ではないが旅に出たくなる本

私は基本的にインドアな生活をしている。用事がなければ家と職場を往復するだけで外出はしない。しかし、趣味は何か?と聞かれたら『旅行』と答えている。日常に大した刺激も変化もないので、普段行かない場所に行って日常を忘れたい。だから、出来るなら月に一回くらいは旅行に行きたいのだ。(全く出来ていないけど・・)

この緊急事態宣言で多くの人も家にいる時間が通常よりも長くなってしまって、何処かに行きたいという気持ちが強いんじゃないだろうか? でも、第二波が懸念されているので、実際に旅行に出かけるのはもうしばらくは出来ないだろう?

なので、旅に出たくなる本を5冊ご紹介します。
しばらくの間はこれを読んで擬似体験をして、自粛ムードが収まってから旅行に出られたらいいのではないでしょうか?

断っておきますが、今回は沢木耕太郎の『 深夜特急 』のような王道ではなく、あまり知られていない感じか、もしくは直球で旅行のことを描いていないエッセイなどを選んでおります。

まずは1冊目・・

景山民夫『世間はスラップスティック One fine mess』

景山民夫さんのエッセイが大好きなのです。この本の中には数編だけ旅先で起こったことを題材にしたエッセイが収録されています。(中にはヤバイのがありますが・・)その中の『だから「走れメロス」は恥ずかしい』という話、私は旅先で出会った人とここに書かれているような交流をすることに旅の醍醐味があると思います。

2冊目は・・

蔵前仁一『ホテルアジアの眠れない夜』

私も20代の頃に東南アジアを一人旅したことがあります。この本はそれと被る内容がいくつも収録されており、昔を凄く思い出します。そんなに大きな事件もない等身大のバックパック旅行が描かれております。

3冊目は・・

落合信彦『アメリカよ!あめりかよ!』

これは旅行記でなく著者のアメリカ留学の記録でありますが・・私はこの中で、アメリカに旅立つまでのくだりが大好きなんです。
お世辞にも恵まれてるとは言えない環境に育った著者が、アメリカ人神父と出会って留学のキッカケを掴んだり、朝から晩まで映画館に篭ってハリウッド映画を見てヒアリングの勉強したり、港にテントを張って何日も宿泊してアメリカ行きの船に乗せてくれるように交渉したり、そのバイタリティが凄いのです。これを読むと、行ったこともない場所に行って、経験したことがないことを経験してみたいという気持ちにさせられます。

4冊目は・・

群ようこ『アメリカ居すわり一人旅』

これも旅行記ではなく著者の留学の記録であります。多くの有名人の旅や留学の記録って人生を決定づけるような出会いとか経験が描かれているわけですよ。しかし、この本は何が凄いって大したことが何一つ起きないんです。でも、面白いのです。イケメンの外国人なんかも出てきません。出てくるのは、せんだみつおソックリの手足の短い白人とかです。私は留学経験はありませんが、大多数の日本人は留学してもこんなもんなんじゃないかと思います。でもね・・行ったことない場所ややったことがない経験をして、それが大したことじゃなくても、そこで何かを感じるということが重要なんだと思います。

そして、最後は・・

マイクル・クライトン『インナー・トラヴェルズ・上下巻

この本は、医師から世界的なベストセラー作家になった著者の半生を描いた作品であります。上巻は著者が通っていたハーバード大学のメディカルスクールの様子から、ベストセラー作家となって、映画を監督した時に出会ったショーン・コネリーに感銘を受ける話など、凄い内容が目白押しであります。そして、下巻は目標を見失った著者が霊媒師などのスピリチュアルな世界に傾倒して様々な経験をしていく話であります。流石に作家だけあって全編を通じて実に多くの場所に行き様々な経験をしています。これを読むと本当にいろんな場所に行きたくなります。

以上が私がお勧めする本5冊です。お暇な時に是非