【何を言うかより】伝わるということ【誰が言うか】

はいこんにちは。
知らない人から物を買うのが苦手な作詞家、藤橋です。
服を買うのも、髪を切るのも、居酒屋で飲むのも、
店員さんの人間性を知りたくてコミュニケーションを重ねようとしてしまいます。その上で気持ち良く買い物したいのです。
迷惑な客です。

恒例の自己紹介はこちら。
【恥の多い】自己紹介【生涯】|ふじP (note.com)

さて今回は
作詞における「伝わる」とは何か?について考えてみようと思います。

まず、
「伝える」と「伝わる」は違います。
言い換えると、「伝える」という行為そのものには、
相手に「伝わった」か否かは全く関係ありません。
何かを発信した時点で「伝えた」ことになります。

つまり、
「伝わる」はあくまで「伝える」という行為の対価でしかない
ということです。

戦う の対価が 勝利 であり
労働 の対価が お金 であるように、
伝える の対価が 伝わる なのです。
似て非なるものと捉えてください。

ちょっと話が変わりますが
たまに「あいつには何を言っても伝わらない」
というセリフを聞きますよね。
これは「私は伝えるのが下手です」と宣言しているのと同じです。
すぐにやめましょう。

本題です。

歌詞というのは、
ただ言いたいことを言っていても仕方ありません。
一般的に、受け取ってもらいたい人に受け取ってもらう
ということを心がけて、詞は創られます。
「伝える」だけに意味はなく、伝わってナンボです。
そこに初めて価値が発生するのです。

つまり
「自分の想いに共感してくれる人に伝わればいいなぁ」
ではなく
「Aさんに伝わる表現はこれだろう」
という逆算が必要になります。

一部の天才なら、言いたいことだけ言ってれば良いのかもしれません。
実際ぼくたちの中にも天才に憧れて音楽活動を始めた人は多いと思います。

ただ、残念ながら天才ではないぼくたちは、
慎重に、したたかに、そしてハートフルに、
「伝わる」というゴールから逆算していかねばならないのです。

そして!

何より重要なのが、タイトルにもあるとおり
「何を言うか」より「誰が言うか」です。

「彼の言葉は入ってくる」
「あいつが何言ったって無駄」
こんなこと、誰しもが経験あると思います。

どんなに正しい戦略を主張しても、
業績をあげていない営業マンの言葉は信用されません。
また、身なりがボロボロの人に「これをやると儲かる」と言われても
よほどの物好き以外、見向きもしません。

逆に、例えば
B君が誠実で人間味溢れる愉快な人だと知っている人は
B君の話に耳を貸しやすいと思います。
そこには「彼を理解している」という信頼があります。

甲本ヒロトは純粋
浅井健一は子供っぽい
みたいなイメージも、
レジェンドたちの歌詞を伝わりやすくする大きな要因です。

信頼関係は理解の上にしか成り立たないものです。
ぼくたちは、人を知って初めてその人を信頼するかどうか選択できるのです。

まとめると。

言いたいことが伝わるようになるためには
自分を信頼してもらうのが手っ取り早くて
そのためにはまず知ってもらうことが重要である

ということです。

そして
日常生活においても創作活動においても、
ぼくたちは「どうしたら伝わるか」を真剣に科学していく必要がある
ということです。

天才の人は気にしないでください。

最後に。

1年後に解散するロックバンドの代表曲「イチバンガラス」。

これは特定の人物を思い浮かべ、
どうしたらその人に「そのままでいいよ」と伝わるか
を真剣に考えて書きました。

良かったらお聴きください。

1年後に解散するロックバンド『イチバンガラス』"Ichiban crow"【Official Music Video】 (youtube.com)

最後まで読んでいただきありがとうございました。
ではでは。

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