見出し画像

Happy ending ~あなたの本当の笑顔が見たかった~ Part2

それから私は次の日に彼に会いお食事を楽しんだ。

すると彼はなんだか照れそうな顔で、ビニール袋に包まれた何かを差し出した。

「これ、花梨さんがやりたいって言っていたゲーム。部屋にあったから持ってきた。返すのはいつでもいいよ。」

それは、私がやりたかったニンテンドー3DSとそこにはいってるドラクエのゲームだった。

「嬉しい!ありがとう!!すぐに遊びたいなぁ!!…でもどこでやればいいのかしら??」

私は彼にチャンスを与えた。

「じゃあ、2人っきりになれるホテルでやろうよ…」

ふふふ。そう来なくちゃ。

今まで恋もしたことがない私だったから、その日が私には初めてのラブホテルで、更に遅いながらの初体験だった。
でも緊張と言うよりはワクワクした気持ちしかなかった。

私の初を取ろうとする男性は多かったけれど、絶対に今までなんとしてでも阻止していた。

何故なら、初体験は素敵な人がよかったから。

休日ともあって、全然ホテルが空いてなくて、ようやく入ったところはなんだか簡素な所で、ちょっと残念だった。ラブホテルはもっと煌びやかな世界だと思っていたから。
白ばかりのお部屋。その眩しさが、私の鼓動を高鳴らせた。
もしかしたらこの経験が、暗闇から出るきっかけになるかもしれない!

ベッドで座って少しだけゲームをしていると、
彼は私を後ろから抱きしめた。

クスッと微笑む私。

ねぇ、なんでそんなに汗を流してるの??
不安なの??でもあなたはこうやって毎回人と距離を置いてるんでしょ??

行為中だけは、彼はとても笑顔だった。
楽しそうに笑っている。

あー、この笑顔が日常でも溢れているといいのに。

でもやっぱり辛そうだね。君。
なんで辛そうに微笑むのよ。

君の思っていることを当ててあげる。

(あー、俺いつまでこんなことしてるんだろう…)

私が光太くんを暗闇から連れ出すから、
私のことも光へと導いてね。光太くん。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?