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地方中小卸売業にDialpadを導入した話(前編)

 初めての記事なので昔のことから時系列にキレイにアウトプットを!とも思ったのですが、完璧を求めるより「Just Do It」ということで直近のお話を。※JustDoItおじさん好きでした
 今後続けていけるようだったら昔話や趣味など投稿出来たら良いなと考えています。


はじめに

 前編は地方中小医薬品卸売業にてDialpadを導入した際の、企画~稟議について記載しています。どういった経緯でサービスを選定しどのように会社内で稟議を通したかというビジネス寄りの内容になります。
 後編では、Dialpadを導入する際の準備~導入、導入後の運用について記載しています。社内展開のための準備、教育・運用の仕方、おすすめの設定方法などテクニカルな部分を含んだ内容になる予定です。

企画

動機

 会社全体のメリットなどは下記のプレゼン&社内コンセンサスにて記載しますが、IT管理者としての狙いは「固定電話があるがためにスムーズに流れていないオペレーションの改善」でした。
 弊社では社内コミュニケーションのためにMictosoftTeamsが導入されているのですが、得意先からの受注や問い合わせは各席に設置されている固定電話で受電していました。そのため、通話のための機器がPCと固定電話の2つありました。人によっては確実に電話に出てもらえるから、と社内通話であっても固定電話にかけてきてしまい得意先からの電話が取れない、といった問題も発生してしまいました。

固定電話を無くす!という意思

 また、タイトルにもありますが『地方中小企業』でサービスを展開する場合には、BCPやテレワークのためと言っても正直理解されにくいです。必ず以下の様な「ユーザーが楽になるために」という観点が明確になっていないと受け入れられないというハードルがあると私は考えています。どうしても会社の戦略といったマクロより自分の仕事のしやすさというミクロが重視される傾向にあるように感じます。

  • PCで外線電話が受電できるようになると、基幹システムで在庫状況をスムーズに操作しながら会話ができる

  • Teamsで通話するためだけにヘッドセットを装着する面倒臭さが無くなる

  • 固定電話が無くなった分デスクが広く使える→デュアルディスプレイも用意しますor大きくします

 そのために「ソフトウェアフォンの有無、利用しやすさ」といった点もサービス選定で重視しています。
 ※そもそも電話によるコミュニケーションから脱却できておらずチャットによるコミュニケーションを推進すべき、という根本原因は認識しています。それは次回の課題に…。

リサーチ

 導入するにあたり以下の内容を基準に各社比較表を作成しました。

  • 機能:ソフトウェアフォンの有無、UIのわかりやすさ、全社共通の電話帳を持っているか

  • コスト:オンプレPBXのコスト感から乖離しすぎていないか

  • 0ABJ対応可否:長年得意先に公開してきた電話番号を変更することは、地方の中小企業では致命的になりかねないため番ポ必須

 粒度に差はありますが30社前後をリストアップすることになり、クラウドPBX(CTI)がこんなにたくさんあるとは・・・と驚愕しました

選定

 全ての基準をクリアしているサービスはなかなかありませんでしたが、『Diappad』が0ABJに対応されたことにより基準をクリアし、採用いたしました。

 特に以下の内容により採用できないと判断したサービスが多かったです。

  • 0ABJに未対応or対応したい場合には各事務所にアダプターを設置する必要があり、レンタル料でコストが増大する

  • ソフトウェアフォン、電話帳が自前ではなくPHONE APPLI PEOPLEを別途契約する必要がありコストが増大する

  • 提供エリアが対象外(関東圏のみ)

 ※以下サービスが最終検討候補でした。今後もサービスの動向を追い続けDialpadからの切替を選択肢として持ち続けたいと考えています。
 ■TeamsPhone、UniTalk、CiscoWEBEX、ZoomPhone

プレゼン&社内コンセンサス

 動機に加えて、上の人への説明については当然定量的なコスト、メリットの説明が必要となります。至極当然かもしれませんが以下のポイントを説明し理解を得ました。

 ①コスト:オンプレPBXをリプレスした場合とのコスト比較
 →導入コストとランニングコストを、それぞれ5年運用想定で比較しました。オンプレPBXは5年リースで償却想定が妥当でしょうと。さすがに償却が終わり再リースまで考慮してしまうとオンプレには勝てないことも正直に。
 ②リスク:半導体不足により機器が確保できない問題
 →今のご時世はこれが一番強い理由かもしれません。実際現行機種の修理自体も半年先、後継機を購入したくても物がありませんという状況をメーカー回答を元に説明しました。
 ③通話料:社内通話による通話料
 →過去半年分の全社員の通話履歴から会社代表電話との通話料を抽出。正直、労力の割には大した金額ではありませんでした。がそれだけの通話時間を社内(架電側受電側双方)で使用していることを明らかにすることで、今後のチャットコミュニケーション推進の種蒔きになることも期待し調査・報告しました。

まとめ?

 ・中小企業で何かを変えようと思ったら、エンドユーザー向けに明確なメリットを提示できると導入に向けたハードルが下げられる、かもしれません。
 ・中小企業では決裁者に近い立ち位置で提案できるので、今より支出が大きく変わらないことを提示できるとよっぽどのことが無いと反対はされない、様に普段から根回しをしておきましょう。


 また、採用したDialpadですがサービス自体は問題ないのですが、方々で言われているように手続きの面倒さや某ソフトバ〇クさんの対応の悪さなど問題点はしっかりと味わいました。もしかしたら後編にて漏れてしまうかもしれません。

以上

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