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映画感想「ガールズ&パンツァー 最終章 第4話」(Filmarksより)

言葉通りの10年コンテンツになったガルパン最終章、第四話。

大会準決勝のvs継続高校戦、司令塔であるあんこうチームを失った大洗の戦いが描かれる。
正直、このアニメはキャラが多すぎてあんこうの5人以外はロクに覚えていなかったりする。そのあんこうチームが不在の戦いで果たしてついて行けるのか、という鑑賞前の不安があった。

だがそれは心配無用だった。
雪原でのスピード感溢れる戦車戦、このアニメの主役は女子高生たちではなく戦車なのだと突きつけてくる大迫力だった。
状況や作戦も分かりやすく、ピンチやチャンスも自然と呑み込める描写が見事。前回から間が開きすぎて、どうだったか思い出せないほどだがそれだけの時間を要した事に納得性を持たせられる出来栄えになっていたと思う。

ラストの斜面での決戦は正直、スタッフの鬼気迫る表情が透けて見える程。TV版から通しても最高峰のバトルだったのではないか。

絶対的な狙撃手に、耐久力の高いリーゼント組、継続高校に限ったことではないがやたら余裕たっぷりのフラッグ車。この強敵を、エースを欠いた状態でよく打ち破った、大洗女子学園。
戦闘の濃さとは裏腹に相変わらず薄味のキャラ達は印象に残らないが、これはもう戦車の添え物だと思うのが正しいのだろう。基本的にほのぼのしていてよく喋るキャラ達だが、要所では台詞を発さないのがこの作品の持ち味。命が掛かっている訳ではないが、それに近い緊張感を醸し出す。

何はともあれ、見せたいものを魅せるという職人芸を味わうことができた。
芯がブレていないからこそ、この間隔でもファンが追いかけてくれるのであろう。初日だったのもあるが、客入りは良かった。

残り2話、決勝戦ではあんこうチームの躍動を期待。
「勝利の風は、相手に吹いたようですわね…」

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