浮かぶ都道府県: 神奈川県
今回は神奈川県です。
神奈川県は西の標高が高くて、東に行くほど標高が低くなる地形をしています。
西側は箱根、丹沢山地の急峻な山々が続き、中央から東部にかけて相模原台地、多摩丘陵、三浦半島といった比較的低くなだらかな地形になっています。
東部の海岸沿いの工業地帯は人間の手による地形の変形がとても進んでいて、整然と並んだ四角の埋め立て地がまるで動物の口や歯のように見えてしまいます。
都道府県の形を見るとどうしても動物に見えてしまう私の眼には、神奈川県はらくだかやぎのように見えます。
特に東の海沿いの埋め立て地がリアルに噛みついて来そうで、ちょっと見入ってしまいます。
箱根
温泉、観光地、駅伝で有名な箱根です。
箱根温泉は大自然や美術館、関所などの歴史的資産など見所がたくさんあり、また、都心から非常に近いということもあって、人気温泉ランキングでは常に上位を占める人気の温泉です。
箱根山は神奈川県と静岡にまたがるカルデラ火山です。カルデラの直系は東西8Km、南北12Kmあり、阿蘇山に比べると半分程度と言われています。
カルデラ内にある平らな部分が芦ノ湖で、駅伝往路のゴール、復路の出発地点です。
芦ノ湖は3000年ぐらい前に中央火口丘が水蒸気爆発を起こしてできた湖で神奈川県内で一番大きな湖です。
その芦ノ湖の東側にある深良村が江戸時代に干ばつに苦しみ、江戸の商人の助けを借りて芦ノ湖の水を深良までひくための用水を作る工事を行いました。
深良(静岡県)側と芦ノ湖川(神奈川県)側の両方から手掘りで箱根外輪山をぶち抜く1280mのトンネル工事を行いました。
合流地点での誤差(段差)はわずか1メートル程だったといわれています。
完成までに約3年半かかったそうですが、江戸時代の土木技術の高さに驚きます。
深良用水(箱根用水)として静岡県側の深良川(裾野市)へと流れていきます。
江戸時代、このあたりは小田原藩が治めていましたが、明治の廃藩置県で箱根と深良が神奈川県と静岡県に分かれてしまいました。
明治時代に水利権の裁判が行われ、静岡県側が勝ちました。
そのせいで、芦ノ湖は神奈川県にあるけれども、その水を使う権利は静岡県にあるという状態になってしまった話は有名ですね。
大涌谷~芦之湯~芦ノ湖へと正月の駅伝の見せ場の一つであり、最大難所の山登りの最終地点と続く道です。
大涌谷や芦之湯などのアナウンスを聞いて手に汗を握り応援しますよね。
かなり起伏の激しい山の間を縫って進むコースになっています。
走る選手は大変ですが、この道を作った人もとっても大変だったでしょうね。
鎌倉
葉山~逗子~鎌倉の海岸沿いです。
湘南と聞くと歌のイメージからか、日本国民は稲村ケ崎や茅ヶ崎、江ノ島付近をイメージしてしまうと思うのですが、相模湾沿岸全体を指す言葉だそうでかなり広い範囲を指します。
相模湾自身の定義にしても、狭義の神奈川県内の相模湾沿岸と、広義の三浦半島先端から伊豆半島の先端までの2種類が存在するようです。
神奈川県が東京オリンピック前に神奈川県内の相模湾沿岸すべてを湘南と指定したためで、一種の観光ブランド戦略でしょうか。
まあ新型コロナの影響で今のところ華々しい結果には結びついていないと思いますが、アフターコロナではどうなるか今後が楽しみでもあります。
歌のイメージの場所に住んでいる方々にとっては、「そんなに広げるなよ~」って思う人がいる反面、「もっと静かに生活したい」と思う人もいるでしょうね。
コロナ前の京都みたいに・・・。
広義の相模湾だったら、熱海や伊東も湘南になったかもしれませんね~。
横浜
横浜です。
東京23区に続く日本第二の都市です。
「神奈川県あるある」なんですが、横浜や横浜周辺に住む人は、出身や住所を訪ねられると日本中どこに行っても「神奈川」と言わずに「横浜」と答えるというのはよく聞きますよね。
それによく似た私の体験談なのですが、
以前神奈川県出身者と同じ職場になった時に、「出身はどこ?」と聞いたところ、またかというような嫌な顔をして「〇〇〇です」とある街の名前を答えてくれました。
私はその街の名前を知らなかったので「ごめんなさい、それって何県にあるの?」と聞くと、むちゃくちゃ嫌そうな顔をして「神奈川県」と答えてくれました。
多分、その人はいままでの経験で出身の街を答えると「それどこにあるの?」って言われるのをとさんざん経験したのでしょう。
それでも「出身はどこですか?」と聞くと、県名を答えずに自分の出身の街の名前を答えるという習慣に神奈川県の人は大変なんだな~と思ったことがあります。
地方に住んでいる私に街の名前をいわれてもね~。
アメリカ人は出身や住んでいる所を聞くと「シカゴ」、「フロリダ」や「シアトル」とか答えますよね。
他の国の人は自分の国の名前を答えるのに。
なんでも、アメリカ人は自分の事をもっとよく知ってほしいから国名を言わずに住んでいる州や市の名前を言うんだと聞いたことがあります。
私が聞いたその人は、絶対に自分の事をもっと良く知ってほしいと思っていなかったと思いますよ。
どちらかというと、「もうそれに触れないでくれ~!」というような顔をしていましたから・・・。
東京の人は「東京」って言うのにな~。
最初から「神奈川県」って言えばいいのに~と思ってしまいました。
(田舎人のつぶやき・・・)
丹沢
上部の緑色の濃い部分が丹沢山地で、最も高い蛭ヶ岳を中心とした画像です。変化に富んだ地形が分かると思います。
下側の平野部は小田原市を中心とした足柄平野です。足柄平野の東側と西側を比較すると分かりやすいですが、西側は箱根外輪山と比較的滑らかに繋がっていますが、東側から北東側は突然段差ができているのがわかると思います。
これはフィリピン海プレートの北側の端の一部で、地震の発生確率が非常に高いグループと考えられています。
地震に関して日本には安全な場所は無いそうなので、普段から地震対策をしておくしかないですね。
三浦半島
三浦半島は東京湾と相模湾の境界となっていて、北中部は丘陵地、南部はなだらかな海岸段丘で海岸に沿って階段状の地形が広がっています。
横須賀は三浦半島の南東部の大部分を占め、東京湾の入り口に位置するため江戸時代から国の防衛拠点とされ軍港として栄えてきました。現在も横須賀港はアメリカ第七艦隊や海上自衛隊等が配備されかつての軍港としての名残が多く残っています。
近くを歩いていると、遠くに護衛艦が見えたりするだけでも「お~っ」と思ってしまいます。
地元の人には見慣れた光景だとは思いますが。
あと、基地といえば神奈川県には厚木基地もありますよね。
だいぶ前ですが、F14が垂直に上昇していくのを「ほぇ~」と口を開けて見ていたことがあります。
F14はハリウッド映画の〇〇〇GUNに出ていた戦闘機です。
今はもう退役してしまいました。
近くにお住まいの方は本当に大変だなと思いました。
あと南東部には黒船来航で有名な浦賀があります。
黒船は浦賀沖に停泊したのみで実際にペリーが上陸したのは南側に一つ岬を隔てた久里浜で、ペリー艦隊の約300人が上陸したと言われています。
神奈川県は以上です。
今回の画像は国土地理院の数値標高モデルデータを編集・加工して使用しています。
また、©OpenStreetMap contiributorsが公開しているデータを編集・加工して使用しています。
神奈川県は出張等でよく行くことがあったのですが、東側と西側とでは全然風景が違うんだなというのが今回画像を作ってみてよく分かりました。
大都会と大自然の両方に恵まれたとても素敵な県だと思います。
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