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『ダブドリ Vol.3』 インタビュー01 西村文男(千葉ジェッツふなばし)

2018年5月31日刊行(現在も発売中)の『ダブドリ Vol.3』(ダブドリ:旧旺史社)より、西村文男選手のインタビューの冒頭部分を無料公開いたします。なお、所属等は刊行当時のものです。

“サブカル王子"の異名を持つ西村選手にダブドリ編集長大柴がインタビュー。バスケのみならずアニメ、ファッション、グルメその他幾多の趣味を語り尽くします。

『コードギアス』は主人公の生き様が好きです。捨てられ、飛ばされて、悲しい過去から這い上がって最後まで行くっていう。最後の終わり方が好きで大ファンになりましたね。

※このインタビューにはアニメ『コードギアス』シリーズのネタバレが含まれます。

大柴 僕、西村選手にインタビューできるってことで、一番お好きだという『コードギアス』を観てきたんですよ。
西村 おお。
大柴 2月の5日位でしたよね、このインタビュー決まったのって?
西村 はい。
大柴 そこから観ると決意して。
西村 50話ありますけど。
大柴 そうなんですよ。とりあえず1シーズン目の25話観たら、全然話が完結しないから、やべえっつってまた25話見て、合計50話を3週間で観ました(笑)
西村 ええ、凄ーい。
大柴 いやあ、面白かったっすよ。
西村 あっ、面白かったですか。
大柴 はい。一気に観れますね。っていうか、各話のお尻で話が急転するから、何か観ないと気持ち悪くなりますよね。
西村 いや、そうなんですよね、はい。今、映画やってるんですけども、自分も今週初めに観に行って。
大柴 そう言えば映画やってますね。映画はアニメとまた違うんですか?
西村 いや、なんかギュッて詰めた感じですね。
大柴 ああ、なるほどなるほど。『ガンダム』パターンですね。
西村 そうですね。凄い好きで、あれが。
大柴 3月に出た『千葉ジェッツふなばし 熱い熱いDNA(東邦出版刊。以下、DNA)』でも『コードギアス』のお話をされてましたよね。戦術と戦略の話がバスケに通ずるってお話をされてたので、その話はちょっと後に取っといて、先に『コードギアス』の話をしようかなと思いまして。
西村 フフフ、はい。
大柴 なんか色んな側面があるじゃないですか、あの物語って。普通の学園モノのように恋愛したり。政治の話なのかなあと思ったら、今度は神話っぽくなっていったり。
西村 そうそうそう。
大柴 西村さんが思う『コードギアス』の魅力っていうのは?
西村 いやあ、もう、あの主人公(ルルーシュ)の生き様が凄い好きで。捨てられ、飛ばされ、悲しい過去から這い上がって最後まで行くっていう。あと、最後の終わり方が好きで、大ファンになりましたね。
大柴 ああ、そうなんですね。
西村 そうです。ただハッピーエンドで終わるだけじゃなく、ああいう終わり方をするんだっていうのが凄い。基本バッドエンドなアニメが好きなんですよ。その中でも『コードギアス』は特に好きです。
大柴 最後、バッドエンドなんだけど、若干ハッピーエンド感もありますよね。最後ルルーシュのことを分かってくれる人達もいて。
西村 そうですね。世界としてはハッピーエンドなんですよね。ただ、主人公個人にしてはバッドエンドという。
大柴 なるほど。じゃあ好きなキャラクターはダントツでルルーシュですか?
西村 はい、もう主人公が大好きです。
大柴 他には、女性キャラとかだったらどうですか?
西村 博士の助手のセシルさんのキャラと声が好きですね。出てくる子、基本重たい人が多いんで、彼女位の方が良いです。
大柴 確かに、そう言われてみると重いキャラクター多いんだよなあ。ニーナとかメッチャ重いですよね。
西村 ニーナはそうっすね、重いっす。後カレンもそうだし、シャーリーもそうだし。
大柴 これ、気をつけて喋らないとネタバレしちゃいますね。ネタバレ含みますって最初に書きましょうか(笑)。
西村 良いですね(笑)。書いて貰えれば全部喋れますので。
大柴 フッフッフ。書いておきます。今名前の出たシャーリーなんですけど、シャーリーの記憶を消した時は超切なかったっすねえ。
西村 ああ、分かるー。
大柴 何か変な話、死んだ時よりギアスかけた時の方が悲しかったです。
西村 いやあ、分かるー。で、また思い出してロロに殺されて。あの子の人生も中々ですよね。思い人とくっ付けずに。
大柴 お父さんも死んじゃうし。
西村 いやあ、そうなんすよ。両親殺した奴のことがまだ好きって言うから、もう重過ぎて。
大柴 確かに重い。
西村 凄えな、このアニメと思った位です。
大柴 そうそう。作者も凄いっすよね。シャーリーを2度殺してるようなもんですもんね。
西村 いや、そうなんですよ。発想が凄いっすよ。ユフィもそうですし。そう言えば自分、ユフィも好きです。ギアスの暴走の後の「さよならユフィ。多分、初恋だった」の辺りで、ウルッとくるんですよ。
大柴 印象的なシーンですね。確か新しいシリーズが出るんですよね?
西村 そうなんです、続編が出るので。今映画で総集編やってるのはそのためです。
大柴 ああ、そっか。でもちょっと怖いっすよね。『R2』でルルーシュが死んで綺麗に終わってるじゃないですか。
西村 そうそう。だから全然違う話なのかな、とも思ったりするんですけど。『亡国のアキト』っていう映画で全然違う話もしてたので。
大柴 『アキト』って映画なんですね。
西村 『アキト』は映画です、全5話の。
大柴 確か設定が、ルルーシュが記憶を書き換えられていた期間の話でしたよね?
西村 そうそう。その間の全然違う国のお話です。ルルーシュもちょっと出てきますけど。
大柴 あっ、ルルーシュは主人公じゃないんですか。
西村 そうです。1時間半から2時間の映画の中の、30秒位しか出てこないです。ちょっとルルーシュを出して、匂わせて終わるんですよ。主人公、全然別にいて。それも面白かったですね。
大柴 ルルーシュ好きの西村さんが『アキト』も好きなのは、大したもんですね。
西村 いやあ、だからもう本当に、あの作品全部面白いと思って。次出るのもちょっと楽しみは楽しみなんですけど。
大柴 ああいうアニメって最初っから脚本は全部決まってるんですかね?
西村 決まってないと描けないんじゃないかなって思います、うん。
大柴 やっぱりそうですよね。僕、ヴィレッタとジェレミアが良い味出してるなあって最初思ってたんですけど、まあどうせすぐいなくなるんだろうなと思ってたら、最後まで超重要人物として残ってて。
西村 いましたね、うん。
大柴 作者が気に入ったから、こいつらは使い続けようと思ったのかなあとか、邪推してみたり。
西村 作者の方の発想が分かんないですよね。俺、オレンジ(ジェレミア)も好きで。ルルに最初やられて、オレンジって名前を付けられたけど、結局ルルーシュに忠誠を誓うじゃないっすか。衝撃的で。
大柴 確かに。
西村 あんなボコボコにされて。
大柴 半分サイボーグになったのに。
西村 そうそう。それで「ギアスを解除する目ができた」とか言ってて、どうすんだと思ったら仲間になってたから。あの展開も面白くて。
大柴 あれもどう捉えるか結構、人によって違うと思うんですけど、オレンジだけじゃなくって、他のシンクーとかギルフォードとかも皆それぞれに忠誠心があって、何度か戦闘シーンで涙出そうになりました。
西村 そうっすね。シンクーと言えば、ルルーシュがシンクーに作戦負けするんですよ。ああいうのも好きで。負けたりするのも。

元々は俺も富樫みたいに自分で点を取りに行くタイプだったんです。でもこのチームにはどういうガードが理想だろうと考えた時に今のスタイルに辿り着きました。

大柴 なるほど。それでは丁度戦闘シーンの話になったので『DNA』でおっしゃっていた話に入りましょう。何か台詞を引用されてましたよね?
西村 「常に戦局を左右するのは、戦術ではなく戦略」だってやつですね。
大柴 で、それがバスケにも当てはまると。
西村 はい。良くあるのが、主人公がロボットに乗ったりすると、そのロボットのスペックを上げて強くなるんだけど、『コードギアス』って違うじゃないですか。
大柴 違いますね。
西村 ルルーシュはあんま乗らずに周りに指示を出してる。そういうところも凄い好きで。俺、熱血好きじゃないんですよ。
大柴 アハハハハ。
西村 『幽遊白書』で言えば浦飯幽助みたいな。ああいうのあんま好きじゃないんですよね。頭使って勝つようなスタイルの人が昔から好き。
大柴 ああ、でも『幽遊白書』って結構熱血系多いっすよね。飛影とかも隠れて特訓してたし。
西村 はい。だから、蔵馬的な存在が好きで。
大柴 ああ、なるほど。
西村 頭使って勝つみたいな。単純って言い方もあれですけど、ただ主人公が修行して強くなるとかいうよりも、自分は強くはないけど、周りを上手く使って倒すみたいな、あの感じも凄い好きです。
大柴 はい。あのアニメ観てて思ったんですけど、西村選手のプレーと富樫(勇樹)選手のプレーって、まるで違うじゃないっすか?
西村 まるで違いますね。
大柴 フフフ。なんかルルーシュとランスロットっていうイメージが(笑)。
西村 ハハハハハハハ。ああ、そうですね。
大柴 西村選手は、最大限周りの駒を使う感じがありますよね。例えばトランジションでも、西村選手自身、トランジションオフェンス上手いのに、全部ボール要求しにいくのかっていったらそうじゃなくて、(ギャビン)エドワーズ選手とか(レオ)ライオンズ選手とか小野(龍猛)選手とか、ハンドリングできるビッグマンが持ってたら、あえてもらいに行かないで、スーッとサイドに行ったり。ハーフになっても千葉って、ビッグマンのツーメンゲームが強力じゃないですか?
西村 はい。
大柴 ビッグマンがツーメンゲーム始めたら、スススーッと西村選手が逆サイドに行って、気付いたら小野選手、石井(講祐)選手、西村選手という全員スリーが打てる凶悪な布陣が待ち構えてたり。そういうの見てるとまじでルルーシュっぽいなって(笑)。
西村 いや、嬉しいです、はい。
大柴 『DNA』でもバスケIQについてはかなり自信があると発言されてましたね。
西村 はい。そこに関しては、自信はあるんですよね。
大柴 逆に富樫選手って、本当にランスロットタイプで、トップからの突破力が半端じゃない(笑)。
西村 彼は本当にランスロットのスザクのような、ガッて1人でこじ開けれるタイプですね。でもそれはそれでやっぱ強いですし。
大柴 凄いっすよね。実は西村さんのプレーを初めて生で見たのが『ダブドリ vol.1』を現地販売してた時で、初日渋谷が勝ったんすけど、2日目、西村選手が大活躍して千葉が勝ちまして。その時はバスケ知らないバイトの女の子とかに「あれが日本代表の富樫さんだよ」とかって言ってたら、代わった西村選手が大爆発してて、それが超インパクトでかかったです。
西村 本当ですか(笑)。まあ自分も若かりし頃は富樫タイプだったんです。
大柴 え、そうなんですか?
西村 あまり周りにパスせずに、自分が点取りにいくタイプだったんです。まあ経験積んだのと、このチームにはどれが理想かなって思った時に、今に辿り着いたという。うちのチームは、スター性のある選手もいるし、個々の力を上手く引き出せば多分どこででも点が取れるタイプなので。
大柴 確かにそうですよね。でも日本代表戦とか見てると、昨日、富樫選手がいなかったじゃないすか? 
西村 ああ、はい。
大柴 いてくれたらなあってすごく思いました。
西村 そうですね、突破力が欲しかったでしょ。
大柴 そうなんですよ。
西村 試合観てないから分からないですけど。
大柴 あ、観てないんすか。
西村 はい。
大柴 ハッハッハ。あんまりご覧にならないんですね
西村 一試合も観てないですね。
大柴 ハッハッハッハッハ。
西村 だからまあ、分からないですけど突破力が要るだろうなとは思います。
大柴 そうなんですよ。やっぱりB.LEAGUEにおける千葉ジェッツと違って、日本代表って個人能力で勝てるポジションが少ないので、ランスロット欲しいなと思いました。
西村 ランスロットも欲しいし、ルルーシュ的な選手も欲しいだろうなとは、思いますね。
大柴 先程代表の試合を観てないっておっしゃってましたけど、ルルーシュ西村は日本代表は興味無いんですか?
西村 厳密には帰化枠なんですよ、俺。だから、多分呼ばれることはないかな、と。
大柴 えっ、帰化枠なんすか。
西村 はい。もともと韓国のハーフで。おかんが日本人なんですけど、結婚する時に韓国籍を取っちゃったっていう。
大柴 あっ、そういうことですか。
西村 今、色んなチームの外国籍選手が日本国籍にしようとしてる中、俺が監督でも俺は採らないなと思う。
大柴 アハハ。
西村 帰化枠にしちゃあ、弱えーなと(笑)。
大柴 ハッハッハ。まあ、どうしても帰化枠はインサイド欲しいですもんね。話を千葉に戻しますが、日本を代表するランスロット富樫とも、ルルーシュ西村が互角にやってるのが面白いなあと思います。
西村 本当にそういう意味では味が違うので、見てる方も楽しんでもらえるかなあとは思いますよね。

ふーみん先生締め用

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この後も、怪我で欠場していた間のことやニコル君、洋服やゲームなど幅広いトピックについて語ってくださっています。続きは本書をご覧ください。

#バスケ #バスケットボール #Bリーグ #千葉ジェッツふなばし #西村文男 #コードギアス #ダブドリ

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