マガジンのカバー画像

古今叙事大和本紀

18
時は西暦330年頃。第10代天皇、崇神の頃。 吉備国(現岡山県)から始まる。 齢15の少年、岳津彦。の嫁、弥生が何者に連れ浚われてしまった。 時代の流れに翻弄されつつも人や神と出…
運営しているクリエイター

#毎日note

古今叙事大和本紀 序章 静かな海からの旅立ち 2

 先に語った物語の少し前の話である。  大和国(現、奈良県)では、国家挙げての大変な事態が…

6

古今叙事大和本紀 序章 静かな海からの旅立ち 3

 確かあれは丑三つ時に近づいた刻に見た宵夢と感覚する。  私はただただ白い空間の中にいた…

2

古今叙事大和本紀 序章 静かな海からの旅立ち 6

 明朝、岳は山野村へと走った。  この戦に参入する訳ではなく止める為に、天鈿女より賜った…

2

古今叙事大和本紀 第一章 吉備国の果てまで

 あれからと言うもの、天鈿女に嗜まれ、あめたんと呼ばされる事となった。そして、天鈿女から…

1

古今叙事大和本紀 第一章 吉備国の果てまで 2

 路を行き、路無き路を掻い潜り、闇の中を必死に駆けていた。  いままで近所以外知る事もな…

3

古今叙事大和本紀 第一章 吉備国の果てまで 3

 大量の食材を受け取り、岳達は長の家を後にした。  この地で採れた物を頂いたのは確かなの…

5

古今叙事大和本紀 第一章 吉備国の果てまで 4

 暫くするとぼんやりと男の姿が目の前に浮きだしてきた。  薄い朱色の衣を纏わせて、左手には今まで見た事のない長細い円形のような石を羅列させた装飾品を緩く持ち、右手には杖のようなものを持っていて、その先から金色の光が薄く放っていた。  その光によってこの男の表情がはっきりと分かった。  切れ長の瞳で、細い鼻立ちがこの男の凛とした表情を作り出している。しかしながら唇はまるで艶やかな女のように厚く、果たしてこの男の歳はいくつくらいなのだろうと岳は思った。  纏わせている衣の感じから

古今叙事大和本紀 第二章 明石の怪物 2

「あかしーーーーーー。あかし。あかしーーーーーー。あかし。」  播磨と同じく、妙な服装を…

9