見出し画像

クセ = 目に見えないシワ

歳をとるにつれて、やたらと頑固になって行く人を時々見かける。

うちの父親は、やたらと運転にこだわるようになった。駐車した時に大して曲がっていないのにわざわざ止め直したり、高速道路ではそんなに急いでいるわけでもないのに、前に車がいると抜かそうとする。

僕はたまに実家に帰った時くらいしか父親に会わないから、その様子が気になってしまうのだが、母親はあまり気にしていないようだ。

自分の中でも似たようなものがある。人混みを歩くことが20代前半くらいまでは、苦手ではあったけど許容できていたのに、今はさらに苦手になった。

過敏になっているのかもしれないけど、とにかく「もう無理!こんなところにいたくない!早く帰りたい!」と思うことが増えた。感情というよりそういう衝動に駆られる。

だから、なるべく避けるようにはしているけど、人が多い場所へ行く機会はなんだかんだで発生しがちだ。

物事の好き嫌いとか判断基準、価値基準って、大人になるにつれて、ある程度寛大になる気がしていた。寛大なのが大人な気がしていた。

でも、実際にはそれだけではなく、逆にこだわりが強く頑固になってくる部分もあるのだと最近思う。

昨日の記事に書いた村田さんの「きれいなシワの作り方」を読んでいて思ったことがある。

「シワ」とはつまり、長年の「クセ」のことだ。毎日、険しい顔でいればどんどん眉間にシワが出来る。

父親の車の運転や、僕が人混みで感じる衝動もこの「シワ」のような物なのかもしれない。

毎回、駐車の時に角度を必要以上に気にしていたり、人混みに行くたびに嫌だ嫌だと感じていたり。そうしているうちに、そこにシワが出来てくるのだ。

だとすると、「きれいなシワ」というのは、村田さんの本では「笑った時にできる目尻のシワ」や、「ネックレスのような首のシワ」と見た目について書かれていたけど、単に見た目の話だけではなく、思考や行動、言葉遣いなど「目に見えないシワ」も含まれるのではないか。

そういう「きれいなシワの作り方」を考えていきたいものだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?