日本バスケの原石たち Vol.2 越谷アルファーズU18／齋藤啓太
2月11日から13日に開催される B.LEAGUE U18 INTERNATIONAL CUP 2022 に、越谷アルファーズU18 から井上知真（180cm/PG, SG）と齋藤啓太（192cm/PF, C）の２名が選出された。今回は彼らに越谷アルファーズU18で学んだこと、大会への意気込みを取材した（聞き手：宮本將廣）。
齋藤 啓太（さいとう けいた）18歳。192cm。小学５年生でバスケットボールをはじめる。浦和学院高校バスケットボール部引退後、トライアウトを経て越谷U18に加入。2022年春に 大東文化大学 進学予定。
本当に色々助けてもらって、感謝しかないです。
宮本 まずはバスケ歴と越谷U18に加入した経緯を教えてもらえますか？
齋藤 バスケは小学校５年生から始めました。 県大会にも出たことがなくて、高校１年で初めて地区選抜に選ばれました。 その後くらいから大学でもバスケをやりたいと考え始めて、高校３年の夏に部活を引退してからバスケができるところを探してたら、越谷U18を見つけてトライアウトを受けました。
宮本 ちなみにどこの高校で、成績はどのくらいだったんですか？
齋藤 浦和学院高校に通っていて、最高成績が県大会ベスト16です。
宮本 越谷U18を見つけるまでは、冬まで部活に残ることも考えていたんですか？
齋藤 考えていました。 でも、３年生が引退して練習の質とか強度がどうしても少し落ちちゃうので、どうしようかなと考えていた時に、越谷U18を見つけて、しかも初代のメンバー募集だったので……初代っていいなと思ってトライアウトに参加しました（笑）。
宮本 越谷U18のスタートは来年度の予定だったのに、今年度スタートさせた岩井貞憲（U18）ヘッドコーチは、もう神様的な存在ですね（笑）！
齋藤 自分にとっては本当にそうなんです（笑）！
一同 ハハハハ。
齋藤 本当に色々助けてもらって、感謝しかないです。
岩井 よく言うよ（笑）。 宮本さん、僕がアースフレンズ東京ZのU15時代の２年目に在籍してた、山口隼（北陸高校２年）のことを覚えてますか？
宮本 もちろん、覚えてますよ。
岩井 彼のお父さんと（齋藤）啓太が同じクラブチームに行っていたんですよ。 山口のお父さんから「こういう選手がいるんだけど、ちょっと見てくれないか？」という話があって、トライアウトを受けてくれたので、本当に縁ですよね。
宮本 それは本当に縁ですね。 齋藤選手は部活にプラスして大人のクラブチームにも通ってたの？
齋藤 クラブチームは高校バスケを引退してから、１ヶ月ほどお世話になりました。 ただ毎日練習があるわけではないので、もっとバスケをやりたいなと思っていたら、越谷U18の存在を知ったという流れですね。
早くプロの舞台に行きたいです！
宮本 越谷U18に入団して、印象的だった岩井コーチの言葉はありますか？
齋藤 トライアウトのスクリメージの後に貞憲コーチが自分のできない部分を指摘してくれて、そんなところも見てるんだと思いました。 その後に自分のやりたいポジションを聞いてくれたんです。 192cm あるので今までインサイドだったんですけど、アウトサイドも経験してみたい気持ちがあったので、それを伝えたら、「その意志を尊重するから、ぜひうちに来てほしい」と言ってくれました。 それを聞いて、ここだったら成長できると思いました。
宮本 実際にアウトサイドでプレーするようになって、発見はありますか？
齋藤 やっぱりインサイドでプレーをしてきたからこそ、インサイドの人の気持ちがわかりますし、アウトサイドをやってみて、パスの出し方とかアングルの作り方は自分にとってすごくプラスになりました。
宮本 10月に開催されたチャンピオンシップの横浜戦でジェイコブス（晶）選手（200cm）と五ヶ谷（瑠佳）選手（195cm）とマッチアップをしました。 ２人とも齋藤選手より大きい選手ですけど、マッチアップしてみてどうでした？
齋藤 五ヶ谷選手は本当にガツガツとインサイドでプレーしてきて、ジェイコブス選手はアウトサイドがメインで、最初はスリーポイントが入ってなかったので、その時に試合を優位に進められなかったのは反省としてあります。 個人としては前半でファウルを３回してしまって、悔いは残りましたね。
宮本 確かにファウルが多くて個人としてもチームとしても苦しい状況になりました。 単純に実力でやられたなという感じなのか、それとも越谷U18として初めての大会で浮き足立ってしまったのかな？
齋藤 そうですね。どちらの選手にもフィジカル面では勝てるという手応えはありました。 ただ、ジェイコブス選手は最初にスリーポイントがこなかったので、そこを少し捨てて守っていたんですけど、途中から入り始めたので……。 もうちょっとハードについて、抜かれてもいいと切り替えるのもありだったのかなって思いますね。
宮本 高校レベルだとジェイコブス選手のように 200cmでガード登録の選手はほぼいないと思うんですけど、そこでの経験はその後の練習に良い影響をもたらしました？
齋藤 それはすごくありますね。 横浜に負けてから僕だけじゃなくて、チーム全体の練習に向かう気持ちがかなり変わりました。 それに大学だと大きい選手もアウトサイドでプレーしてる選手が多いので、すごくいい機会になったと思います。
宮本 大学の話が出ましたが、関東1部の大東文化大学に進学すると伺いました。コーチの西尾（吉弘）さんとはどんな話をしたんですか？
齋藤 越谷U18に入って１ヶ月くらい経った時に、西尾さんが練習を見にきてくれて、ちょうど３番、４番のリクルートがしたいという話でした。西尾さんからはドライブからパスアウトできる広い視野を持った選手を探していると話があって、そこを意識していたら、自分に可能性があると声をかけてくれて、すごく嬉しかったです。その期待に応えられるように今も練習していますし、早く大学の練習に参加したいなと思っています。
宮本 越谷U18に入団する前も、大学でプレーしたいと思っていたけど、そこにたどり着くための考えはあったんですか？
齋藤 正直、関東１部の大学に進学することは考えていなくて、関東２部の大学の練習に参加させてもらっていました。 でも、越谷U18に来てからは、できるなら高いレベルでやりたいと思うようになりましたね。
宮本 大東文化大学への進学が決まって、これからどんなビジョンを思い描いてますか？
齋藤 早くプロの舞台に立ちたいです！ 大学でも、特別指定選手のオファーをもらえるように努力して、早くプロの舞台に行きたいです！
宮本 将来は越谷に戻ってきてプレーしたい気持ちはありますか？
齋藤 それはもちろんです！ 青野（和人GM）さんとも話していて、やっぱりプロの舞台で自分の地元に帰ってくるのは、ひとつの夢でもありますし、早くプロの舞台に立ちたいです！
宮本 すごく思いが伝わってくるね！ 参考にしている選手はいますか？
齋藤 たくさんいますけど、大東文化大学だと中村拓人選手（３年）のマインドの部分をすごく尊敬しています。 練習に参加させてもらった時に、気さくに話しかけてくれました。 チームの中心選手でもありますし、色んなところが見えててすごいなと思いました。 後は越谷のトップチームの鎌田真選手ですね。
宮本 鎌田選手は年齢もほとんど変わらないよね？
齋藤 そうなんですよ。 21歳であの舞台で活躍してて、スタメンでも試合に出てますし、結果も残しているのは本当にすごいです。
宮本 年齢の近い選手が実際にプロで活躍しているのは刺激になりますよね。 最後のインターナショナルカップへの意気込みをお願いします。
齋藤 これまで全く結果を残せてないなかで、今回越谷アルファーズU18から２人選出されているので、頑張るだけじゃなくて、結果で越谷アルファーズや自分の存在を証明できるように、そして、応援してくれる皆さん、貞憲コーチにも還元できるような舞台にできればなと思います。
文・写真＝宮本將廣
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