クトゥルー・ケースブック シャーロックホームズとシャドゥエルの影 及びミスカトニックの怪 感想
ハヤカワ文庫から出ているシャーロックホームズのパスティーシュ
三部作のうち二作を読みました。
三作目は、今後刊行予定。
シャーロックホームズ × ラヴクラフト クトゥルー神話と言うなかなかにキている組み合わせの作品。
個人的には、結構面白かったです。
ラヴクラフトについては、以前に触れた記事を一応。
物語の構成は、ワトソン博士が世に出たホームズ物とは別に、書き残したホームズの真実・・・と言う形の書物が、ラヴクラフトの血縁に当たる人物に送られた、と言う体で始まります。
シャドウェルの影では、ロンドンで起こる殺人事件を追ううちに、ホームズが旧支配者を初めとする超神秘的な存在を知り、それと対峙すると言う形になっていきます。
登場するのは、影から推測される邪神、這い寄る混沌 ニャルラトテップ。
邪神復活に対抗する人類・・オーガスト・ダーレスの永劫の探求を思わせる体で話が展開します。
二作目に当たるミスカトニックの怪は、それから15年後の話。
ロンドンの精神病院に収容された、奇怪な言葉を話す患者を巡って話が展開。
話は二部構成で、後半の大部分は、メインの補足。
患者と彼の友人を巡る、米国 アーカム・ミスカトニック大学を巡る怪異譚となっています。
ホームズの緋色の研究をオマージュしての構成との事ですが、私はホームズ方面疎いので、そうなのかと言う程度。
ただ、この後半部分の内容は、ラヴクラフト作品へのオマージュが感じられて、個人的には面白かったです。
戸口に現れた物や、死体蘇生者 ハーバートウェスト 宇宙からの色、等の作品要素が詰まっている感じ。
ホームズファンが楽しめるかどうかは分かりませんが、ラヴクラフト、クトゥルー系列の変化球としては面白いと感じました。
続編も出たら読んでみるかな・・
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