見出し画像

エンドラインからの景色 vol.30 1部復帰、インカレ出場、そしてB.LEAGUEヘ。国士舘大学を支える2人の4年生

 エンドラインからは選手たちの熱く激しいプレーや、そこからしか見えない表情がある。ダブドリ編集部が撮影した中から厳選し、写真とともにゲームを振り返っていく。vol.30では、9月23日に行われたオータムカップ(2部)の国士舘大学をピックアップ。最後にはB.LEAGUE入りを目指す2人の4年生のインタビューも掲載。(写真・文 = 宮本將廣)

この試合の前まで10勝無敗だった国士舘大学
キャプテンの鍋田はゲームコントロールとシュート力に長けている
ダンクにいける佐藤の身体能力の高さは注目
インサイドの要であるダンテ
2年の平良
1年の入住
4年生が中心にハドルを組む機会が印象的だった
勝利し、応援席と喜びを分かち合う鍋田

 9月23日に行われた東洋大学との試合も勝利し、全勝でオータムカップ(2部)を折り返した国士舘大学。1部復帰と悲願のインカレ出場に向けて走り続けている。その中心にいるのは、B.LEAGUE入りを目指す2人の4年生。キャプテンの鍋田隆征と佐藤巧。58-56の大接戦の末、勝利を掴み取った東洋大学との試合後の2人に話を聞いた。

1Qのラストに3ポイントを決めてゲームを繋いだ鍋田。彼のシュート力は大学界でも屈指のレベル

今年は絶対にインカレに出たい。(鍋田隆征/PG)

宮本 今日も勝利して、リーグ戦を無敗で折り返しました。最後まで接戦の苦しいゲームになりましたが、ゲーム前のイメージではどんなゲームを展開したかったんですか?
鍋田 どの試合もそうですが、自分たちの強みであるディフェンス、リバウンド、ファストブレイクを徹底しようと話していました。そこは絶対に負けないという気持ちでこのゲームも臨みました。
宮本 ディフェンスからゲームを作っていきたい中で、前半はリードを奪われる展開でした。後半は徐々に国士舘のペースになっていきましたが、ハーフタイムに何か修正はあったんですか?
鍋田 やるべきことの再確認をしました。前半はなかなかシュートが入らなかったんですが、「シュートが入るまでディフェンスで我慢しよう」と話して後半に臨みました。結果的にロースコアで試合を進めていけたので良かったと思います。
宮本 鍋田選手は4年生になり、キャプテンに就任しました。昨シーズンよりもプレーの出し引きがよくなった印象があります。その辺りの手応えはどうですか?
鍋田 手応えは感じています。自分もシュートには自信を持っていますけど、チームには他にもいいシューターが揃っています。今日のゲームで言えば、木島優(SG/34番/3年)の調子が良かったので、そこを強調してゲームを進めました。他のシューターのタッチが良ければそこを活かしますし、自分のタッチが良ければ自分で狙っていきます。その辺りのゲームコントロールは自信が持てるようになってきました。
宮本 今シーズンは2部での戦いになってしまいましたが、将来的にB.LEAGUEに行きたいというビジョンがあると聞きました。そこに向けて何か意識していることはありますか?
鍋田 B.LEAGUEで活躍されているガードの選手は、ディフェンスの強度がすごく高いと感じています。そこに割って入っていくためにはディフェンス面でもっと成長しないといけない。あとは外国籍選手がスコアラーになってくるので、それをどう活かすか。そのチームの強みをどう出していくかが大事になってくると思います。周りの良さを活かせることは、自分の長所でもあるので、リーグ戦も勝利を目指しながら、常にこの先のイメージは持ってプレーをしています。
宮本 明日からリーグ戦も二巡目に入ります。今後の意気込みをお願いします。
鍋田 国士舘に入学してからインカレに出れてないので、今年は絶対に出たいと思っています。このままリーグ戦を全勝して優勝、1部復帰、インカレの出場権も勝ち取りたいと思います。

泥臭い仕事が自分の役割と断言する佐藤。日本人トップの11,1リバウンドを記録(9月25日現在)

リーグ戦はあくまでもインカレ出場の通過点でしかない。(佐藤巧/F)

宮本 今日のゲームを振り返ってみてどうですか?
佐藤 序盤は自分たちのペースで試合に入ることができませんでした。それでも国士舘の持ち味であるディフェンスとリバウンドでペースを掴んで、接戦をものにできたので反省は多いですが、良かったと思います。
宮本 試合の途中から5番ポジションで留学生のビッグマンとマッチアップしていましたね。
佐藤 自分は今まで2番ポジションから留学生を含めた5番ポジションまで、多くの選手とマッチアップしてきました。留学生とのマッチアップに関しても戦える自信があるので、しっかり止めようと思ってプレーしていました。
宮本 B.LEAGUEを目指していると聞きました。B.LEAGUEにおいてウイングができて、ビッグマンとも対等に戦える日本人選手は非常に重要な存在になっています。
佐藤 そうですね。B.LEAGUEであれば、外国籍選手とマッチアップする場面もあると思うので、もっとフィジカルを強くしていきたいと考えています。その中で、今のチームでは4番ポジションでしっかりとリバウンドを取り切って、身体を張ることが求められているので、まずはチームの中でやるべきことをしっかりとこなしていきたいと考えています。
松島 ちゃんとしたこと答えろよ(笑)!(松島良豪ACが通りすぎながら)
一同 ハハハハハ。
宮本 せっかくなので、コーチからは今日のゲームに対して何か話はありましたか?
佐藤 「東洋大学さんは力のあるチームなので、自分たちの力をしっかりと出し切ろう」という話はコーチだけじゃないんですが、チームメイトともしました。自分たちは前半に押されてしまう試合が多くて、東洋大学は点数が離れてしまったら簡単に追いつけるチームではないので、ゲームの入り方はかなり意識しました。
宮本 その意識はすごく感じました。各クォーターのクロージングで鍋田選手が決め切ったことが勝利できたポイントになったと思います。その中で、佐藤選手がフィニッシャーとしてゲームを決める活躍ができれば、チームもよりよくなっていくと感じたのですが、ご自身としてはどうですか?
佐藤 任されたら決め切るという意識は持っています。ただ国士舘には、大滝唯人(9番/SG/3年)などのいいシューターだったり、ダンテ(10番/C/4年)のインサイドという長所があるので、自分は裏方で力を発揮したいと考えています。もちろんスタッツを残したいという気持ちはありますけど、何よりも優先するべきなのはチームの勝利なので、そのためには自分が泥臭いところをやり続けること。そこは絶対に負けないように意識しています。
宮本 明日からリーグ戦も二巡目に入ります。今後の意気込みをお願いします。
佐藤 一巡目は全勝することができましたが、リーグ戦はあくまでもインカレ出場の通過点でしかないと考えています。しっかりと自分が任された仕事をこなして、リーグ戦を全勝でインカレ、その先のB.LEAGUEに繋げていきたいと思います。

昨シーズンのリーグ戦前に国士舘大学に潜入取材!

ダブドリ有料コラム「ブリッジ」毎月更新中!
最新号「Bリーグで一番ハングリーな男」岡本飛龍の切り開く力

エンドラインからの景色

ダブドリVol.17 5月12日に発売!

ダブドリのもう一歩内側へ!メンバーシップはこちら👇
有料記事の「ブリッジ」「みやもんのバスケットnote」他、有料コンテンツを月額500円で全て読めちゃう!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?