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クラウドサイン コーポレートセールスグループマネージャー佐藤洋一「21世紀のマネジメントとは。」 #CloudSign_Astronauts

クラウドサインを創っている社員を、クラウドサイン責任者・橘がインタビューする企画「Astronauts(アストロノーツ)」。第9回目はクラウドサインのコーポレートセールスグループマネージャーの佐藤洋一さんをインタビュー。

21世紀に変わったマネジメント論

橘:今回は営業で早々に成果を出し、すぐにマネージャー、より上位の統括マネージャー(クラウドサイン内では「グループマネージャー」という組織名)に昇格した佐藤さんをインタビューさせていただきたいと思います。

佐藤:ありがとうございます。自分でいいんでしょうか?過去のAstronauts(アストロノーツ)の取材では熱い想いを持っている社員が多いですが、自分自身そういうタイプではないと思うので少し不安です。

橘:確かにそうですね。佐藤さんは熱い想いを全面に出すタイプでない。でもクラウドサインでは色んな人がいていいし、そうであって欲しいと思います。全員が同じ色でなくていいし、全員が全員、全面に熱い想いを出すタイプの人しかいない組織も気持ち悪くないですかね。

佐藤:まあそうですよね。自分に出来ること、伝えられることがあれば嬉しいと思います。

橘:実は佐藤さんに取材する前に佐藤さんのチームに所属するメンバーに何人かに取材してきました。そして自分自身思ったことは、佐藤さんこそが「21世紀のマネージャーに求められること」のヒントになるのではと感じました。それを今回は掘り下げていきます。

まず読者に伝わるように簡単に自己紹介をお願いしていいでしょうか。

佐藤:はい。私の前職はメルカリという会社で決済事業の営業をしていました。2020年6月にクラウドサイン、弁護士ドットコム株式会社に入社し、その1年後くらいにマネージャーに上げていただき、その1年後に、各営業チームを統括するグループマネージャーに抜擢いただきました。

橘:佐藤さんは破竹の勢いでクラウドサインで評価され、というか自分が評価し、駆け登っていったイメージがあります。そもそも何でクラウドサインに加入したのですか?

佐藤:クラウドサインには成長を求めて入社しました。

成長産業に飛び込みたいと著名SaaS企業を中心に転職活動をしていましたが、当時2020年に判子社会からデジタルに変革する最中、世の中を変革する最大の変化点であり世の中を変えていくクラウドサインに飛び込みたいと考えて、クラウドサインに決めました。

橘:そうして決めたクラウドサインに入社した後、どのような日々でしたか?

佐藤:入社した2020年は問い合わせが相次ぎ、商談数が非常に多く、本当に忙しい日々を送っていたように振り返ります。ただ、後悔するようなことはなく、法人営業の基礎を築いていけました。これだけ世の中から求められ、その現象の只中にいて本当に学び深い日々だったと振り返ります。

橘:その中で順調に成果を出し、マネージャーになった後の日々はどうでした?

佐藤:あまり変わりません。マネージャーだからといってそんなに業務が変わったわけではないです。今の楽しみは、経営企画が判断する売上予測を超えることです。

通常であればこの売上になる可能性が高いと判断されるところを自分たちの力で変えていけること、そのことに自分が寄与できることに楽しさややり甲斐を感じています。

例えば最近で言えばクラウドサインのお客様に対してクラウド契約化のDXコンサルティングをさせていただく付帯サービスを提案させていただく、その商材の売上算段を立てることができた事に自負を持っていますし、他の様々な事象に関心を寄せています。

橘:営業戦略でなく、営業の育成という観点ではどう思う?セールスイネーブルメントと呼ばれる領域で、営業マネージャーにとっても重要な要素だと思います。

佐藤:育成は苦悩の時間が多いように感じます。自らが営業するのとは異なり、目に見えた成果が短期間に実感を得づらい仕事の1つです。

よくありますが1日に5時間ほど商談同席をする機会もあり、特にクラウドサインのように新入社員が多い事業であると新人も多く、いつも悩みがあります。

橘:わかります。クラウドサインのように常に組織の半分が新人のような急成長組織であると、新人育成の悩みは尽きません。逆に今後の野望みたいなものはありますか?

佐藤:はい。今後は戦略レイヤーに携わりたいという想いがあります。営業戦略のような方向性を示せる存在でありたいです。現在は営業部長の田口さんに頼るような場面が多いですが、自分がそのような存在で在らなければと感じます。

橘:一緒に描いていきたいですね。本題に話を移します。個人的に21世紀のマネジメント論を佐藤さんに重ねています。佐藤さんのマネジメント論を教えて欲しいです。

佐藤:自分自身のマネージャーの役割はそれぞれの社員の個性をいかに活かしていくかという観点で行っています。部長から依頼されたことは確実に実行し、それを前提にしながらも各人の個性を理解し、それを活かすように実行に移しています。

それを実行しようと思い、今はマイクロマネジメントにしています。

結局朝会や日々の日報の中で個性を見つけ出し、それぞれに適したアドバイスを実行できるかがマネジメントとして重要だと思うからです。

橘:自分もそう思います。個性を大切にしたいからこそ、その個性を活かすためにまずは細かく人それぞれを理解することが重要だと感じます。クラウドサインの中でそれを実行できてる人はいますか?

佐藤:います。事業戦略部長の小林さんとかは非常にマネジメントが上手いと感じて居ます。根本的に地頭が良く戦略に優れているのを前提としながらも、雑談と本音のバランスが優れているように感じます。

橘:ありがとうございます。それでは本題の「21世紀のマネージャーに求められること」に話題を移したいと思います。佐藤さんの部署に所属しているメンバーに取材してきましたので少しだけフィードバックしますね。

佐藤さんは本当に評判が良いです。特に特徴的だったのは佐藤さん自体の個性を出しすぎず、1人1人の個性に向き合ってくれるんだって声が多かったことです。いつも笑顔で明るくてその人の個性を出すようにしていると。

佐藤:ベタ褒めですね(笑)純粋に嬉しいです。確かにそれぞれの個性を出すことを大切にしているのでそういう面もあるのかもしれません。

橘:佐藤さんはいつも明るさを忘れないから、逆にそういうタイプは何か裏があるんじゃないかとも一瞬勘ぐりましたが、そうでないことも取材を通してわかりました。

従来までのマネージャーは自分の個性を発揮し、その背中を見せ、部下の上位互換として自らの個性を部下に学ばせていた時期がありました。それをリーダーと呼び、もてはやした時期もあります。

ただ、上司部下ではなく、役割が多角化し専門特化した時代には上司部下という存在は劣化し、むしろ自らの所属する人員の能力が部分的に所属長を上回っていることが通常です。

21世紀は、そんな時代。だから佐藤さん自体がある種無個性で、所属するみんなの個性を活かせるマネージャー像がこれからの時代に必要なのだと感じました。

佐藤:全く意図していなかったのですが、結果としてそうなっていれば嬉しいです。

橘:いや、意図しているはず。それは佐藤さんが普段から触れているエンターテイメントコンテンツにヒントがあると踏んでいます。佐藤さんのルーツを言い当てていきたい。


一番好きなエピソードはONE PIECEの首領クリーク編

橘:佐藤さんとはファイナルファンタジーのスマホゲーム(編集注記:FFBE幻影戦争 WAR OF THE VISIONS)、ドラゴンクエストタクトを一緒に遊んでましたよね。だからエンタメにも強い印象がありますが、今注目してるコンテンツはありますか?

佐藤:今はポケモンカードにはまっています。1人でコレクションのように集めています。ドラゴンクエストで言えば、ドラクエ5が一番好きです。

橘:へえ、自分は大いなる運命に立ち向かうようなストーリーが好きなので自分もドラクエ5が好きですよ。

佐藤:自分は育成システムに着目して楽しんでいました。特にドラクエ5はモンスターと仲間にできるシステムが画期的で、その後のテリーのワンダーランドに引き継がれたりと日本のゲーム史に残るものだと思います。

なので他にもモンスターファーム、ダービースタリオン、パワプロでもサクセスシナリオなど、育成系を楽しいと感じています。

橘:育成系なんですね。他にも要素あります?

佐藤:他にもドラクエで言えばドラクエ3の職業という概念の発明など、システムや仕組み面での発明要素、新しいものに惹かれ、ストーリー単体よりも面白いです。

橘:他には今年流行った映画でスラムダンクやワンピースなどの週刊少年ジャンプ系の物語も日本映画を席巻しています。その辺りはいかがですか?

佐藤:スラムダンクは漫画で語られなかった物語で、スピード感がすごい映像を見たように感じました。すごく面白かった。

橘:あれは実は連載以外の読み切りで「ピアス」という宮城が主人公の作品を描いていて、それがモチーフになってるんだよ。

佐藤:そうなんですね。ONE PIECEのルフィが自分の中では一番好きなキャラクターなのかもしれないです。

橘:へえ意外。どうして?

佐藤:特に一番初期のルフィが好きなのかもしれないです。いつもふざけているんだけど、しっかりしている印象があって、それが抽出されているのが初期の頃だと思っています。良く笑っていて冒険の日々を純粋に楽しそうにしている。

橘:ONE PIECEはいろんなエピソードがあるけど、何編が好き?

佐藤:そうですね、やはり初期の頃の作品が好きです。首領クリーク編とかですかね。

橘:ほう。あんまり注目されて来なかったエピソードだね。興味深い。

佐藤:「全身に何百の武器を仕込んでも、腹にくくった一本の槍にゃ敵わねェこともある」という台詞が気に入ってるんです。

橘:あのオーナーゼフの台詞。

佐藤:他にもルフィの「こんなもんでおれの墓場って決めるな ここは俺の死に場所じゃねえ」とか名台詞がクリーク編には散りばめられていて、ルフィの信念のようなものがシンプルに表現されているエピソードとして凝縮されています。

最近のONE PIECEは物語が複雑になって若干離脱気味ですが、初期の頃はルフィの良さが凝縮されています。

橘:なるほど、そういう見方はしていなかったので週刊少年ジャンプ評論家として新しい視点をもらいました。でもこういう共感心にこそ佐藤さんらしさが現れていると思いました。

佐藤:そういうルフィらしさのようなものは自分自身大切にしています。自分の大切にしている考え方でも、難しく考えていてもしょうがないので物事を難しく考えすぎず、前に進む強さを大切にしています。

橘:佐藤さんらしい(笑)。

最後に、これからクラウドサインの営業で入社を考えている、或いは今いる営業メンバーに対してメッセージはありますでしょうか?

佐藤:入社を考えている方、今いるメンバーに共通して伝えたいことは、常に自分たちのプロダクトを信じてほしい、ですかね。

自分は複雑に物事を考えるのが得意じゃないので、まずは信じる。

そしたら後は信じたものでお客様をどのように幸せに出来るかを考えるだけで済むと割り切っています。そうすることで圧倒的な自信と成果も付いてくると思います。

また信念をしっかりもっていれば様々な状況下であっても、最後には全部うまくいく。って桓騎も言ってました。なので、まあ難しく考えず楽しんでいきましょう。

佐藤洋一

編集後記

最近の週刊少年ジャンプの主人公像は、自分が幼少期に読んだ作品の主人公たちとは異なっている。幼少期のスターは、ケンシロウ、孫悟空、大空翼、空条承太郎だった。圧倒的な強さを誇り、物語の進行上の苦戦は演出されながらも、主人公自らがカリスマ性があり、主人公グループを率先し、動じない強さを有し、その強さに多くの少年たちの憧れの的となった。

話は変わる。今では信じられない話だが、上司が部下の上位互換であり、上司が部下の全ての仕事に対してアドバイスする時代があった。

新卒一括採用で入社した企業に長年勤め、新卒で入社した社員に自らの働きぶりを背中を見せ、或いは手取り足取り仕事を学ばせる。均質的な業務を部下に再現可能な形式で伝授する時代において、上司が部下にその仕事を再現可能に伝授するマネジメントは、効率的で、生産的であった。上司は自らの目指す姿であり、何事も率先して力強いリーダーであった。

時は移り、高度経済成長期はすぐにも過ぎ去る。

世界で経済覇権を担う大国は、インターネット産業に投資を集中させ、グローバルプラットフォームを早々に構築した。それらの大国はスマートフォン、タブレット、時計などの見事なデザイン性を誇るシンプルなハードウェアデバイスにオペレーションシステムを構築し、世界中の国民がそれらのデバイスを持つこととなった。

それらのデバイスから便利なソフトウェアアプリケーションをダウンロードするためには、独自の審査基準に適合し、それらのオペレーションシステム上の決済手段を用いる必要がある。そのため世界中の企業は、覇権を握った大国に対して事実上の税金を支払うこととなる。そしてアプリケーションを宣伝するためには、これもまた検索エンジンにリスティング広告を打たなければならない。

ソーシャルネットワーキングサービスへのフィード広告、メディアへのディスプレイ広告もまた同様だ。世界中の企業が同じように、経済覇権国に対し広告支払いを行うことで経済活動を行っている。たった20年の歳月である。

同様に営業活動の中でもCRMやオンライン商談が主流となり、デザインツール、コミュニケーションツール、IaaS、ビデオ会議システムに至るまで、聖域なきデジタル改革が行われている。

営業活動、デザイン業務、マーケティング手法、社内でのコミュニケーション方法さえも、業務は一変した。上司が体験した業務は、全てが変わった。マーケティングの上長がリスティング広告、フィード広告、ディスプレイ広告など全てのデジタルマーケティング手法の上位互換となることは不可能であるし、他の職種においても同様の現象が生じている。上司は時に部下よりも能力が劣ることが普通となった。上司部下という言葉も時を経て、マネージャーとメンバーという用語に移り変わっていった。

21世紀のマネジメント・マネージャー像もまた、こうした一連の現象によって変わっていくべきなのだ。

現場で活躍する社員の個性を活かし、マネージャーはそれらの個性を最大化できるようにむしろ無個性なくらいの方がいいのかもしれない。佐藤さんを取材し、そのことを痛感した。

だいぶ話は逸れたが、最近の週刊少年ジャンプの主人公たちもまた、描き方が変わっている。竈門炭治郎、うずまきナルト、モンキー・D・ルフィ、緑谷出久。どの主人公も内に秘める強さを保有しているものの普段はどこか、頼りない。何か抜けていて、周囲の人間を恥ずかしげもなく頼る。周囲に支えられているヒーロー像に、子供たちは共感している。

これらの主人公を見て育った子供たちが創る社会を、私たちは生きていく。その未来に、私はすこぶる希望を持っている。

総合企画・ライター・編集:橘 大地
本企画メインデザイナー・写真撮影:長浜 裕子
テーマソング:マカロニエンピツ「なんでもないよ」

お読みいただきありがとうございます( ´ ▽ ` )ノ