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【AZ】【25周年】Jordan Montgomeryを獲得【あり担②⑦】#ガラガラヘビの喉の奥

先発3番手が開幕に間に合わないなら新しいのを連れて来てしまえばいいじゃない。

球団オーナー、ケン・ケンドリック氏本気の号令。


Jordan Montgomery(SP/31)


・耐久性に優れた先発投手
トミージョン手術のリハビリに費やした2018年、19年を経て、過去3年間はいずれも30以上の先発登板、150以上の投球回をマーク。この間、イニング数は年々伸ばし、23年に記録した188回と防御率3.20はキャリアハイ。
特にTEX移籍後の11登板では67.2回を投げ防御率2.79。TBとのワイルドカードシリーズでは初戦に先発登板し7回無失点。HOUとのリーグチャンピオンシップシリーズでも初戦を任され、6.1回無失点で両試合ともチームを勝利に導きました。
(ARIとのワールドシリーズでは第2戦に登板。6回4失点で負け投手。皮肉なことにこれが昨年のポストシーズンでの唯一の黒星)


・武器はシンカーとチェンジアップのゴロピッチャー

このオフに移籍したCorbin Burnes(MIL→BAL)Blake Snell(SD→SF)Dylan Cease(CWS→SD)のような派手さや圧倒的な力はありませんが、明確な武器を持ちその使い方を心得ています。

まずは四球率6.2%。これは昨季MLB全体で上位82%
ゴロ率43.8%も平均を上回る数値。
無駄な四球を出さず、ゴロを打たせることに長けているのは、堅い守備力がウリのDbacksにとっては魅力的なスキルセット。

昨年は投球比準を変え、シンカーの投球率がキャリア最高の42.6%を記録。スタットキャストの得点価値指標によると、Run value+16MLBで5番目に位置しました。

これまで以上に投げるようになっただけでなく、これまで以上に速いシンカーを投げるようにもなりました。昨年のシンカーの平均速度は時速93.3マイル。これはキャリア最高の数値
また、この球は一般的なシンカー比べて右打者からはより遠ざかり、左打者にはより向かって内側に落ちる変化をします。打者の左右に関係なく決め球としても使用できます。

もう一つの武器はチェンジアップ。シンカーと10マイル以上の球速差があるこのボールは35.7%(!)ものゾーン空振り率を記録。
ストライクゾーンでのチェンジアップで、これ以上の空振り率を記録したのは、Blake Snellだけでした。



・契約内容

1年2500万ドル。
10試合に先発すれば25年の選手オプション行使可能。

テレビ放映権にまつわるアレコレに対処している球団が多く、動きの硬直していたオフシーズンとなり、Montgomeryと代理人Scott Boras陣営が望んでいた6年~7年契約は実現しませんでした。
たしかし、この契約の性質上、彼は来オフシーズンにFAとしてもう一度チャンスをつかむことができます。このオフこそ望んでいる大型契約を勝ち取るために文句ない成績を残してもらいましょう。
BOSからもオファーがあったようですが、優勝チームに入団したかったのでAZを選んだとの報道もありました。


現在のローテーション

1.Zac Gallen Top10 in CY 3 of last 4 yrs
2.Merrill Kelly 377IP 3.33ERA last 2 yrs
3.Jordan Montgomery 367IP 3.34ERA last 2 yrs
4.Eduardo Rodriguez 3.59 ERA last 2 yrs. Also, hates Dodgers
5.Brandon Pfaadt 162IP 218K(MiLB TOP in '22) / 22IP 3.27ERA 26K in '23PS


昨年、MLBで150回以上投げ、防御率+が125以上の投手は15人いました。

  IP-ERA+
1 216IP-130 Logan Webb SF 
2 210IP-125 Zac Gallen AZ   
3 209IP-165 Gerrit Cole  NYY  
4 193IP-127 Corbin Burnes MIL→BAL 
5 188IP-138  Jordan Montgomery TEX→AZ
6 185IP-134 Kevin Gausman TOR
7 184IP-154 Sonny Gray MIN→STL  
8 180IP-182 Blake Snell SD→SF
9 178IP-125 Jesús Luzardo MIA 
10 177IP-132 Merrill Kelly AZ
11 173IP-146 Justin Steele CHC  
12 168IP-146 Kyle Bradish BAL 
13 166IP-142 Kodai Senga NYM 
14 162IP-131 Justin Verlander HOU  
15 152IP-134 Eduard Rodriguez DET→AZ 

昨季の所属ベースで考えると、この条件を満たした投手が2人いるチームはAZのみでした。
移籍により2人になったチームが2球団となりましたが、元々2人いたAZはそこにE-RodMontgomeryを補強してなんと合計4人に。


確かにこのローテーション投手たちは99マイルの球を投げる派手さや日本のメディアに取り上げられるようなネームバリューを持っているわけではありません。
しかし、彼らは手堅く着実に数字を残すタイプ。2023年ポストシーズン進出10チームのうち先発投手の防御率が最下位で、ブルペンデーを挟みながら3枚で回していたチームにとって、少なくとも理論上は2024年シーズンに向けて明らかな強みとしました。

ただ、理論上とあえて表現したのには意味があります。
E-Rodが広背筋の張りで離脱し、開幕はIL出迎えることになる事と、Montgomeryは数週間マイナーでの調整を経てからの合流となる事があるからです。
フルメンバーが揃うのは5月初め頃でしょうか。
(E-Rod:まもなくブルペン投球再開
Montgomery:4/19 @SFがデビュー登板予定)


このオフやるべきことリスト

1☑三塁手
2-1☑Gallen,Kellyに続くローテ3番手
2-2☑Gallen,Kellyに続くローテ3番手

3-1☑DH兼3番打者 
3-2
☑DH兼3番打者 
(4☐ブルペンの頭数を増やす)
(5☐右打ちの外野4番手)
(6☐経験豊富な控え捕手)


優先度の高い①②③をクリアした上で、さらに②を補強する形。まさかここまで上手くいくとは。
天文学的な金額を払って補強した球団や、たくさんの代償を払って補強をした同地区の球団たちを尻目に、最小限のコストで、的確に、穴を埋めていったHazenGMらの手腕に感服するばかりです。

ヘッダー画像:球団公式X(旧Twitter)より

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