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『ダブドリ Vol.6』インタビュー05 富永啓生(2018ウインターカップ得点王)

2019年6月4日刊行の『ダブドリ Vol.6』(株式会社ダブドリ:旧旺史社)より、富永啓生さんのインタビューの冒頭部分を無料公開いたします。インタビュアーは麒麟・田村裕さん。なお、所属等は刊行時のものです。

自分の強みはシュートレンジの広さ。あとはシュート力だけでなく、ドライブやポストアップもできるところです。

田村 今回はバスケのプレーで、見ててすごいなと思うこともいっぱいあるのでいろいろ聞きたいと思ってます。
富永 はい。よろしくお願いします。
田村 まず、最高に集中してる時って、どういうものが目に映ってるのかな?
富永 もうリングしか見えてないですね。
田村 じゃあ、もうほんまにリングへの最短距離とかをずーっと探ってる感じ?
富永 そうですね。
田村 はー、すごいな。じゃあ自分でもゾーンみたいなものは感じるの?
富永 あー、それはありますね。
田村 毎試合、ゾーンに入れるの?
富永 ほぼほぼ入れます、どっかで。
田村 入ってる時はどんな感覚?
富永 打ったら入るような感覚ですね。
田村 ハッハッハ。まじで? じゃ、もうずっと「俺にボールよこせ」と?
富永 そうですね。
田村 へー。それはすごいな。世代の中でも象徴的な選手やと思うねんけど、自分の一番すごいとこはどこですか。
富永 シュートレンジだと思いますね。レンジが広いとこと、あとはシュートだけじゃなく、ドライブやポストアップとかもできるところ。
田村 うんうん。ステップも相当うまいよね。国体も見ててんけど、あの京都戦。中部大学第一高校の中村君(拓人。現・大東文化大学1年)と富永君、2人とも無双やったもんな。
富永 フフフフ。
田村 もう京都、全く止められてなかったもんね。ああいうステップとかも結構、練習してる?
富永 ゼロステップはルールが導入された時から練習してて。
田村 逆に同世代で「こいつのココがすごい」っていう人はいてる?
富永 あー、松崎裕樹(福岡第一高校。現・東海大学1年)ですね。でかいんすけど、外もできるじゃないですか。ポストアップもできて、しなやかじゃないですか。すごいと思いますね。
田村 そうか。この間、バスケットボール・ウィズアウト・ボーダーズ(以降BWB)に参加しましたけども、どうでしたか。
富永 やってみて、シュートとかに関しては全然、通用すると思って……。だけどやっぱ、ジャンプ力といったそういう能力的なものは向こうの国のほうが強くて。
田村 フィジカルとか。
富永 そうですね。あと一番思ったのは、ボールが回ってこないんです。攻められずに終わってしまう時が多かったです。
田村 うんうん。なるほど。じゃ、そのあたりを今後どうしていくかっていう。
富永 そうですね。
田村 えーっと、BWBの中ですごく刺激や参考になったこと、印象的な言葉とかありますか。
富永 自分はあんまり豪快なダンクができないんですけど、向こうの人は皆ダンクとかするんです。その中でも「ダンクせずにレイアップをしろ」って言ってて。「レイアップがうまくできないと通用しないぞ」っていうことは言われてました。
田村 えー。あ、そうなんや。へー。富永君もダンクは余裕でできるんですか。
富永 できるっちゃ、できるんすけど。最近ちょっと、跳べなくなってきてて。
田村 ハッハッハ。今、身長はどのくらいですか。
富永 185cm弱。190いきたいです。
田村 お父さん、210cmでしょ? そこまではいかなくていい?
富永 それは多分、無理だと思います。
一同 (笑)。
富永 いやもう、この時点で195ぐらいあったらまだ可能性あるんすけど……。こっから30cm伸びるのはきついっすよ。
田村 30cmは難しい? ハハハ。できれば伸びてほしいんで、小魚食べてなるべく夜9時に寝てください。日本の期待を背負ってますので。ハッハッハ。
富永 分かりました。
一同 (笑)。
田村 BWBで日本人がほかに2人いましたよね。田中力君(IMGアカデミー)と、林未紗さん(現・筑波大学)。どうでした、あの2人は。
富永 田中力とはもともと関わりがあったんで。あいつは日本語も英語もしゃべれて通訳とかしてくれるんでよく一緒にいました。林さんは初めてだったんすけど、女子とは別々でやってたんであんまり知らないです。ただ、楽しくやってました。
田村 田中君はどんな印象ですか。バスケットボールプレーヤーとしては。
富永 そうですね、ドリブルがうまいです。ハンドリングが。
田村 どんな会話をすんの、2人では。
富永 もう本当に、日常的なふざけ話とかですね。ハハハ。
田村 じゃ、友達って感じで。
富永 そうですね。

渡邊雄太君に「周りから何て言われようと決めるのは自分だから」と言われて、最終的にアメリカに行きたいと思うようになりました。

田村 今後、アメリカへ挑戦していくんですよね。
富永 はい。そうです。
田村 それって勇気いることやんか。ましてや高校生でそれを決めなあかんっていうのに。迷いはありましたか。
富永 最初はちょっとあったんですけど。ちっちゃい頃からアメリカに行くっていうのは夢だったんで。
田村 いつぐらいからなの、その思いは。
富永 思いだけだったら、もう本当に小学生ぐらいの時からずっとあったんですけど、ただの思いだけで全然行けると思ってなくて。やっと高校3年の途中ぐらいで「行けるかな」みたいになって。
田村 あ、そんなもう、ぎりぎりで……。じゃあ本当に現実味が出てきたんや。最終的に何が決定打になったんですか。
富永 最終的には「自分で行きたい」っていう決意ですね。
田村 誰かの言葉、「これを聞いて決めた」っていうのはあった?
富永 渡邊雄太君(メンフィス・グリズリーズ。2ウェイ契約)にLINEしてて。それで「周りから何て言われようと決めるのは自分だから」って言われて。それで行きたいと思うように。
田村 あ、じゃあ一番最後の決定打になったのは渡邊君の言葉で。それで自信が沸いてきたんだ。へー。すごいな。これから夢をかなえて戦っていくんですけど、結構、不安は不安ですか。
富永 そうですね。最初、やっぱコミュニケーションとかが不安なんで。
田村 あ、そうやんね。ハハハ。
富永 そこを乗り越えたら、もうどんどん楽しみになっていくと。
田村 なるほど。ちなみに今の段階、学校の英語の成績はどんなもんでしょうか。
富永 5段階評価で、2ですね。
一同 (笑)。
田村 だいぶやばいやん。
富永 そうなんです。
大柴 相当、頑張らないと。
田村 まぁでもね、生活に適応することでまた変わってくると思うし。その、バスケのコミュニケーションっていうのもあるやろうし。
富永 そうですね。

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このあとも、中長期の目標やアメリカでのバスケへのワクワクなどを語ってくださっています。続きは本書をご覧ください。

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