「自律型兵器システム」覚書

〇自律型兵器システム(AWS: Autonomous Weapon Systems)
・自立型兵器システム=軍事利用されているロボット工学・自律型システム・人工知能(RAS・AI: robotics and autonomous systems, artificial intelligence)。
・5つの機能=①機動、②照準(標的選定)、③インテリジェンス(諜報)、④インターオペラビリティ(相互運用性)、⑤保全・補修。
・自律型致死兵器システム(LAWS: Lethal Autonomous Weapon Systems)=「人間の関与なしに自律的に攻撃目標を設定し,殺人を行うことができる完全自律兵器」。所謂、キラーロボット=無人殺人兵器。

〇自動(Automation)⇔自律(Autonomy)
・「自動兵器」=標的選定、攻撃決断に関わる過程を全て人間が実行している「手順の自動化」をした兵器。
・「自律兵器」=「手順の自動化」によってそのタスク達成のための最善の行動を AI が選択する兵器・

〇自律型兵器の分類
1 Human in the Loop Weapon/半自律システム(Semi-autonomous weapon system):人間は兵器の始動から攻撃終了までのループの中枢に位置し,機械はタスクを行い,人間ユーザーが行動するのを待ってから続行する。
2 Human on the Loop Weapon/半自律システム/監督付き自律運用:人間は機械の「決定を追認する」するシステム。機械が感知,決定,行動を自力で行うが,人間オペレーターは機械の挙動を起動と終了において干渉することができる。
3 Human out of the Loop Weapon/完全自動運用:人間の干渉を全く受けずに,自ら感知し,決定し,行動することで,人間はループから外れて行動する。

〇自律型兵器が望まれる4D任務
1 危険な(Dangerous)任務
2 核・生物・化学兵器などで汚染された環境内での汚い(Dirty)任務
3 長時間勤務による疲労や精神的弛緩につながる単純で単調な(Dull)任務
4 可能な活動範囲を超えた奥深い(Deep)任務

〇国際人道法を LAWS システムに適用する「3つの原則」
1 区別原則=軍事と目的と民間施設,そして,戦闘員と文民を更に区分をすれば,戦闘可能な戦闘員と傷病兵,投降兵,敵対行為に直接参加する文民と一般文民の区別すること。現在の自律型致死兵器にはこの能力は備わっていない。
2 比例原則=戦闘が開始される前に予測される具体的かつ直接的な軍事的利益と文民被害の比較した際に文民被害が相対的に過度であってはならないこと。このような軍事的利益とそれに付随する被害の予測にあたっては軍指揮官の決定が求められる。
3 予防原則=軍事目標の確認,文民への付随的損害を最小限にするための予防を行なうこと。


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