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2018年8月の記事一覧
【小説】始業式の風とキミ
随分としつこく居座った冬の厳しさがやっとこさ落ち着いて、
ぽかぽかした空気に眠気が止まらないある日。
今日は始業式。
久しぶりにきみが歩いてくるのを見かけたんだ。
相変わらず顔は俯いていた。
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ボクはきみがどんな顔をしてるか知らない。
きみを初めて見かけた日、
あの日は風が強くって、
ボクは立っているのに精一杯だった。
ただでさえ歩きにくい急な
【モチーフ小説】東京
東京に来て3年も経つというのに、一向に都会での生活に慣れる気配は無かった。
春子は今日もベランダで高層ビルに埋め尽くされた空へ向ってため息をつく。
また彼と喧嘩をしてしまった。
春子を東京の街へ招いたのは彼だった。
人混みや喧騒が苦手で、彼に東京での同棲の話を持ちかけられた時は、どうしても明るい表情を見せる事が出来なかった。
それでも、彼だから、と。
彼とだったら、辛い暮らしも乗り越え
【小説】いつかのアサガオ
重い。
荷物、もっと、計画的に持って帰ってくるんだったな。
今にもはち切れそうなくらいに膨らんだランドセルが背中をいじめる。
手提げに入った絵の具が腕にぶらさがる。
何より両手に抱えたこのアサガオの植木鉢が、信じられないくらい重い。
夏休みだからって、なんで家に持って帰らなきゃいけないんだろう、面倒くさいな。うわ!
ゴトン。手がすべった。
僕の手を離れ、バランスを崩したアサ