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エンドラインからの景色 vol.35 U18日清食品関東ブロックリーグ サンロッカーズ渋谷U18の挑戦 大森康瑛インタビュー

 エンドラインからは選手たちの熱く激しいプレーや、そこからしか見えない表情がある。ダブドリ編集部が撮影した中から厳選し、写真とともにゲームを振り返っていく。vol.34からvol.36までは特別編として、Bユースとして初めてU18日清食品関東ブロックリーグに参戦しているサンロッカーズ渋谷U18の森茂ヘッドコーチ(vol.34)、大森康瑛選手(vol.35)、松下湊人選手(vol.36)に初戦、拓大紅陵戦後(9月24日)インタビューをさせていただいた。歴史的一歩と悔しい敗戦から見えた彼らの挑戦の大きさとその中での葛藤に迫る。(写真・文 = 宮本將廣)

宮本 悔しい敗戦だと思いますが、初戦を終えてどうですか?
大森 本当に悔しいです。試合をいい感じに進めることができて、このチームの課題であるゲームの入りもそこまで悪くありませんでした。第4クォーターで9点のリードを作ったにも関わらず、相手に流れを渡してしまって、そこから立て直すことができませんでした。最後も自分がシュートを決めきれずに負けてしまったので本当に悔しいです。
宮本 序盤のいい流れを作ったのは、大森選手のミドルジャンパーでした。正直、点差が離れてもおかしくなかった展開の中で、大森選手のスコアがゲームをつなぎましたが、そこは入りを意識をしていたという感じですか?
大森 そうですね。負けてしまう試合はいつも最初にリードをされて追いかける展開になってしまうので、ゲームの入りからスコアを狙っていこうと思っていました。

宮本 プレッシャーをかけたいわけではなく、事実としてBユースのチームがこの大会に参加することは、かなり大きな意味を持っています。大森選手としてはどのようにこの大会を捉えていますか?
大森 昨年から東京都リーグで東京都の強いチームと対戦してきました。その中で他県のウインターカップ代表を狙うようなチームとやらせてもらう経験はあまり多くなかったので、そういう学校と真剣勝負をできることが楽しみです。あとはやっぱり高校バスケとBユースのバスケの違いやBユースの存在価値を示す上でも、勝ちにこだわらないといけないという考えは持っています。ただこの初戦に関しては結果としてBユースの良さ、サンロッカーズ渋谷U18の良さを全ては出しきれなかったと思います。
宮本 良さを出しきれなかったという部分も含めて、このゲームにも勝負所が何度かありました。そしてそれを掴みきれなかったという印象です。例えば、第4クォーターで9点リードしたところで勝負を決め切ることもできたけど、むしろそこで相手に流れを渡してしまった。その要因はどの辺りだと感じていますか?
大森 9点リードしてタイムアウト後にターンオーバーからスリーポイントをやられた展開はもちろん良くなかったんですけど、僕としてはそこまでの過程が要因だと感じています。個人としてもディフェンスの集中力が切れてしまい、簡単にスリーポイントを打たせてしまった場面がありました。9点リードする前にもっと点数を離せる場面があったと思うし、試合を通してディフェンスの強度をもう少し上げる必要があったと感じています。相手はピックのディフェンスをすべてアンダーしていたのに、自分たちが自信を持ってシュートが打てずに確率が低くなってしまった。入るかどうか以上に打ち切る気持ちの部分は意識で変えられると思うので、そこはチームで話し合いたいと思います。

宮本 印象論ですけど、序盤は大森選手にボールが集まってスコアを重ねていったけど、試合が進むにつれて、「誰が打つんだ?」みたいな時間があったと感じました。僕の感覚では大森選手がサンロッカーズ渋谷U18のエースとして、もっとゴールに向かっていく必要性があるんじゃないかなと思ったんだけど、その辺りはどう考えていますか?
大森 そこは、そうですね……。確かに後半はもうちょっと自分がボールをもらって攻めればよかったかもなとは感じています。
宮本 おそらくボールシェアをしっかりして、ピックアンドロールを絡めて、アドバンテージを作ってシュートを作り出そう。そういうチームのフローを大切にしていると思うんですが、こういうシーソーゲームになってくると誰かがビッグショットを決め切らないといけないことも事実だと思います。誰がこのチームのエースなんだ、それを示す必要がある時って絶対にある。それは僕からすると大森選手しかいないよねって感じています。
大森 自分がエースとして得点を取ることも大事にしつつ、今、一番心掛けているのはキャプテンとして不用意なミスをしないことなんです。昨年も一昨年も自分がターンオーバーをして流れが悪くなってしまうことが多かった。もちろんそれはシュートに対する積極性が失われているという捉え方もできると思います。表現が難しいですが、自分がミスをすることの影響力の大きさを感じているので、そこのバランスが……。うん、でも、そうですね。確かに後半はもうちょっと自分が攻めた方が良かったかもしれないです。
宮本 そこは個々人の感じ方、見え方があるから大森選手の今の考えを知れたことが僕にとってはすごくポジティブなことです。大森選手が考えていたことを知った上で思うのは、9点リードして相手がギアを上げて追いつかれてきた時に、サンロッカーズ渋谷U18の選手はコートの中でヘッドダウンしてしまった。その時にメンタル面でもっとチームを鼓舞できればよかったなっていうところが一番の反省なのかなと感じました。
大森 そうですね。そこは一番反省しないといけないところだと思っています。ハドルを組むこともできたし、声をかけることもできたと思います。どんな方法であれ、ターンオーバーを1回で止めることができれば、最後までリードしたままゲームを進めることができたと思います。次にそういう場面が来たら、もっとチームを引っ張れるようにしたいと思います。

※次回は松下湊人選手に続きます。

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