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HEATHさんの急逝に、悲しみと共に考えたこと

先日、音楽関連でこういうニュースが出て波紋を呼んでいます。
それに併せ、私も「ROSIER」の歌詞の様に心が揺れて揺れまくっていました。

失望、落胆のここ数年

まず現状、X JAPANというバンドは活動休止状態であり、目立ったアクションは何年も起こしていません。今年7月に8年ぶりとなる新曲「Angel」を配信リリースしたのが本当に久しぶりの話題でした。

このリリースがあったからといって活動が始まる、という訳でもなかったのですが、以前別の記事で書いたように私自身はこのバンドの今後にそこまで期待はしていません。待ち疲れた、とも言えますが自然と冷めた、の方が的確な表現だと思います。

そしてこの度、ベーシストのHEATHさんが天国に旅立ちました。55歳、あまりにも早い。これでメジャーデビュー後のメンバーで三人目の鬼籍入りとなってしまいました。それを受けての、先日の「Rusty Nail」演奏だったと思いますが、X JAPANという形ではありませんでした。これに対し、ファンは賛否両論…つまり「YOSHIKI派」「Toshl派」に分かれ互いに罵り合っている有様です。

私は、どちら派というのが無く単純にバンドと、その音楽のファンでありましたのでこの状況には苦々しさしか感じていません。25年前、HIDEさんの葬儀においては解散直後でありながらメンバーが全員参列、Toshlさんの歌唱でForever Loveが演奏されたのは有名です。なのに今回、こういう形でファンが揉めていることに「どうして」という思いがあります。

先日ボーカリストを亡くしたBUCK-TICKは、年末、残されたメンバーでの再始動を発表しました。

これに対しファンの方達は歓喜の声を一様に上げています。
思えば最も辛いであろうメンバー、スタッフがそれでもファンの為に早く動いたこと、根幹に「お客さんありき」の活動であることを忘れていないからで、35年続けて来たバンドの貫禄が、ここにも表れています。

それを考えると、何年も休止状態、メンバーが亡くなっても顔を合わせられずお茶を濁すパフォーマンスでファンの分断を進めているX JAPANに、心底失望せざるを得ませんでした。「X JAPANのファン」を自称するのが、恥ずかしくなってしまうほどに。

卒業を考えたその先に

なので、X関連のCDやDVDをもう処分しよう、と考えました。
今後の新しい音楽にも期待出来ないし、ファンを悲しませ、傷つけることしかしてないようなバンド、もう自分の中から抹消した方が健康的だと思ったんですね。

その上で昨夜、観ないままで判断するのも早計だと思い、実際はどんな感じだったんだと先日のRusty Nailを観てみたんですね。YOSHIKIのステージパフォーマンスを観るのはこれが最後かな、という感覚で。

感想は、曲はともかく演奏後の駄弁りがとても良かった。
50代過ぎ、30年以上やっているオジサン達が「ふ~やれやれ」という感じで喋っていてオーディエンスがそれを楽しんでいる様子。ベテランバンドのライブではよくある光景ですが、早世したメンバーへの手向けの曲…を演った後のような湿っぽさは全くなく、やはりそこには「ステージに立てている充実感」があった様に思います。
個人的に心が離れかかっていたのに、やっぱりこの人達がステージにいる様子が好きで、ライブビデオを何度も観ていたんだなと思い出され、胸に来るものがありました。完全な形ではないけど、思い返せば昔から完全な形なんて一度もなかったように思います。

そして今回自分が早まろうとしたのも、「SNSの毒」に触れてしまったからではないかと思い、踏みとどまる事にしたんですね。
自分の中でのX JAPANへの向き合い方はとっくに決まっているはずなのに、今更理由を付けて断絶する必要もない。何より長年ネット上で使ってきているハンドルネーム「だりあ」の由来はこのバンドからなのだから、捨ててしまったら名前も変えなければいけなくなってしまう。面倒ですし、変えたくもありません。

どうやら、HEATHさんの訃報が思った以上に効いていたんだろうな…と気付き、この度自分に向けていた刃を収めるに至りました。

HEATHさん、お疲れ様でした
2008年に東京ドームで見た貴方はとても格好良かったです

かつての熱はありませんが、これからも自分の一部として持っておこう…と思い直した、そんな一幕でした。

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