有限会社読書工房(代表:成松一郎)

目白にある小さな出版社です。2004年創業。さまざまな読者とともに「読める」「読みやす…

有限会社読書工房(代表:成松一郎)

目白にある小さな出版社です。2004年創業。さまざまな読者とともに「読める」「読みやすい」読書環境をつくっていきます。

最近の記事

読み書き障害(ディスレクシア)とは? その検査や支援の方法とは? 研究と支援の第一人者・河野俊寛さんに聞く

「読み書き障害(ディスレクシア)」という障害があることをみなさんはご存知でしょうか? 近年広く知られている発達障害に含まれ、文字の読み書きに困難さを抱える障害です。 ただし、一口に「読み書きの困難さ」と言っても、その要因はさまざまであることが研究によって明らかになってきています。ある人は音声から文字を想起できない、ある人は目で見て文字の形を認知しにくい、またある人は文字の形を記憶するのが難しい、さらに別の人は目で見たものをきちんと捉えて手の動きと連動させて書くことが苦手……

    • 子どもがひとりになれる場所が、通学路にひとつあるといいな。【千葉・せんぱくBookbase】

      まちに書店があり、図書館がある――。 一見当たり前のことのように思えますが、全国の書店の数は、毎年のように減少を続けています。全国に約3,300館ある公共図書館も数こそ増えていますが、近くに図書館がない地域もまだまだたくさんあります。 もちろん、インターネットの普及により、YouTubeなどの動画共有サイト、TwitterやInstagramなどのSNSといった新しいメディアも生まれ、手軽に情報を得るチャンスは増えていると思います。 しかし、リアルな「本」との出会いの場

      • 読書の自由ってなんだろう?多様な読み手が、読みたい本を好きに読める読書環境のために、出版社ができること

        突然ですが、あなたにとって「自由」とはどんなことですか? 私は「選択肢があること」だと考えています。読書工房が大切にしている考えです。 「選択の自由がないのはおかしい」 前回の記事で、悔しかった原体験について書きました。 「視覚障害のある人はこういう内容の本を読みたいだろう」と、本の作り手が勝手に決めつけてしまうことに対する思いです。 つまり、選択肢を提供できていなくて、自由を保障できていないわけですね。 例えば、ロービジョンの人が地元の図書館に行き、「できれば大

        • 悔しさが原体験。小さな出版社をはじめてから18年間、“売れない”本を作り続けてきた理由

          悔しさが原体験にあって、出版社を立ち上げました。 話は、今からおよそ40年前にさかのぼります。私は東京・目白の学習院大学でボランティアサークルに入っていました。 関わったのは、盲学校の子どもたち。ボランティアの仲間たちと中学部の図書室に足を運ぶと、視覚に障害のある子どもたちが本を大事そうに抱えながら、座って待っているんです。 彼・彼女らは、そのままでは本を読めないので、音声データに変換する「音訳」を行う必要があります。そこで私は本を預かり、下宿していた4畳半の下宿に持ち

        読み書き障害(ディスレクシア)とは? その検査や支援の方法とは? 研究と支援の第一人者・河野俊寛さんに聞く