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マレーシアは本当に多文化共生社会なのか

こんにちはdawuです。
新セメスターが始まり更新できていませんでした。最近は比較的忙しいので頻度は落ちますが、これからも色々なことをつぶやき感覚で紹介できたらなと思っています!

さて今回は、タイトルにもあるように、マレーシアは本当に多文化共生が実現している国なのかについて、実際に住んでみて感じたことを踏まえて考えてみたいと思います。
私は一応国際関係などについて学んでいますが、専門家でもなんでもなければ、一素人が考えたことであり、正確性を欠いていたり、主観的な部分も多いのは重々承知の上で書いています。あくまで一意見として読んでいただけたらうれしいです!

一般的に言われるマレーシア

マレーシアと言うと、マレー系や中華系、インド系といった人たちが、1つの国の中で共生している、多人種で多文化な社会だとよく言われます。実際マレーシアを歩いていると、ほんとに様々な人種の人がいて、言語も様々なものが飛び交っていて、言語好きな私でも何語かわからないなんてこともよくあります。
確かに一見すると、ほんとに多人種多文化な社会で、人々がのんびりと共生している社会に見えなくもないです。

イスラーム色が意外と強い

しかし、国全体としてではなく、もう少し個人個人に焦点を当ててミクロ的に見ていくと、違った側面が見えてくるように感じます。
それが、イスラーム色が意外と強いということです。

マレーシアは国旗にも月と星が描かれている通り、イスラーム教の国で、国全体の多数派である70%弱のマレー人の多くはイスラム教徒です。
イスラームの道徳観として、寛容であり、異教徒への信仰の強制はしないと言ったものがあるからなのか、宗教が多数派と少数派の間で違うからと言って、ふつうに生活していく上で被害を蒙るような、宗教が原因の秩序の乱れなどはあまり起きていないように感じます。
しかし、個人単位だと、政治思想や主張がイスラームに偏っている人が多いように思われます。
少し政治的な話になるのですが、マレーシアは外交的には、第二次大戦後の独立国に多い、中立的な姿勢を保ってきました。例えばロシアウクライナ戦争に対して、マレーシアは中立的立場を示しています(最近は少し背後にいる国々の影響力を鑑みて少し変化してる感じもしますが…)。
ですが、喫緊のパレスチナ問題を例にあげた場合、マレーシアで生活していると、親パレスチナ反イスラエル的な見方をしている人が多いように感じます。
マレーシアの多数派であるイスラム教徒のマレー人や、マレーシアに集まる他国(インドネシアやパキスタン中東諸国etc)のイスラム教徒の人たちの友人の中でも、インスタグラムのストーリーで、反イスラエル的な記事をシェアしている人が結構います。
また最近では、国内でも反イスラエルデモや、イスラエルの裏側につく米国への抗議として、米国外資企業のKFCなどの不買運動が行われているのも事実です。
加えて、世論が反映されやすい政治を見ても、2023年に首相はハマス批難はしないと述べていたりと、取り上げる問題によるということは否めないですが、意外と、イスラーム的なイスラーム教徒としての判断基準を持った人たちが多く、国全体としての政治やあり方に関してもそれらがある程度反映されているようにも感じます。
逆にこうしたイスラーム的な道徳観や考え方が治安のよさなどに反映されているといったプラスな見方もできますが、マレーシアが完全に中立的で多文化で様々な思想を平等に受け入れて不和なく共存しているような社会だと想像しすぎるのはよくないというのが個人的な見解です。

中華系の人々と中国の進出
中国色の増加

加えて、マレーシアで影響力や存在感が強いのは中華系の人たち(華人)です。彼らは中国本土(とりわけ南方が多い)にルーツを持つ人たちで、歴史的にマレーシアに労働者として来てそこから富を蓄えた居住していった人たちです。彼らのアイデンティティは中国本土とは似て非なる独自のものがあり、政治思想や考え方も中国本土の人たちとは異なっているように感じます。
しかし、華人の人たちは、言語的には中国本土で話されている共通語である普通語を話す人も多く、大学などをはじめ、中国本土からの人も多く、結果としてマレーシアはマレー語より中国語が溢れているなんてことがよくあります。何が言いたいかというと、最初にイスラーム色が強いと言いましたが、それに加えて、中国色もかなり強いということです。
中国語が通じる人たちが多いから展開がしやすいのか、モールなどでは中国本土の企業が多く見られたり、パッと見中国本土なんじゃないかと錯覚するくらい街中で中国企業や中国語表記で溢れているところもあります。
また、有名なマレーシアの観光地マラッカですら、ヨーロッパ風の街並みを感じるところもある一方、メインストリートのジョンカーストリートの入口には中国との国交50年を祝う看板があったりと、中国の進出と全体として高まる中国色を感じます。

マラッカジョンカーストリートにある看板

中国の掲げる一帯一路と、中国語の通じる華人の人たちの影響力があるマレーシアは相性がいいのかもしれません。
また、華人や中国本土の人たちはやはり、お金がある人が多いからか、マレーシアの国内では高いと感じるお店ではほとんど中国語だけが飛び交っているなんてことがよくあります。人種の中での経済的格差があることを暗に示しているようにも感じます。

まとめ

ここまで長々と書いてきたことをまとめると、マレーシアは確かに国全体としてマクロ的に見れば、多民族多文化共生社会のように見えるけど、実際、個人やコミュニティ同士などミクロ的に見ると、多数派のマレー人やイスラム教徒の人たちが出すイスラーム色や、中華系の人たちや影響力を拡大する中国本土による中国色など、意外に偏っていて、格差や一定の不和が生じているのだろうというのが私の一意見です。しかし、これはおそらく多民族国家だけではない問題のようにも感じます。また、こうした問題から内紛や政変に陥り、人々が生活困難になってしまっている国々もあるのが現状であり、それらと比べたくはないですが、マレーシアはそこまでではなく、そうした点では共生できていると言えるのかもしれません。

最後に、最初に述べたように、これはあくまで私がマレーシアに来て感じたことを少しの素人知識と合わせて考えたことです。同じようにマレーシアにいても関わる人たちや住んでいる地域で全然違った考え方があると思います。一意見としてこんなマレーシアの1面もあるくらいで読んでいただけてたらうれしいです。
私はこう感じた、ここにはこうした見方や考え方があるなど、マレーシア在住の方や専門家の方々などで何か意見がごさいましたら、コメントやdmなどで教えていただけたら幸いです!
読んでいただきありがとうございました!

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