【くすぐり小説】ドSな姉に徹底的にくすぐり責めでいじめられる弟の夏休み
肌に熱気がまとわりついて離れてくれないような、しつこい湿気を多分に含んだ夏の日の午後。とある一軒家から少年の甲高い悲鳴にも似た笑い声が聞こえてくる。
「あっはははっ!ちさ姉、や、やめて!お、お願いっ!し、死ぬ!」
その声の主は佐瀬雄貴(させ・ゆうき)。小学六年生になる男子だ。姉である智里(ちさと)にうつ伏せに組み敷かれて、がっしりと足首を掴まれている。裸足の足裏を上向きに露わにさせられ、姉の細い指が彼の足裏をこしょこしょとくすぐるそのたびに狂ったような笑い声をあげさせられていた。
まるで「指先一つで十分だ」と自信たっぷりに言わんばかりのように、人差し指がつつーっと足裏を優しくひっかく。どんなにもがいても姉の力には勝てず、ただ姉の気の向くままにくすぐられ続けている。
「あっはっはっは!くす、くすぐったいって!おねがいやめてっ!くすぐったい!ごめんって!ごめんなさい!ごめんなさい!」
「謝る必要なんてないよ?だって雄貴は何も悪いことしてないんだから」
「じゃあ、それやめて!くすぐったい!お願い!離してぇ!」
「え~やめない~。だって笑ってる雄貴が超面白いんだもん~」
そう言って土踏まずからかかとまでを指一本で撫でおろすとビクビクと身体を捩らせて、耐えがたい刺激に悶える。しかし、智里の握力が強くまったく逃げられない。
「ふーんそっかあ、1本でそんなに苦しいんだったら5本になったらどうなっちゃうんだろ、あ、試してみっか」
智里はそう言って、1本だった指を5本に増やし、まるで蜘蛛の脚のように爪を立ててカサカサと縦横無尽に這いまわった。その予測がまったくできない動きに、雄貴はこれ以上ないというくらいに笑い声をあげ、手で床をばんばんと叩いて悶え苦しむ。
「あっひゃひゃひゃひゃ」
顔を真っ赤にして必死に彼女から逃げようとする雄貴だが、バレー部に所属している中学生の智里にとって、小学生の雄貴を捕まえておくのは容易いことで、まったビクともしなかった。うつ伏せになっている雄貴の身体に、姉は全体重を掛けて下半身にのしかかっていて、どう頑張っても抜け出せそうにない。
「じゃあ、お姉ちゃんに雄貴の分のダッツくれる?だったら許してあげる」
佐瀬家では、ハーゲンダッツのことはダッツと呼ばれ、高級品として尊ばれているのだ。スーパーカップやジャイアントコーンなどの安物のアイスでは絶対に感じることのできない濃厚な味わいに雄貴も智里も、さらには家族全員が魅了されている。
昨日、父が気まぐれでハーゲンダッツをお土産に買って帰ってきてくれたのだ。もちろん智里の分もあったが、それは昨日のお風呂上りに食べてしまった。部活から帰ってきた智里は、雄貴の分も貰おうと“お願い”することにしたのだった。口実は何だって良かったのかもしれない。ただ、雄貴をいじめる口実が欲しかっただけだ。雄貴をいじめることが楽しくて仕方がないのだから。
「いやぁあああああ!あげなぃぃいいい」
悲鳴混じりになりながらも雄貴は首を縦には振らなかった。
「えー、お姉ちゃん部活頑張ってきたのになあ」
そう言って爪の先で母指球の辺りを激しくカリカリカリカリと引っ掻くと、弟はきゃーっと甲高い悲鳴をあげた。
「だってええええええ、俺だって食べたいんだもんんんんああああああああっはっはっははっは」
姉に組み敷かれて拷問のようなくすぐりを受ける弟の姿は佐瀬家の日常の光景だった。
智里は昔から人をイジメることが好きで仕方がなかった。自分の力で誰かをねじ伏せた時の爽快感と万能感、優越感が堪らなく心地よく、癖になっていた。自分でも悪い癖だとは思っているが「好き」を変えることは難しい。
ただ、その癖も悪いことばかりではない。それは智里自身の良い面の裏返しでもある。「イジメることが好き」というと横暴にも聞こえるが、リーダー気質で世話焼き、それに面倒見がよい面もある。要するに他人に興味があって放っておけないということだろう。
その性質のおかげで彼女は、誰とでも打ち解けられ、友人も多かったし、彼女のことを慕っている人間も多くいた。彼女の根底にあるのは、誰かに何かをしてその反応が見たい、少なからぬ影響を他者に与えたいということなのだろうし、彼女のその特質は、今後の人生においても彼女のことをより良い方向へ導いていくことだろう。
しかし、物事には良い面と悪い面の両方がある。智里のその特質がゆえにいじめっ子の性質を持っていた。別に陰湿なイジメをしていたというわけではないし、何かしらの恨みがあっていじめているわけではない。いや、だからこそ、それゆえにもっとも厄介な気質ともいえるだろう。彼女には悪意がないために、それはいつまでも解消されることはないのだ。だから弟はいつまで経ってもいじめられ続けている。何度も、何度も。
誰かを喜ばせることも好きだが、それと同じくらい、いや、それ以上に、自分の手で誰かの顔を歪ませたいと智里は常々思っているのだ。「自分の力を人に使って、人を変えたい」という気持ちが強いのだ。
智里が小学生だった頃はその気質が原因で、親が学校に呼び出されたことは一度では済まなかった。クラスのお調子者の鼻を明かすために電気アンマで悶え苦しませたり、威張り散らしている上級生の急所を蹴り上げて泣かしていた。それっぽい大義名分がなくても、いじめ甲斐のありそうな大人しくて可愛らしい下級生を泣くまでくすぐり倒すこともあった。それら一つ一つは彼女にとって、とても愉しい経験だった。
とは言え、自分の両親が、教師や相手の両親に頭を下げている姿を横目に見ているのは、彼女にしたって決して気分の良いものではなかった。それに、帰りの車中に、親にこっぴどく叱られるのはさすがに気の強い彼女でも堪えるものがあった。次第に彼女は、加減というものを覚えていく。あくまで悪ふざけの範疇で収めるというギリギリのラインというものを。
有り体に言ってしまえば、成長し、大人になったということだろう。とくに中学生になってからは、小学生の頃のように男子相手に女子が好きにイジメてもいいノリは無くなっていたし、何よりも彼女はまだ一年生だった。上級生の先輩たちを差し置いて暴れまわっていると、先輩たちに目を付けられてしまうことにもなりかねない。さすがの智里にも、先輩と後輩という上下関係を理解する程度の分別はあった。
そのため、ここ最近の彼女は欲求不満になっていた。誰かをイジメたくて仕方なかったのだ。思いっきり心ゆくまでイジメることができる存在が欲しい。そして、そんな都合の良い存在はもっとも身近にいたのだ。
それが弟の雄貴だ。
多くの家庭がそうであるように、佐瀬家もまた、弟は姉の奴隷だった。ああ、弟というのはなんと不憫な存在なのだろう。生まれながらにして、決して逆らえない存在がいるのだから。
それこそ赤ん坊の頃から雄貴は姉には頭が上がらないように躾けられてきた。
しかし、雄貴は佐瀬家の長男としてのプライドをそう易々と脱ぎ捨てるような真似はしなかった。昔から姉にイジメられてきても、なかなかそう簡単には屈服などしなかった。
幼い頃から幾度となく泣かされてきたというのに、それでも安易に服従を誓うようなことはしなかった。そのような雄貴だからこそ、智里の闘争心に火をつけ、思いっきりイジメることができたとも言えるだろう。雄貴にとっては災難なことであるが……
今日もおやつのアイスを奪われまいと必死に姉のくすぐりに耐えている。どうせ取られるまでくすぐりは止めないんだからさっさと渡せばいいのにな、なんてことを思いながら智里は雄貴をずーっとくすぐり続けている。
雄貴にしたって、なにしろハーゲンダッツがかかっているのだ。佐瀬家ではなかなか冷凍庫に入荷しないとっておきの高級アイスだ。そんな高級アイスを「はい、そうですか、あげますよ」と簡単に渡せるようなものではない。
「あはははは、あぁ、あははは、あはぁ、はぁ」
エアコンの効いた部屋の中でごろごろと惰眠を貪りながら快適な休日を過ごしていた雄貴だったが、今は首筋に玉のような汗が滲んでいた。突然、降り注いだ災厄をただただ受け続ける。すべてはアイスのためだった。
笑い疲れてきて、声にすらならなくなっていたが、くすぐったさはまったく変わらない。いや、笑い声として刺激を発散できないからこそ、余計にくすぐったくなっているのだ。
「まだお姉ちゃんにくれる気にならないのかな~?」
智里は雄貴のばたつかせる足を腕でしっかりとロックしながら、ここだという弱点を責めながら言った。
ずっと同じ場所を責め続けていると、その刺激に慣れてしまってだんだんとくすぐり攻撃が効かなくなっていく。だから、満遍なく、足指周辺、母指球周辺、土踏まず、かかとをローテーションでくすぐっていった。そうすることによって、どこをくすぐられるのか心の準備もできず、また刺激に対する慣れも生じることなく、ずっとくすぐったさが持続するのだ。
「だってえええええ、朝から楽しみにしてたひゃははああああ」
「しょうがないなあ、じゃあもうちょっとくすぐらなくちゃいけないね」
「ひゃはっ……なんで……ああ…あは……はあ、はぁ、あぐっ」
とは言いつつも、さすがに疲れすぎて笑い声が掠れてきた。
智里は内心で、「よく耐えるなあ」と思っていた。自分だったらこんな激しいくすぐり、数秒だって耐えられないのに……と思いながら、責めの手は緩めることはなかった。
雄貴の強情さこそが智里の闘争心に火をつけることになってしまう。
「そっかあ、じゃあこっちにも聞いてみようかな」
そう言って、足首から手を離して、雄貴の上に乗っかったまま身体の向きをぐるっと180度反対方向へ変えた。うつ伏せになっている雄貴のTシャツの背中は、汗でぐっしょりと濡れて大陸状に色が変わっていた。
ああ、可哀想に。こんなに汗びっしょりになってまで耐えて。ただ涼んで漫画読んでただけなのになあ。何にも悪いことしてないのに。可哀想で、可愛いなあ。
そんなの、もっとやってあげたくなっちゃうじゃんか。
突然降って湧いた理不尽を一身に受ける弟の姿が愛しく思えてきた。そして、雄貴をもっとイジメたい、とことんまで追い詰めたいと思わせたのだ。
親が仕事から帰ってくるまでまだ何時間もあるというのに……私はアイスがもらえるまで何時間だってくすぐり続けるつもりだというのに……雄貴だってお姉ちゃんにアイスをあげないとこの苦しみは終わらないことなんて百も承知のはずなのに……
絶対に屈服させたい。屈服させなくちゃ。智里は強くそう思った。
「頑張って耐えてるじゃん、エライエライ。我慢強い子は大好きだよ。じゃあこれはどうかな?」
そう言ってTシャツの裾から手を入れてお腹をくすぐり始める。
「あ、あはっ!!あはっはははははははは!!!!いぎぃっ!!? いぎゃぁあぁぁっ」
息が詰まって呼吸ができなくなりそうなほどの刺激を受けた雄貴は首を左右に振って耐えようとする。
すべすべしたお腹はじっとりと汗がまとわりつき、潤滑液の役割を果たしていた。つまり、とってもくすぐりやすいのだ。そのことが雄貴にとっては耐えがたい苦痛を催させる。
「も、もう無理ぃぃぃぃーーーー!!!!!あっはははははははっ!おねがいぃぃぃやめてえええええ!!!」
「じゃあアイスくれる?」
「やめてぇええへへへへへへ!!くすぐったいっっくすぐったいぃぃ死ぬぅ死んじゃう!それだめえええええひひひひゃはは!」
さすがの雄貴も脇腹のくすぐりは辛すぎる。Tシャツの裾に入った智里の手を跳ね除けようとするが、すでに体力は限界を超えていて力が上手く入らず、軽くいなされてしまう。彼の精神の限界ももう近い。いくら意地を張っても、結局は姉には勝てないのだ。
智里は両手でお腹を揉みこむようにくすぐっていた。脇腹のツボを刺激される苦しい痛みと強烈なくすぐったさがひと揉みごとに雄貴を襲う。くすぐったさに顔は真っ赤になり、地上に打ち上げられた魚のように激しく暴れまわり、智里を振り落とそうとする。しかし、しっかりと体重をかけて乗られ、バレーの練習で鍛えられた脚に挟まれているため、まったく抜け出せそうになかった。
「あっあああっあっあげる、ああはははあああはっはっはいぎゃあああああ、ああ、ああっ、あげ、あげるあげるあげるだからやめてええええええ、お、おねがいぃぃぃ」
命の危険を感じるほどの激しいくすぐりに耐えきれず、叫ぶようにして雄貴はギブアップした。その言葉を発した途端、ぴたりとくすぐりが止まった。
「はぁ、はぁ」
顔周りには乱れた髪の毛がはりついていて、艶めかしさを覚えた。やっぱり弟はイジメられてる時のが百倍くらい可愛いな、と彼女は思った。目に涙を浮かべながら呆けた表情をしてぐったりしている弟に急に可愛さがこみあげてきた。
それを見て智里は思った。
もっとくすぐりたい。
そう思うとすぐに行動に移すのが智里だ。智里は、再び指で脇腹をツンツンと突っつきながら、
「ほんとにくれるの?ほんとにダッツ食べちゃっていいの?」
と尋ねながらくすぐりを再開した。
「ひゃっ!うひっ!た、食べて、食べていいからああああ!お、お願い!!!く、苦しいはああはははははははは、げほっ!! いひひひっひっひひひ、くふ、ふふふ、ひひひひひひゃははははははっはっはあ」
せっかく終わったと思った責め苦が再び彼を襲う。
「でも悪いよね、雄貴、楽しみにしてたんだもんね」
智里は白々しく遠慮を始めた。もちろん、遠慮などするつもりなどさらさらなく、少しでも雄貴が苦しむ時間を引き延ばしたいがために言っているだけだ。脇腹の、腕でガードされていないわずかな隙間を狙って人差し指を差し込んでグリグリと押し込んだ。
「そ、そんんなことないいい!!!いいいいふふふ!!!ひひひひひひゃはははは!へっへっへへ!ちさ姉食べてあっはっ!はっはっ!はっはああ!!!食べていいからああああ!ちょ、ちょっとほんとやめてえええ!く、苦しっああはあはははははは!!!」
「でもさあ、なんか無理やり取ったみたいじゃない?」
もちろん、無理やり取った以外の何物でもないのだが、理不尽なことを言うこと自体が楽しくなってしまった智里はそんな理屈は通らないし、雄貴は責め苦の辛さのあまりに考える余裕はすでに失われていた。
「だいじょぶ!!!ああはっっはっはっはっは!ひひひいいぃぃ!!!お願いだから、食べて!!ああはっっはっはっはっは!あげる!!!あげるからやめてえええ!!!」
「いや~、悪いねぇ、お姉ちゃんにダッツくれるなんて、優しい弟なのかしら」
そう言って、責めの手を止めて立ち上がった。やっと終わった地獄のくすぐり責めがから解放された雄貴は床にぐったりと倒れ、身体が小刻みに震えながら、はぁ、はぁ、と息も絶え絶えになっている。
くすぐり地獄の責めの激しさに身体が痙攣してしまっているのだろう。汗でびっしょりと身体が濡れていて、顔を紅潮させて大の字になっている。その姿は少年ながらどこか色気を感じさせる。結局、それから一時間ぐらいはそのままカーペットに伸びたままで、夜寝る時までくすぐったい感覚が身体に残っていた。
一方、智里は心ゆくまで弟を苛め抜くことができて、大満足だった。ただ、少々やり過ぎてしまった自覚はあったのか、ダッツは半分くらい食べてから思い直し「やっぱ飽きた」と言って、雄貴にあげることにした。
夏休みの間中、こんな日々が続いていくことになるのだ。
Header Image / No Copyright Girl
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最後まで読んでくださってありがとうございます🥺