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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー感想・ようやく重なった、ゲームと映画

一昨日、「今年観る確映画」の一つ、マリオ映画を観てきました。

もはやアレコレ語る必要はないほどトレンド街道を突っ走っておりますね。本国でもさることながら、日本でも公開4日で20億円突破、この連休中はどこの映画館も朝から晩まで回しっぱなしに関わらず予約ページに「残りわずか」の文字が目立つ状況です。他にもコナンや東京リベンジャーズ2といった強い作品がありますが、それらと肩を並べてゴールデンウィークの「主役」になっています。

やっと花開いた、「ゲーム映画」

広い範囲で言えば漫画のアニメ化も含まれるのですが、「メディアミックス」の中でも

・漫画、アニメの「実写化」
・ゲームの「映像化」
・映像作品の「ゲーム化」

これらはポピュラーで、実例は枚挙にいとまがありません。そして「ゲーム映画」は個人的に地雷確率高めのデンジャラスコンテンツだと思っています。ここはおそらく同じ考えの方が多いはず、です。
今回マリオの映画ということで93年の実写映画が話題に上る事がチラホラありますが、これに限らずゲームの実写映画化はバイオハザード以外軒並み失敗に終わっていると思っています。

私の趣味なのでどうしても格ゲーに寄ってしまうのですが、これら悉く「駄作」だった事がゲームの映画版に対する不信感を抱かせたのは確かです。

逆の話ですがかつて、97年ごろにガンダムの富野監督がゲームで映画を目指しているという某大作RPGについて
「ゲームと映画はそれぞれの良さがあるので、双方を目指す必要はない」
と述べており共感したのを覚えています。
つまり違うメディアに持ってくる、「~~化」というのは本筋を違える可能性を踏まえなければいけないというハードルの高さがあるので、「ヒット作だから」という理由での映画化は基本的に浅慮、話題性以上のものは生まれないとこれまでの歴史が証明しています。

ここで、今回のマリオはようやく「ゲームの良さ」が映像に落とし込まれて成功に繋がったといっていいと思います。マリオの世界観と軽快なアクションはイルミネーション作品との親和性があり、誰もが知るゲームの世界がスクリーンで繰り広げられ、それが面白い。かつての実写映画から数え30年経ってここに辿り着いたのだな、という感慨もありますね。

ファミコン時代から変わらないもの

マリオに限らずゲームは基本的にそうですが、「死んで覚える」というフシがありますよね。何度も何度も死んで、少しずつ上達し、突破出来るようになっていく。この映画でもその過程が組み込まれていて、ところどころゲームをプレイしている感覚になるのが素晴らしいと思います。単純にマリオが困難を超えていく、だけでも映画の物語としては成立するのですがそこに「特訓シーン」のエッセンス、ステージギミックを入れてゲームの上達とリンクするような見せ方をしています。

マリオはそれこそジャンルも多岐に渡るゲームキャラ、レーサーであったりファイターだったりもしますがやはり基本はアクションゲーム。それもこの40年以上の歴史の中で相当の本数がありますが、それの面白い要素というのが全世代共通なのが凄いですね。ジャンプして敵を踏む、ブロックに飛び乗る、しゃがんでやりすごす、そして助走をつけてより高く飛ぶ、これらの気持ち良さはずっと変わらないキャラクターです。



(ネタバレあり)自分的に、一番痺れた「一瞬」

そんなゲームの動きを取り入れたこの映画で、私が一番「震えた」部分は、ラストバトルでクッパに向かって走る兄弟が、スピードが乗った時に…

・両手を水平にした

ことなんですね。これはご存じの通り、スーパーファミコンのマリオ4、スーパーマリオワールドでの挙動で、手を広げるとマントマリオでの滑空が可能になります。個人的に一番やり込んだマリオがこれだったので、ほんの一瞬だったこのアクションで「おぉっ!」と心を揺らされました。

他にもゲームの要素が数えきれないほど散りばめられているのですが、良い作品にこそある感動が、ここにありました。
人それぞれの「感動ポイント」がある、そんな映画だと思います。

ピーチ姫のガチライダー感、いいですね

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