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インターン運営は、同じ日をやり直す【いろはのわ第二期始動】

過去に戻って、何度もやり直す「タイムリープ」。
やり直しているかのような淡路島でのインターン運営は、今回の4回目が最期のチャンスかもしれないと思っています。

※この記事に書くことはあくまで運営側である私の、個人的な見解にはなるのですが、インターンする側、受け入れ側、運営側、どの立場の人にとっても興味ある記事になるようには心がけたいと思います。
※「いろはのわ」についてはこちらから。

◎「いろはのわ第二期」始動にあたり

さて、私たちが運営する「いろはのわ」は、淡路島をまるごとフィールドとしたユニークな長期インターンプログラム、と謳っています。いろはのわの前身のインターンから通算すると4回目にあたる「いろはのわ第二期」が、2月より始まる運びとなりました。

それがなんだか今回のインターン運営は、タイムリープして今度は間違えないようにと、いっこずついっこずつ確かめながらやっている感覚なんです。自分がしてきた失敗を灯りに変え、理想の未来にたどり着くんだと。そう思うのは、「自分の中に理想は描けているのに、何度やってもその未来にたどり着かない…!」という意識があるからだと思います。

◎「いろはのわ第二期」を始めた本当の理由

3回目までのインターンがすべてバッドエンドだったというわけでは決してなかったのですが、当初の自分の期待を超えたかという意味では、満足のいくものはあまりありませんでした。なにが悪かったのか。原因は様々あれど、漠然と、企業やインターン生や地域が持つポテンシャルを最大限に発揮できる環境を自分たちがデザインできなかったという感覚はあります。

そもそもなにか思い違いがあるんじゃないか?どのタイミングでなにを見逃した?きっと、ここで終わっちゃもったいない。まだまだやれることがあるはずだ。これが最期のチャンスかもしれない。そう思って、もういいんじゃないかと一度は辞めようと思った4回目の旅を、正解を拾い集めるように進もうと決意しました。

◎3回目(第一期)と4回目(第二期)で変えたこと

上手くいったことは3回目をなぞり、上手くいかなかったことはなるべく根本の部分から見直すことにしました。

3回目で一番上手くいったのは、やはりフィールドワーク。それがその後の事務局とインターン生の信頼関係、互いに相談し合うインターン生コミュニティの形成に大いに貢献したことは間違いありません。反対に、インターン期間が短くなったことで期間内に成果が出にくくなり、企業の満足度も低くなってしまいました。最後にはきちんと形を成すことが成功の鍵となる。様々な可能性を考え、次の2つのことを変えることにしました。

変えたこと① 事務局メンバーを一新

いろはのわで目指す理想の未来では、企業とインターン生がお互いの希望や願い、強みや弱みも全部持ち寄ることで、頭で描いていただけの最高な光景がいくつも本当に実現している。そしてそれに関わった人たちがそれまでの活動を思い出して笑い涙し、全員が全員を心から称え合い、感謝し合っている。

まずはこの未来を本気で信じ、心からわくわくする人でないと、同じ未来のつくり手にはなれない。一部だけに合意している人や、根底の価値観が合っていない人をチームに迎えることは、つぎはぎをつくる行為であり、これだけの未来を目指す重みには耐えきれないというのが自分の考えだった。実際それでは誰も幸せにならないのだから、第一期の事務局メンバーの中で異なる未来を自分の中に秘めていた人は、それぞれで活動することにした。

特に一部だけの合意であったきしもん(第一期より運営に参画し、2社を担当)については、その役割に強く境界線を引いた。時に冷酷と思えるほどに。それだけ自分は、いろはのわを守ることに必死だった。純度100%じゃないと、自分がやる意味がないのだから。(そんな中でもきしもんは、きしもんにしか創造できなかっただろう役割をやってのけたのだから、本当に感謝と敬意を示したい。)

そして新しい事務局メンバーに、かつては事務局とインターン生という関係性であった、りおさん(1回目のインターン生)ともえり(3回目のインターン生)をチームに迎えた。2人を引き抜いたことは、後々いろはのわに大きな影響を与えることになる。

いろはのわ第二期 事務局メンバー
(左から、きしもん、もえり、りおさん、だば、ぴっぴ、えみさん)

変えたこと② 自分の頭の中をさらけ出す

インターン生の募集にあたり、まず企業担当者と事務局でプロジェクト設計を行う。ところがいざプロジェクトが始まると、企業もインターン生も、最初に設計したビジョンと大きく離れた活動になってしまったり、ビジョンを忘れてとりあえず目につく活動をするだけになってしまったりということが起こってばかりだった。

画はいくらでも描けるのに、頭の中では完璧な画ができているのに、なかなかそれがそのままに実現することはない。思った通りに人が動かないのがよくないのか。いや、人を自分の思い通りに動かそうとするのではない。自分がなにか変わらないといけない。そこで気がついたのが、ビジョンのようなイメージレベルのものを共有するときの解像度だった。

プロジェクト設計のときに、自分が「これだ!」とピンときたビジョンイメージは、企業担当者も全く同じイメージでピンときていると思い込んでいた。プロジェクトが始まってからの活動イメージも、自分の頭の中の風景そのままにインターン生に伝わっているものだと思っていた。これがおかしかった。まだ見ぬ世界を語るのに、なぜ普通の会話で同じ世界を見れていると思っていたのか。50%の解像度でしか共有できていないから、残りの50%はそれぞれが勝手に補完している。それがわかると、自分の頭の中のイメージが実現しないと言っているのが、馬鹿みたいに思えてくる。

決して、すべてを自分の思い通りにコントロールしたいとかそういうわけではなく、企業やインターン生が最大限以上のパフォーマンスで輝ける舞台をデザインしたいという意味で、頭の中のイメージをぜひ実現したい。そのために、今回から企業とのビジョンの共有は図を使うようにした。もちろんこの図はインターン生にも共有し、活動のポイントをまとめた資料も配った。具体的な活動イメージについても、言葉ひとつで伝わった気にならず、必ず参考イメージや細かなニュアンスの指示、具体例の提示など、あるゆる手段を用いて丁寧に共有した。実はこの手法こそ、新しくりおさんともえりの2人と活動する中で編み出され、磨かれたものだった。2人が「あなたの頭の中なんてわからんよ」と呆れつつも何度も教えてくれたから、ここまで丁寧に伝えなきゃと思えた。本当にありがとう。

図や資料を使って、言葉で伝えきれない頭の中を表現する
活動上の小さなコミュニケーションにおいても、
意識的にイメージ写真や参考URLを添付するように

◎運命を分ける4回目のタイムリープ

そんなこんなで4回目のインターンが始まりました。今回の企業は、地域ごと巻き込むエリアブランディング的なプロジェクトが多い気がします。インターン生は、さまざまな施策の甲斐もあって、成果を出そうとするような真面目さがありつつ、分析が得意な人が多い印象です。この企業とインターン生となら、緻密に計算された、地域にインパクトを与えることをやれる気がして、とても楽しみです。

いろはのわ第二期 地域色が強い3つのプロジェクト

いろはのわの出発点は、若い事務局だからこその世間知らずなピュアな疑問なのかもしれません。「なんでやりたいと思うことをやらないの?」「みんなが理想に向かってお互いを活かし合いながらやればいいだけじゃん!」そんなピュアな理想は思ったよりも険しい道のりで、いかに利害関係や人の弱さや言葉の脆さがあるかを突きつけてきます。でもそんな全体像が見えたのなら、逆に、できるんじゃないかという思いがしてきます。

――3回もインターンやったのだから、もう繰り返さなくていいんじゃない?もうこれ以上は無理なんじゃない?これくらいが潮時じゃない?

いや、自分たちが信じる未来は、まだ全然実現していないだろ。100回やってから言うならまだしも、まだたったの3回。ここで辞めずにさらなる理想を目指したからこそ、その先には関わった人みんなが本当に幸せな未来が待っていると思うんです。

今回上手くいかなかったら、インターン生も企業もあまりにピュアすぎるいろはのわの未来をもう信じてくれないかもしれません。3回目までのすべてを糧にして、今まで以上にひとつひとつの行動を大切に。それが私の4回目です。楽しみだ!

さの小プロジェクト(2/17フィールドワークより)
沖物産プロジェクト(2/18フィールドワークより)
タコステプロジェクト(2/19フィールドワークより)

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