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美容室のKPI設計。ホットペッパー/Googleマイビジネスを利用した集客とそのリピート率。PB化の未来。 #クラウドサインNOW

以前にも美容院のサブスクリプションビジネス化で美容院経営について掘り下げたことがありました。日頃、消費者として利用していることからも馴染みがあり、今回はより掘り上げてみようと思います。

特に店舗経営SaaS「クラウドサインNOW」事業を開始してから店舗経営を俯瞰して見れるようになり、一層美容室経営の特徴が理解できるようになりました。

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美容室は在庫が比較的必要のないサービス提供型のビジネスモデルで、受注までのプロセスのない来店型ビジネスです。受注までのプロセスが長い業態ではないですが、来店までの集客に広告宣伝費がかかるため、来店後の客単価を上げるサービスの向上とリピート率の向上がビジネスの根幹に関わります。

かんたんに事業構造とPL構造を紹介

まず見るべきはPL構造です。PLを見ればその業態のビジネスモデルを理解することができます。

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もちろん美容院の店舗によりバラツキはありますが、一般的な美容院のPL構造は上記のとおりです。売上高の構成は「客数×客単価」のシンプルなものですが、カットは50-60%程度で、カラー、パーマ、トリートメントなども重要な割合を占めています。そのため、基本的にはカラーやパーマの利用率の高い女性の方が客単価が高くなります。

リクルートライフスタイルの調べによれば、女性の1回あたりの利用金額は6,677円、男性の場合は4,185円で顕著な差です。

費用は実に半分かそれ以上くらいが人件費です。逆に原材料費は10%程度なのがこのビジネスモデルを象徴しています。カットであれば技量1つでほぼ収益が立ちますし、カラーもパーマも、原材料費は売上高構成比でいえば10%-15%程度です。人手不足の影響もあり、人件費は下げることは厳しく、むしろ長期的には上昇していくでしょう。家賃も立地条件がシビアで、また1Fに面していることが重要なビジネス業態のため、売上高構成比で10%-15%程度はかかってしまいます。余程のことがない限り、基本的には大通りの1Fに開店することになります。

ここで注目すべきは、販促費の15%です。客を獲得しても獲得しても、販促費をかけなければ集客できなければ利益率は向上しません。費用の実に15%を構成する販促費はどのようになっているのでしょうか。

Googleマイビジネスの台頭とリピート化の重要性

この業界で販促費といえば、「ホットペーパービューティー」がまず名前が上がります。消費者からの認知度も圧倒的で、実際にホットペッパービューティーで美容室を検索する人も少なくありません。

その中でも台頭著しいのが「Google マイビジネス」です。Google自体のアルゴリズムが位置情報を加味して、検索上位に最寄りの美容院を検索結果に出すようになってから、「Google マイビジネス」の重要性が増しています。この傾向は美容院ビジネスだけではなく、あらゆる店舗系の集客構造に影響を及ぼし始めています。今後はGoogleでの検索だけでなく、Googleマップ経由での検索なども増加していきます。外部メディアを利用する販促も、きちんと消費者の検索行動を学んでいく必要が出てきたのです。

この消費者行動は、消費者のカスタマージャーニーに大きな変化を与えました。ホットペッパービューティーの消費者行動は、まず検索サイト/冊子に行き着き、そこから地域で検索を絞り込み、クーポンの存在や予約状況を確認し、ホットペッパー上から予約を行い、実際に来店行動に移ります。しかしながら、Google マイビジネスでは地域から流入し、基本的にはウェブサイトに流入させ、自社ウェブサイトや電話から予約を行い、来店行動に移ります。そのため、受け皿となるウェブサイトのデザイン性やコンセプト、A/Bテストの必要性が必要になってくるのです。

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外部メディア以外には、どのような集客方法があるのでしょうか。

既存顧客のリピート、紹介、アナログ(地域住民が通りがかりで見てetc)、自社ウェブサイト、メルマガ経由、などがあります。ここで重要なのは言うまでもなく、既存顧客のリピートです。

30万円の販促費をかけて仮に50人集客したとしましょう。その内、リピート率が20%、年間4回来客、と仮定します。顧客単価は同一で5000円とし、2年間で想定します。その場合、50人*5000円+10人*5000円*7回=60万円となります。

これがリピート率が40%にまで改善した場合、50人*5000円+20人*5000円*7回=95万円となります。同じ販促費をかけたとしても、リピート率を上げるだけで2年間の売上高は150%向上します。しかも、これくらいの集客ができるのであれば翌年以降、新たに販促費をかける必要性がなくなり、既存顧客だけで店舗運営が回るようになるのです。

客単価を上げる工夫とプライベートブランド

ここまでが客数をコストをかけずに集客する工夫です。また、美容院経営では客単価を上げる工夫もあの手この手開発されています。古くはシャンプーやブローで収益化してきましたが、昨今差別化要素にならず、課金の納得性も低いため、徐々にマッサージやヘッドスパなどの商品化が一般的になります。

そして収益性の高いカラーやパーマも時代と共に商品が異なり、パーマ需要が徐々に低くなるも、プレミアムカラーや縮毛矯正を訴求するなど、時代と共にその訴求方法を変える工夫をしています。

これらと共に、大型のチェーン美容院店舗では小売の重要性にも気づき始めました。人件費のかからないビジネスモデルで、工夫次第で利益率が高い事業構造だからです。プライベートブランド化です。コンビニエンスストアなどで利益率の高い事業として注目されてますが、商品開発費を一部負担するも、広告宣伝費をかけずに店舗に設置することで結果的に利益率が向上する事業構造です。レジの近くに置いてあるほか、担当美容師の紹介が重要な訴求ポイントになるため、まさに美容師教育が重要な分野です。

これを計測するためにPOSレジを導入したという店舗も聞きます。担当別での小売販売数などを目標/インセンティブ設定に置くことで利益率の高い店舗運営が可能になるからです。従来のレジでは担当別の販売構造を詳細に見ることができず、CRM要素の入ったPOSレジを活用していくトレンド変化です。テクノロジーの強い分野です。

まとめ

難しく考える必要はありません。ビジネスはいつもシンプルに考えた方が良いです。美容院経営の場合、「客数×客単価」です。しかしながら、客数を担保する集客方法が時代と共に変容し、客単価を上げる創意工夫も洗練化されています。そのトレンドを素早くキャッチアップするのです。

クラウドサインNOWではこれからも店舗運営に必要な情報と、セミナーの開催などを実施していく予定です。クラウドサインNOWをよろしくお願いいたします!

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